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STREAM 1-year mortality
結論 症状発現から3時間以内で,1時間以内に初回PCI(pPCI)を行うことができないST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,1年後の死亡率は線溶療法群,pPCI群で同程度であった。

目的 STREAM試験では,1時間以内にpPCIを行うことができないSTEMI患者において,薬物を投与後に冠動脈造影を行うストラテジーをpPCIと比較。30日後,線溶療法群の主要評価項目(死亡,ショック,うっ血性心不全,再梗塞の複合)はpPCI群にくらべ,発症率は数値的には少なかったものの,統計学的有意差は認められなかった。本解析では,1年後の死亡率について検討を行った。
デザイン 無作為割付,オープンラベル。NCT00623623。
セッティング 多施設,複数国。
期間
対象患者 1,892例。発症から3時間以内で,1時間以内にpPCIを施行できない急性STEMI患者(隣接する複数の末梢/前胸部誘導で≧2mmの上昇が認められる)。
【除外基準】-
【患者背景】平均年齢は線溶療法群59.7歳,pPCI群59.6歳。各群の女性20.6%,21.9%。心筋梗塞既往8.6%,10.3%。糖尿病12.1%,13.1%。症状発現から無作為割付までの経過時間<1時間18.0%,19.7%,1時間以上2時間未満50.3%,48.1%,≧2時間31.7%,32.2%。
治療法 PCI施行可能な施設への搬送前に,以下の2群に無作為割付。
線溶療法群:944例。病院到着前にtenecteplaseおよび抗血小板薬+抗凝固薬を投与し,6~24時間以内に冠動脈造影を実施。必要に応じてrescue PCIを行った。tenecteplaseは体重により用量を調整した。なお,試験開始後,高齢者でtenecteplaseによる頭蓋内出血発生率の上昇が指摘され,予定登録症例数の21%に達した後,75歳以上に対しては投与量を半分に減量するようプロトコールが変更された。
pPCI群:948例。ガイドラインにしたがい実施。
追跡完了率 生命状態に関する1年後の追跡完了は,線溶療法群936/944例(99.2%),pPCI群941/948例(99.3%)。
結果

●評価項目
1年後,全死亡は線溶療法群63例(6.7%),pPCI群56例(5.9%)で,有意差は認められなかった(p=0.49,RR 1.13;95%CI 0.79-1.62)。
心臓死も同程度であった(4.0% vs. 4.1%,p=0.93, RR 0.98;0.62-1.54)。
全体では,30日後から1年後までの全死亡は34例(PI群20例[2.2%],pPCI群14例[1.6%]),非心臓死は20例であった(PI群13例,pPCI群7例)。
主要サブグループにおける1年後の全死亡について,プロトコール変更前後で治療の交互作用を認めたが,それ以外のサブグループでは有意差を認めなかった。
プロトコール変更前:線溶療法群9.9%,pPCI群4.3%,RR 2.32;1.09-7.51,p=0.031,変更後:5.9% vs. 6.3%,RR 0.93;0.61-1.39,p=0.715,交互作用p=0.04。
心臓死については,プロトコール前後で交互作用を認めなかった(交互作用p=0.380)。

●有害事象

文献: Sinnaeve PR, et al.; STREAM investigators*. ST-Segment-Elevation Myocardial Infarction Patients Randomized to a Pharmaco-Invasive Strategy or Primary Percutaneous Coronary Intervention: Strategic Reperfusion Early After Myocardial Infarction (STREAM) 1-Year Mortality Follow-Up. Circulation 2014; 130: 1139-45. pubmed
関連トライアル OASIS-6, PPCIを行うSTEMI患者におけるabciximabと小分子の有用性, STREAM, TIMI IIIB 1995, TRIANA
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