抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Graham DJ et al Cardiovascular, bleeding, and mortality risks in elderly medicare patients treated with dabigatran or warfarin for nonvalvular atrial fibrillation
結論 高齢の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の実地臨床において,dabigatranはwarfarinにくらべ,脳梗塞,頭蓋内出血,死亡リスクは抑制され,消化管大出血リスクは上昇していた。これらの関連は150mg 1日2回投与例で顕著であったが,75mg 1日2回投与例では,頭蓋内出血リスクが低かったことを除き,warfarinと同程度であった。
コメント Hernandez I et alのコメントを参照されたい。(是恒之宏

目的 NVAF患者の実地臨床において,dabigatranのwarfarinに比較しての安全性はまだ確立されていない。本研究では,dabigatranもしくはwarfarinを開始したメディケアに登録されている高齢NVAF患者において,プロペンシティスコア解析を用いて脳卒中ならび出血リスクの比較を行った。主要評価項目:脳梗塞,大出血(特に頭蓋内/消化管),急性心筋梗塞。
デザイン 後ろ向きコホート研究。
セッティング 多施設,米国。
期間 登録期間は2010年10月19日~2012年12月31日。
対象患者 134,414例。メディケア登録者(本解析では65歳以上,パートA,B,D登録者に限定)から同定された,心房細動/粗動のため試験薬を開始した入院/外来患者(dabigatran群67,494例+warfarin群273,920例)のうち,プロペンシティスコアを合致できた症例。
【除外基準】メディケア登録から試験薬処方までの期間が6ヵ月未満,試験薬/rivaroxaban/apixabanを以前に処方されている,高度看護施設/老人ホーム/ホスピス入居者,試験薬処方日を超えての入院(処方日に退院した場合は対象とした),透析,腎移植,心房細動以外のwarfarin適応病態(僧帽弁疾患,心臓弁修復/置換,深部静脈血栓症,肺塞栓症,関節置換術から6ヵ月以内)。
【患者背景】65~74歳はdabigatran群42%,41%,75~84歳43%,43%,≧85歳16%,16%。各群の女性51%,52%。脳卒中発症から30日以内2%,2%,31~183日1%,2%。CHADS2スコア0~1点28%,28%,2点40%,40%,3点21%,21%,≧4点10%,11%。
治療法 dabigatranまたはwarfarinを投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
37,587患者・年において,主要イベントは2,715例発症した。
dabigatran(両用量結合)のwarfarinに比較してのHRは以下の通り。
脳梗塞:HR 0.80;95%CI 0.67-0.96,p=0.02。
頭蓋内出血:HR 0.34;0.26-0.46,p<0.001。
大出血;HR 0.97;0.88-1.07,p=0.50。
消化管大出血:HR 1.28;1.14-1.44,p<0.001。
急性心筋梗塞:HR 0.92;0.78-1.08,p=0.29。
死亡:HR 0.86;0.77-0.96,p=0.006。
dabigatran 75 mg 1日2回投与例では,頭蓋内出血リスクはdabigatran群で低かったが(HR 0.46;0.26-0.81),それ以外(脳梗塞,大出血,死亡)はwarfarin群と同程度であった。
75 mg 1日2回投与例のうち,6ヵ月以内に慢性腎臓病の診断をうけていた症例は33%,そのうち重度の腎障害は20%であった。
150mg 1日2回投与例では,有効性の強さは両用量の結合解析より大きかった(脳梗塞:HR 0.70;0.57-0.85)。

●有害事象

文献: Graham DJ, et al. Cardiovascular, Bleeding, and Mortality Risks in Elderly Medicare Patients Treated with Dabigatran or Warfarin for Non-Valvular Atrial Fibrillation. Circulation 2015; 131: 157-64. pubmed
関連トライアル Albrecht JS et al, Alonso A et al, ARISTOTLE major bleeding, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, Larsen TB et al, Larsen TB et al, Majeed A et al, ORBIT-AF, RE-ALIGN, RE-COVER II , RE-LY, RE-LY cardioversion, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RELY-ABLE, SPORTIF risk of bleeding
関連記事