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Koretsune Y et al Short-Term Safety and Plasma Concentrations of Edoxaban in Japanese Patients With Non-Valvular Atrial Fibrillation and Severe Renal Impairment
結論 重度腎不全(SRI)を合併する日本人の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において,edoxaban 15mg 1日1回12週投与は,腎機能正常または軽度低下例における30mgまたは60mg 1日1回投与と比較し,同様の安全性および血漿濃度,バイオマーカープロファイルを示した。
コメント 他のNOACでもクレアチニンクリアランス15~30mL/分で使用が可能な薬剤はあるが,実際のデータにもとづく許可ではなく,血中濃度推定による許容である。本研究では,NOACでは唯一,実際の患者さんにおいて高度腎機能障害時の低用量投与が血中濃度推移に与える影響について検討したものである。結果としては,15mg/日が腎機能良好な患者における60mg/日とトラフで,30mg/日とピークで,同等との結果が得られた。ただ,症例数が少ないため,有効性・安全性に関する充分なデータとはいえず,承認用量はあくまでも30mg/日であることを記しておきたい。(是恒之宏

目的 SRI(クレアチニンクリアランス[CLCR]≧15~<30mL/分)を合併するNVAF患者において,edoxabanの有効性および安全性のデータは限られている。本研究は,上記患者におけるedoxaban 15mg 1日1回投与の短期安全性および血漿濃度を,30mgまたは60mgを投与された腎機能正常/軽度の腎機能低下(CLCR≧50mL/分)のNVAF患者と比較した。安全性の評価項目:大出血または大出血ではないが臨床的に問題となる出血(CRNM),全出血(大出血+CRNM+小出血),小出血,CRNM,有害事象,薬物有害反応。
デザイン 第III相,PROBE試験。NCT01857622。
セッティング 多施設,日本。
期間
対象患者 93例。20歳以上,過去12ヵ月間にNVAFが客観的に確認され,抗凝固療法の適応とされる患者。CHADS2スコア≧1点,CLCRが≧15~<30mL/分または≧50mL/分。
【除外基準】透析中またはその予定,出血リスクにさらされている,他の抗凝固薬を投与されている(warfarin,rivaroxaban,dabigatranは除く)。
【患者背景】平均年齢は15mg群80.9歳,30mg群68.0歳,60mg群72.2歳。各群の男性56.0%,81.8%,66.7%。平均体重54.4kg,65.0kg,67.0kg。CLCR中央値26.3mL/分,64.4mL/分,62.5mL/分。ベースライン時のwarfarin使用96.0%,90.9%,81.0%。平均CHADS2スコア3.5,1.7,2.0。併用薬:amiodarone 10.0%,4.5%,4.8%,aspirin 30.0%,9.1%,9.5%,NSAIDS 8.0%,9.1%,9.5%。
治療法 SRI患者50例にはedoxaban 15mg 1日1回,正常/軽度腎機能低下患者は30mg 1日1回(22例)または60mg 1日1回(21例)に無作為割付。正常/軽度腎機能低下患者では,体重≦60kgまたはP糖蛋白阻害薬(quinidine,verapamil)を併用投与の場合は無作為割付時に用量の50%減量を行い,各群8例が30mgから15mg,または60mgから30mgに減量された。全例に対し試験薬を12週投与した。血栓症予防のためすでにwarfarinを投与されていた患者は,edoxabanへの切替えを行ったが,warfarinの中止または減量から2週間経過してもPT-INRが<2.0とならない場合は試験を中止した。また,透析が必要またはCLCRが<15mL/分に低下した場合は試験薬投与を中止した。
追跡完了率
結果

●評価項目
全出血は15mg群10例(20.0%),30mg群5例(22.7%),60mg群5例(23.8%)で,同程度であった。
大出血は0例で,CRBMは60mg群に1例(血尿)発生した。
血栓塞栓イベントは認めなかった。
血漿濃度およびバイオマーカー値は全群で同様であった。

●有害事象
1件以上の有害事象は15mg群33例(66.0%),30mg群14例(63.6%),60mg群10例(47.6%)に発生した。1件以上の重篤な有害事象は15mg群5例(10.0%),1件以上の試験薬中止に至る有害事象は15mg群5例(10.0%),60mg群2例(9.5%)。

文献: Koretsune Y, et al. Short-Term Safety and Plasma Concentrations of Edoxaban in Japanese Patients With Non-Valvular Atrial Fibrillation and Severe Renal Impairment. Circ J 2015; 79: 1486-95. pubmed
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