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Leonard CE et al Comparative risk of ischemic stroke among users of clopidogrel together with individual proton pump inhibitors
結論 clopidogrel+プロトンポンプ阻害薬(PPI)併用患者において,clopidogrelとの相互作用の可能性がないと考えられるpantoprazoleを参照とした場合,どのPPIも脳梗塞発症率を上昇させなかった。
コメント 抗血栓療法中に消化管出血を起こすと,凝固系の亢進や抗血栓薬の休薬により血栓・塞栓症のリスクが増大し,転帰が悪くなることが知られている。クロピドグレル療法中にも上部消化管予防に各PPIがしばしば投与されるが,PPI投与によるCYP2C19抑制を介するクロピドグレル効果低減の懸念を否定する報告として,本臨床研究は意義深い。(矢坂正弘

目的 clopidogrelの脳梗塞リスク低減効果が,併用するPPIにより異なるかについては議論があり,データもほとんどない。本研究では,clopidogrel服用患者における脳梗塞発症リスクについて,個々のPPIの安全性を比較した。評価項目:併用開始から180日以内の新規脳梗塞による入院。
デザイン プロペンシティスコア補正,後ろ向きコホート研究。
セッティング 多施設,米国。
期間 追跡期間は試験登録日から以下のいずれかまで(評価項目発生,死亡,追跡第181日,clopidogrelとPPIの処方間隔が>15日,他のPPIへの切り替え,メディケイド登録資格の喪失,データセット終了)。
対象患者 325,559例。1999~2009年,カリフォルニア州,フロリダ州,ニューヨーク州,オハイオ州,ペンシルバニア州のメディケイド処方データより,12ヵ月以上メディケイドに登録後clopidogrelを新規に処方された,PPI(pantoprazole,esomeprazole,lansoprazole,omeprazole,rabeprazole)併用患者((1)服用中のPPIにclopidogrelを追加,(2)clopidogrelおよびPPIを同じ日に開始,(3)服用中のclopidogrelにPPIを追加)。
【除外基準】18歳未満。
【患者背景】症例数はpantoprazole群57,089例,esomeprazole群59,821例,lansoprazole群106,470例,omeprazole群88,069例,rabeprazole群14,110例。登録時の年齢中央値はそれぞれ72.0歳,69.7歳,71.5歳,72.0歳,71.5歳。女性63.9%,62.7%,64.3%,63.0%,64.8%。脳梗塞40.2%,29.5%,36.8%,34.6%,31.6%。糖尿病67.2%,67.4%,65.4%,65.3%,62.5%。高血圧93.1%,93.7%,93.5%,91.1%,92.3%。
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
全体の脳梗塞発症は 1,667例(2.4%/年;95%CI 2.3-2.5)であった。
pantoprazoleを参照とした補正後HRは以下の通り。
esomeprazole:HR 0.98;0.82-1.17。
lansoprazole:HR 1.06;0.92-1.21。
omeprazole:HR 0.98;0.85-1.15。
rabeprazole:HR 0.85;0.63-1.13。

●有害事象

文献: Leonard CE, et al. Comparative risk of ischemic stroke among users of clopidogrel together with individual proton pump inhibitors. Stroke 2015; 46: 722-31. pubmed
関連トライアル COGENT, FAST-MI CYP2C19 and PPI, Ho PM et al, Rassen JA et al
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