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TRA 2P-TIMI 50 new ischemic stroke
結論 脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)のない心筋梗塞または末梢動脈疾患(PAD)患者において,vorapaxarは脳梗塞を抑制した。vorapaxar服用中に新規に脳梗塞を発症した患者において,出血性変化および死亡の増加は認めなかった。出血性脳卒中は増加したが,全脳卒中は抑制された。

目的 vorapaxarは心筋梗塞またはPAD既往患者において血栓イベントを抑制するが,頭蓋内出血リスクが上昇するため,脳卒中既往患者に対しては禁忌となっている。本解析はTRA 2P-TIMI 50のサブ解析として,脳血管疾患のない心筋梗塞またはPAD患者において,新規脳梗塞および死亡または頭蓋内出血の発症率を検討した。有効性の主要評価項目:心血管死,心筋梗塞,脳卒中の複合。
デザイン TRA 2P-TIMI 50は無作為割付,二重盲検,プラセボ対照試験。
セッティング
期間 追跡期間中央値31ヵ月。
対象患者 20,170例。TRA 2P-TIMI 50対象患者(安定アテローム性動脈硬化症患者(心筋梗塞,PAD,脳梗塞既往)26,449例のうち,脳血管疾患(脳卒中またはTIA)のない症例。
【除外基準】血行再建術施行予定,出血素因歴,ビタミンK拮抗薬投与中,頭蓋内出血既往。
【患者背景】本解析対象者の年齢中央値はvorapaxar群60歳,プラセボ群60歳。各群の女性22%,21%。糖尿病24%,24%。高血圧65%,65%。脂質異常症85%,85%。現喫煙21%,22%。冠動脈疾患93%,93%。PAD 23%,23%。背景の薬物療法:aspirin 97%,97%,チエノピリジン系薬剤71%,72%,aspirin+チエノピリジン系薬剤併用69%,69%。
治療法 TRA 2P-TIMI 50はvorapaxar群(本解析対象は10,080例。2.5mg/日投与)またはプラセボ群(同10,090例)に無作為割付。
追跡完了率
結果

●評価項目
vorapaxarは全脳卒中,全脳梗塞を抑制した。出血性脳卒中は増加した。
全脳卒中:vorapaxar群1.2% vs. プラセボ群1.6%,HR 0.67;95%CI 0.52-0.87,p=0.002。
全脳梗塞:0.9% vs. 1.5%,HR 0.57;0.43-0.75,p<0.001。
出血性脳卒中:0.2% vs. 0.1%,HR 2.79;1.00-7.74,p=0.049。
追跡期間中における脳卒中後の出血性変化(HR 1.19,95%CI 0.49-2.91,p=0.70),死亡(HR 1.09,95%CI 0.57-2.07,p=0.79)について,vorapaxarによる上昇を認めなかった。
90日後の機能的転帰(modified Rankin Score:mRS)は両群で同程度であった(vorapaxar群2.7 vs. プラセボ群2.3,p=0.21)。

●有害事象

文献: Bonaca MP, et al. New Ischemic Stroke and Outcomes With Vorapaxar Versus Placebo: Results From the TRA 2°P-TIMI 50 Trial. J Am Coll Cardiol 2014; 64: 2318-26. pubmed
関連トライアル AAA, APPRAISE, APPRAISE-2, ATLAS ACS 2-TIMI 51 STEMI patients, CAD患者に対するPAR-1拮抗薬の安全性および有効性, Carrero JJ et al, CHARISMA stroke severity, CHARISMA subgroup analysis, COMPASS, CREDO, ENGAGE AF-TIMI 48 cerebrovascular events, Flynn RW et al, Lee WH et al, OPTIMIZE, PCI-CLARITY, PLATO total events, TRA 2P-TIMI 50, TRA 2P-TIMI 50 previous myocardial infarction, TRA 2P-TIMI 50 prior ischemic stroke, TRACER, TRACER undergoing CABG, TRITON-TIMI 38 diabetes, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較(2013), 血管疾患患者に対する抗血小板療法, 心房細動患者に対する脳卒中予防療法における年齢効果
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