抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
メタ解析
抗凝固療法の出血リスクにおける性別の影響
Influence of Sex on Risk of Bleeding in Anticoagulated Patients: a Systematic Review and Meta-Analysis
結論 抗凝固療法の大出血リスクは,特に心房細動患者では,男女で同程度であると考えられた。静脈血栓塞栓症(VTE)患者では男性のほうが女性よりわずかに低く,本結果は明確でなかった。

目的 血栓塞栓症リスクに性差があることは報告されているが,抗凝固療法中の出血リスクに性差があるかどうかは明確になっていない。本研究では,抗凝固療法をうけている心房細動またはVTE患者において,大出血リスクに性差があるかどうか検討を行った。主要評価項目:男性における女性に比較しての大出血相対リスク。
方法 MEDLINE(1966~2013年2月),EMBASE(1980~2013年2月),Cochrane Central Register(Issue 3)にて検索。言語,出版年,患者の年齢についての制限は設けなかった。2009~2012年の米国血液学会,国際血栓止血学会,米国心臓協会のアブストラクト,検索論文の文献リストの検索も行った。
対象:(1)RCTもしくは前向きコホート研究,(2)抗凝固療法中の成人の心房細動もしくはVTE患者を登録(抗血小板療法中の患者も対象としたが,抗血小板療法単独の場合は対象としなかった),(3)男女で同一の対象基準を使用,(4)男女で同一の抗血栓療法を実施,(5)RCTの1つ以上の治療群,もしくはコホート研究の≧80%の患者が治療的強度の抗凝固療法を1ヵ月以上うけている,(6)男女に同じように適用される大出血基準を使用,(7)大出血発症率を男女別に報告している試験。
対象 42試験(RCT 26件+前向きコホート研究16件),94,293例(心房細動患者78,044例[83%]+VTE患者16,156 例[17%])。女性は37,250例(40%)。
おもな対象試験:RE-LYAVERROESROCKET AFARISTOTLEAMADEUSSPORTIF IIISPORTIF VBAFTA,AFFIRM,AFASAK 2SPAF II
主な結果 ・大出血
全体における大出血の発症は4,147例。
男性における女性に比較しての大出血のRRは1.02;95%CI 0.95-1.10,I2=12%,p=0.64。出版バイアスは認めなかった。
心房細動患者のみ対象(21試験):RR 1.02;0.95-1.09,I2=4%,p=0.60。
VTE患者のみ対象(17試験):RR 0.80;0.65-0.98,I2=0%,p=0.03。
心房細動,VTE患者両方を対象(4試験):RR 1.45;1.09-1.92,I2=0%,p=0.01。
男性における女性に比較しての大出血リスクについて,心房細動患者とVTE患者の間に交互作用を認めた(p=0.03)。

男性における女性に比較しての大出血相対リスクは,以下のサブグループによる差異を認めなかった;登録時に抗凝固療法を開始 vs. すでに抗凝固を確立(p=0.59),抗凝固薬の種類(ビタミンK拮抗薬 vs. heparin vs. 新規経口抗凝固薬,p=0.84),抗凝固療法の強度(低強度 vs. 標準,p=0.71),試験の種類(RCT vs. 前向きコホート研究,p=1.00)。
文献: Lapner S, et al. Influence of sex on risk of bleeding in anticoagulated patients: a systematic review and meta-analysis. J Thromb Haemost 2014; 12: 595-605. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, SPAF II 1996, SPORTIF pooled analysis, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性, 急性VTE治療における新規経口抗凝固薬とビタミンK拮抗薬の比較, 心血管疾患リスクを有する患者におけるaspirin+OAC併用とOAC単独投与の比較, 脳卒中/TIA既往を有する心房細動患者における新規抗凝固薬
関連記事