抗血栓トライアルデータベース
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Danish Stroke Registry
結論 脳梗塞患者において,rt-PA静注は長期生存率改善と関連していた。
コメント 脳梗塞急性期にtPA血栓溶解療法を受けると長期予後が改善することを示した論文であり,本治療法の重要性を再認識させる。また考察に記されているように,本治療によって梗塞巣が小さくなれば,機能予後は改善し,肺炎や転倒に伴う骨折やうつといった転帰を悪化させる事象が少なくなることが,長期予後を改善させるのであろう。(矢坂正弘

目的 脳梗塞患者において,rt-PA静注後の長期転帰に関するデータは限られている。本研究では,長期死亡,脳梗塞再発による入院,大出血(頭蓋内,消化管出血を含む)について,rt-PA静注をうけた患者と,rt-PAの適応であったが治療をうけなかった患者の比較を行った。
デザイン 登録研究。
セッティング 多施設,デンマーク。
期間 登録期間は2004~2011年,追跡期間中央値は1.4(範囲0~7.6)年。
対象患者 4,292例。脳梗塞のため入院した18歳以上の患者81,477例のうち,rt-PA静注をうけた患者2,146例+プロペンシティスコアを合致させた,治療をうけなかった患者2,146例(うけなかった患者は2004~2006年の症例に限定。デンマークでは2004年4月1日にalteplaseが認可された当初は治療可能施設が限定されており,2008年に全適格患者に治療が可能になった)。
【除外基準】症状発現時間,入院時間データのない患者。
【患者背景】平均年齢はrt-PA施行例65.8歳,非施行例66.5歳。男性60.5%,59.3%。脳卒中重症度(Scandinavian stroke scaleによる):超重症7.7%,7.9%,重症14.9%,15.0%,中等症33.8%,33.9%,軽症41.4%,41.5%。発症-入院時間≦1.5時間54.1%,23.8%,1.5時間超3.0時間未満38.5%,21.1%,3.0時間超4.5時間未満7.4%,14.5%,>4.5時間0%,40.6%。心房細動16.4%,13.6%。高血圧50.9%,47.8%。糖尿病9.6%,12.6%。脳卒中既往11.3%,22.4%。
治療法 alteplase静注。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
追跡期間中における死亡は633例(14.8%),脳梗塞再発による入院は244例(5.7%),大出血は98例(2.3%)に認められた。
rt-PA静注は長期死亡率低下と関連していたが,脳梗塞再発,出血は関連を認めなかった。
長期死亡率:補正後HR 0.66,95%CI 0.49-0.88。
脳梗塞再発:補正後HR 1.05,95%CI 0.68-1.64。
大出血:補正後HR 0.59,95%CI 0.24-1.47。
消化管出血:補正後HR 0.33,95%CI 0.01-8.02。

●有害事象

文献: Schmitz ML, et al. Acute ischemic stroke and long-term outcome after thrombolysis: nationwide propensity score-matched follow-up study. Stroke 2014; 45: 3070-2. pubmed
関連トライアル Danish Stroke Registry, Georgiadis D et al, 2006, GWTG-Stroke Registry risk of sICH, GWTG-Stroke time to treatment, ICARO, ICARO-2, Larsen TB et al, Mehta RH et al, MERCI and Multi MERCI previous IV tPA, SITS-ISTR sex differences, SITS-ISTR within-day and weekly variations, TIMS-China, 脳梗塞発症後3~4.5時間の時間枠におけるrt-PA静注の有効性および安全性
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