抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
ORBIT-AF bridging
結論 ブリッジングは経口抗凝固療法一時中断患者の1/4に行われ,出血および有害事象リスク上昇と関連していた。本データより,ブリッジングのルーチン的使用は支持されず,経口抗凝固療法の中断については更なるデータが求められる。
コメント 興味ある成績であるが,観察研究であり,現在進行中のランダム化比較試験(BRIDGE Study,NCT00786474)の結果をまつべきであろう。ルーチン的なヘパリンブリッジは必ずしも有用ではないかもしれないが,一方で,血栓塞栓リスクの高い患者においては,抗凝固薬の一時中止の際にブリッジングを行うことを否定するものではない。(是恒之宏

目的 手技施行のための経口抗凝固療法の一時中断はしばしば必要となり,ブリッジングが用いられることもある。しかし,臨床現場における経口抗凝固療法一時中断中のブリッジングの使用および転帰については不明である。そこで,本研究登録患者における手技施行のための抗凝固療法一時中断の発生率を調査し,中断の理由,ブリッジング使用のパターン,ブリッジング使用の有無による転帰を検討した。
デザイン 前向き登録研究。NCT01165710。
セッティング 多施設(176施設),米国。
期間 追跡期間中央値は24ヵ月。
対象患者 7,372例。本解析の対象は,ORBIT AF登録患者(≧18歳,ECGで確認された心房細動患者[可逆的な理由ではない])のうち,追跡期間2年以上,1回以上の追跡外来の記録があり,登録時に経口抗凝固療法中であった症例。
【除外基準】-
【経口抗凝固療法の一時中断があった2,200例における,ブリッジングの有無別の患者背景】年齢中央値はブリッジングなし群75歳,ブリッジング群74歳(p=0.009)。それぞれの女性41%,42%。脳血管イベント既往15%,22%(p=0.0003)。機械弁置換2.4%,9.6%(p<0.0001)。登録時の抗凝固療法(p=0.02):warfarin 93%,96%,dabigatran 6.8%,3.7%。手技施行前のもっとも近い時点でのPT-INR 2.34,2.28。手技前のTTR 67%,62%(p=0.0002)。CHA2DS2-VAScスコア平均値4.03,4.25(p=0.01),≧2:94%,95%。
治療法 経口抗凝固薬(warfarinまたはdabigatran)を投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
追跡期間中に2,200例(30%),2,803件の経口抗凝固療法の一時中断があった。
ブリッジングは665例(24%)に行われ,おもに低分子量heparin(487例[73%]),未分画heparin(97例[15%])が用いられた。
ブリッジングをうけた患者は脳血管イベント既往,機械弁置換が多く,CHA2DS2-VAScスコア平均値が高かったが,同スコア≧2の割合は同程度であった(患者背景の項参照)。
出血イベント(手技から30日以内の大出血,出血による入院),全イベント(脳卒中,心筋梗塞,大出血,入院,死亡)はブリッジング群のほうが多く,心血管イベント(脳卒中,全身性塞栓症,心筋梗塞,心血管疾患による入院)は多い傾向を認めた。
出血イベント:ブリッジング群5.0% vs. なし群1.3%,補正後OR 3.84;95%CI 2.07-7.14,p<0.0001。
全イベント:13% vs. 6.3%,補正後OR 1.94;1.38-2.71,p=0.0001。
心血管イベント:4.6% vs. 2.5%,補正後OR 1.62;0.95-2.78,p=0.07。

●有害事象

文献: Steinberg BA, et al., Outcomes Registry for Better Informed Treatment of Atrial Fibrillation (ORBIT-AF) Investigators and Patients. Use and Outcomes Associated With Bridging During Anticoagulation Interruptions in Patients With Atrial Fibrillation: Findings From the Outcomes Registry for Better Informed Treatment of Atrial Fibrillation (ORBIT-AF). Circulation 2015; 131: 488-94. pubmed
関連トライアル ACE , ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, AFCAS Registry, ARISTOTLE major bleeding, COMPARE, Dresden NOAC registry, ENGAGE AF-TIMI 48 cerebrovascular events, ENGAGE AF-TIMI 48 transition to open-label anticoagulation, Fushimi AF Registry, Jaffer AK et al, Kim TH et al, Lakkireddy D et al, Lakkireddy D et al, Lamberts M et al, Larsen TB et al, ORBIT-AF, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, ROCKET AF elderly patients, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF temporary interruption, Swedish Atrial Fibrillation cohort study, Swedish Atrial Fibrillation Cohort Study: net benefit, Torn M et al, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性, 長期VKA療法患者における周術期橋渡し療法
関連記事