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Karrowni W et al Chronic Vitamin K Antagonist Therapy and Bleeding Risk in ST Elevation Myocardial Infarction Patients
結論 初回PCI(pPCI)をうけるSTEMI患者において,長期ビタミンK拮抗薬(VKA)服用は非服用にくらべ,PT-INRが≧2.0であるかどうかに関係なく,院内大出血リスク上昇と関連していた。VKA服用例ではGP IIb/IIIa受容体拮抗薬(GPI)は出血リスク上昇と関連していたが,bivalirudinはリスク低下と関連していた。

目的 長期VKAを服用しているSTEMI患者の急性期管理は不明確である。本研究は,National Cardiovascular Data Registry(NCDR)Acute Coronary Treatment and Intervention Outcomes Network(ACTION)Registry- Get with the Guideline(GWTG)のデータを用い,PCIをうける長期ビタミンK拮抗薬服用中のSTEMI患者について,院内における大出血リスクを評価し,また,出血と急性期治療の関連をPT-INR値により検討した。
デザイン 登録研究。
セッティング 多施設(586施設),米国。
期間 登録期間は2007年1月1日~2012年9月30日。
対象患者 120,270例。STEMI患者。
【除外基準】来院から24時間以内に死亡,pPCIをうけなかった症例,VKAに関するデータが得られなかった症例。
【患者背景】年齢中央値はVKA群70歳,非服用群59歳。各群の男性68.0%,72.2%。喫煙(現喫煙/最近の喫煙)27.7%,45.7%。高血圧81.1%,61.8%。脂質異常症65.2%,51.9%。糖尿病32.5%,22.3%。心筋梗塞既往33.5%,17.8%。うっ血性心不全既往16.5%,3.5%。過去2週間以内の心房細動/粗動34.4%,2.9%。脳血管疾患21.7%,6.0%。末梢血管疾患16.7%,4.6%。入院時のPT-INR中央値1.6,1.1。(すべてp<0.001)
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
VKA服用患者は3,101例(2.6%)。
VKA服用は非服用にくらべ,院内大出血リスク上昇と関連していた(17.0% vs 10.1%,p<0.001,補正後OR 1.26;95%CI 1.13-1.40)。
VKA服用群において,入院時のPT-INR≧2.0は<2.0にくらべ,出血リスク上昇と関連していなかった(≧2.0例18.8% vs. <2.0例16.3%,p=0.08,補正後OR 1.12;0.91-1.38)。
PT-INR<2.0は非服用にくらべ,出血リスク上昇と関連していた(16.3% vs. 10.1%,p<0.001,補正後OR 1.22;1.08-1.39)。
VKA服用群は症状発現から24時間以内にclopidogrelまたはbivalirudinをより多く投与されていたが,prasugrel,heparin,GPIは少なかった(すべてp<0.001)。
VKA服用群において,GPIは出血リスク上昇と関連していたが(補正後OR 1.92,95%CI 1.54-2.40),bivalirudinはリスク低下と関連していた(補正後OR 0.69,95%CI 0.55-0.86)。
PT-INR≧2.0と<2.0の患者について,heparin,bivalirudin,ADP受容体阻害薬,GPIの出血リスクは同程度であった。

●有害事象

文献: Karrowni W, et al. Chronic vitamin K antagonist therapy and bleeding risk in ST elevation myocardial infarction patients. Heart 2015; 101: 264-70. pubmed
関連トライアル ACTION Registry-GWTG stratified analysis, ACUITY, ACUITY bivalirudin, ACUITY switching to bivalirudin, Austrian Acute PCI Registry, CathPCI Registry, HORIZONS-AMI , ISAR-REACT 4, Lamberts M et al, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose
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