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Szummer K et al Association between the use of fondaparinux vs low-molecular-weight heparin and clinical outcomes in patients with non-ST-segment elevation myocardial infarction
結論 非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)患者のルーチンケアにおいて,fondaparinux は低分子量heparin(LMWH)にくらべ,院内および180日後までの出血イベントおよび死亡率抑制と関連していた。
コメント ランダム化比較試験では,未分画ヘパリン投与時の出血イベントの減少が示唆されていた。ランダム化比較試験は厳重な登録基準,除外基準を満たし,治験慣れした施設において施行される科学的仮説検証試験である。年齢,合併疾患,併用薬にばらつきがある実臨床の症例における効果,安全性は,ランダム化比較試験の結果とは異なる場合が多い。本研究はスウェーデンにおける40,616例の登録データをもとに,非ST上昇型急性冠症候群においてfondaparinuxと低分子量ヘパリンの比較を行った。
薬剤開発の第III相試験が大規模な国際共同研究試験であったとしても,その結果の外的妥当性には常に疑問がある。わが国は保険医療システムとして均質なので,経済情報にかかわらず薬剤使用とアウトカムの関係などを持続的に示すシステムになるとよい。(後藤信哉

目的 NSTEMI患者の大規模RCTにおいて,fondaparinuxはLMWHにくらべ大出血イベント抑制ならびに生存率改善と関連していたが,RCT以外の状況でのfondaparinux使用経験は十分ではない。本研究では,SWEDEHEART registryのデータを用い,実地臨床でfondaparinuxもしくはLMWHを投与されたさまざまなNSTEMI患者において,虚血および出血イベント発症率を評価した。主要評価項目:院内における重篤な出血および死亡,30日後および180日後の大出血,死亡,脳卒中,心筋梗塞再発。
デザイン 登録研究。
セッティング 多施設(72施設),スウェーデン。
期間 登録期間は2006年9月1日~2010年6月30日,追跡終了は2010年12月31日。
対象患者 40,616例。当該期間にfondaparinuxまたはLMWHを投与され,18歳以上,SWEDEHEARTに初めて登録されたNSTEMI患者連続例。
【除外基準】-
【患者背景】年齢中央値はfondaparinux群72歳,LMWH群74歳。各群の女性36.5%,37.6%。糖尿病25.4%,26.9%。高血圧56.5%,55.3%。現喫煙21.0%,20.0%。病歴:心筋梗塞28.2%,32.2%。PCI施行歴14.4%,13.2%。CABG施行歴10.2%,10.4%。うっ血性心不全14.5%,18.7%。脳梗塞10.1%,11.9%。出血6.1%,6.1%。
治療法 fondaparinux 投与は14,791例(36.4%),LMWH投与は25,825例(63.6%)。
追跡完了率
結果

●評価項目
院内出血イベントはfondaparinux 群165例(1.1%)で,LMWH群461例(1.8%)より少なかった(補正後OR 0.54;95%CI 0.42-0.70)。
院内での死亡はfondaparinux 群394例(2.7%),LMWH群1,022例(4.0%),補正後OR 0.75;0.63-0.89。
両群における大出血,死亡率の差異は,30日後,180日後も同様であった。
大出血:30日後 fondaparinux 群204例(1.4%),LMWH群547例(2.1%),補正後OR 0.56;0.44-0.70,180日後285例(1.9%),712例(2.8%),補正後OR 0.60;0.50-0.74。
死亡:30日後 fondaparinux 群628例(4.2%),LMWH群1,508例(5.8%),補正後OR 0.82;0.71-0.95,180日後1,234例(8.3%),3,041例(11.8%),補正後OR 0.76;0.68-0.85。
心筋梗塞再発および脳卒中は,30日後,180日後も両群で同程度であった。
心筋梗塞再発:30日後 fondaparinux 群1,326例(9.0%),LMWH群2,463例(9.5%),補正後OR 0.94;0.84-1.06,180日後2,100例(14.2%),4,077例(15.8%),補正後OR 0.97;0.89-1.06。
脳卒中:30日後 fondaparinux 群75例(0.5%),LMWH群153例(0.6%),補正後OR 1.11;0.74-1.65,180日後258例(1.7%),511例(2.0%),補正後OR 0.98;0.79-1.22。

●有害事象

文献: Szummer K, et al. Association between the use of fondaparinux vs low-molecular-weight heparin and clinical outcomes in patients with non-ST-segment elevation myocardial infarction. JAMA 2015; 313: 707-16. pubmed
関連トライアル ACTION Registry-GWTG stratified analysis, Carrero JJ et al, FAST-MI CYP2C19 and PPI, FUTURA/OASIS-8, Gurfinkel EP et al, OASIS-5, OASIS-5 and 6, OASIS-6, SYNERGY
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