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ISAR-ASPI Registry Intracoronary Stenting and Antithrombotic Regimen-Aspirin and Platelet Inhibition Regitry
結論 PCI施行から1年の間,施行前に測定されたaspirin投与中の高い血小板反応性(HAPR)は,死亡またはステント血栓症リスク上昇と関連していた。

目的 PCI施行患者において,DAPTの一部としてのaspirin投与は必須である。しかし,clopidogrel投与中の高い血小板反応性(HCPR)と臨床転帰の関連は確立されているが,aspirin投与中の高い血小板反応性(HAPR)についてのデータは相反している。本研究では,PCI施行患者における臨床転帰に関して,予後バイオマーカーとしてのHAPRの有用性を評価した。主要評価項目:1年後の全死亡またはステント血栓症(definite/probable)。
デザイン 登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 多施設(2施設),ドイツ。
期間 登録期間は2007年2月~2013年5月。
対象患者 7,090例。aspirin前投与をうけた,PCIを施行する冠動脈疾患患者連続例(安定/不安定狭心症,ST上昇型/非ST上昇型心筋梗塞)。
【除外基準】心原性ショック,当該PCIでステント血栓症を発症。
【患者背景】HAPRの有無別の患者背景(HAPR群1,414例,非HAPR群5,676例)を記す。平均年齢は,HAPR群68.6歳,非HAPR群68.0歳。各群の女性20%,24.6%(p=0.0002)。糖尿病26.9%,28.3%。高血圧57.9%,58.2%。高コレステロール血症70.7%,74.9%(p=0.001)。入院時にaspirin服用中91.2%,93.8%(p=0.0006)。入院時にADP受容体拮抗薬服用中66.7%,71.2%(p=0.001)。心筋梗塞既往25.3%,25.2%。冠動脈疾患の病状(p<0.0001):ST上昇型心筋梗塞9.9%,9.2%,非ST上昇型心筋梗塞9.7%,7.4%,不安定狭心症20.6%,25.6%,安定狭心症59.8%,57.8%。
治療法 全例に対し,PCIに備えてaspirin 500mg静注およびADP受容体拮抗薬前投与を行い,aspirin 100mg 1日2回無期限投与を推奨した。aspirinを含む抗血小板薬2剤併用療法などその他の薬剤は,標準治療にしたがって投与した。
aspirin投与後,PCI施行前に採血し,血小板凝集値を検討した。解析はmultiplate analyzerを用い,HAPRのカットオフ値は上側五分位(20%)のASPI=203凝集単位×分とした。
追跡完了率
結果

●評価項目
HAPR群は非HAPR群にくらべ,1年後の死亡またはステント血栓症のリスクが高かった(88例[6.2%]vs. 208例[3.7%],OR 1.78,95%CI 1.39- 2.27,p<0.0001)。
全死亡:HAPR群5.9% vs. 非HAPR群3.3%,p<0.0001。
心臓死:4.2% vs. 1.9%,p<0.0001。
ステント血栓症(definite/probable):1.1% vs. 0.6%,p=0.03。
院内出血(TIMI出血基準大+小出血)発症率は,両群で同程度であった(HAPR群95例[6.7%] vs. 非HAPR群324例[5.7%],p=0.15)。
HAPRは主要評価項目の独立予測因子であった(補正後HR 1.46,95%CI 1.12-1.89,p=0.005)。

●有害事象

文献: Mayer K, et al. Aspirin Treatment and Outcomes After Percutaneous Coronary Intervention: Results of the ISAR-ASPI Registry. J Am Coll Cardiol 2014; 64: 863-71. pubmed
関連トライアル ADAPT-DES, ARMYDA-PRO, CREDO, GRAVITAS, KAMIR, Lamberts M et al, Migliorini A et al, Mishkel GJ et al, OPTIMIZE, PCI-CLARITY, PCI-CURE, PRODIGY in-stent restenosis, Sibbing D et al (2009, JACC), TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose, TRITON-TIMI 38 PCI
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