抗血栓トライアルデータベース
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Rotterdam Study
結論 coumarinの使用は微小出血と関連していた。関連はPT-INRの変動が大きい患者で強かった。
コメント coumarinはワルファリンと同じビタミン拮抗型経口抗凝固薬であること,微小出血に高血圧が強く関連することから,ワルファリン療法中は十分な血圧管理が重要であり,PT-INRの著しい変動を避けるきめ細かい用量調節が必要であろう。今後,微小出血が新規経口抗凝固薬による抗凝固療法と関連するか否かの研究が行われることに期待したい。(矢坂正弘

目的 一般住民において,coumarinの使用が脳微小出血に関連しているかは不明である。本研究では,(1)coumarinの使用が微小出血有病率,発症率上昇と関連しているか,(2)微小出血はPT-INR最高値が高い患者で多いか,(3) coumarin服用者において,PT-INRの変動が微小出血と関連しているか,検討を行った。
デザイン 一般住民をベースにしたコホート研究。
セッティング 多施設,オランダ。
期間 登録(MRI撮影)は2005~2011年。追跡期間は3.9±0.5年。
対象患者 4,945例。≧45歳,登録時のMRIデータがあるcoumarin服用例(追跡MRIデータが得られたのはこのうち3,069例)。
【除外基準】MRIデータ不完全,不適切。
【患者背景】平均年齢は64.0歳。女性55.1%。血圧138.9/82.2mmHg。総コレステロール5.5mmol/L。糖尿病8.8%。ラクナ梗塞7.4%。皮質下梗塞0.2%。皮質梗塞3.3%。
治療法 coumarin投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
coumarin服用率は,初回MRI前は8.6%,追跡MRI前は5.9%。
登録時に微小出血が認められたのは957例(19.4%)で,91%が6個以下であった(中央値1,範囲1~111)。追跡期間中の累積発症率は6.9%であった。
coumarin未服用者にくらべ,服用者は全微小出血(OR 1.29;95%CI 1.02-1.62,p<0.05)深部または天幕下微小出血の有病率が高かった(OR 1.70;1.24-2.34,p<0.05)。
また,統計学的有意差はなかったものの,全微小出血発症リスク(OR 1.44;0.89-2.32),深部または天幕下微小出血発症リスク(OR 1.85;0.89-3.88)が上昇していた(OR値はすべて年齢・性別補正後)。
深部または天幕下微小出血は,coumarin未服用者にくらべ,最高PT-INRが高い患者で高かった(p=0.073)。
coumarin服用者において,PT-INRの変動が大きい第1三分位例では,第3三分位例にくらべ,微小出血有病率が高かった(p=0.048)。

●有害事象

文献: Akoudad S, et al. Use of coumarin anticoagulants and cerebral microbleeds in the general population. Stroke 2014; 45: 3436-9. pubmed
関連トライアル González-Fajardo JA et al
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