抗血栓トライアルデータベース
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J-RHYTHM Registry paroxysmal vs. permanent
結論 永続性心房細動患者における血栓塞栓イベントの粗発生率は,発作性患者にくらべ高かったが,warfarin使用およびCHA2DS2-VAScスコア構成項目で補正後,発作性患者と永続性患者の血栓塞栓イベントリスクは同程度であった。

目的 心原性塞栓症リスクが心房細動の病型により異なるかどうか,議論されている。いくつかの先行研究では,発作性および持続性/永続性心房細動の心原性塞栓症リスクは同程度とされているが,少数の研究では,発作性例の脳卒中および全身性塞栓症リスクは,持続性/永続性例より低いとされている。J-RHYTHM Registry のpost hoc解析では,3つのタイプの非弁膜症性心房細動患者において,血栓塞栓症リスクの比較を行った。虚血の評価項目:症候性脳梗塞,一過性脳虚血発作(TIA),全身性塞栓症。出血の評価項目:入院を要する大出血。
デザイン 前向き登録研究。
セッティング 多施設,日本。
期間 登録期間は2009年1~7月。追跡期間は2年。
対象患者 7,516例。J-RHYTHM Registry登録の心房細動患者。
【除外基準】J-RHYTHM Registryは,1年以上洞調律の患者は対象から除外。また,対象患者のうち僧帽弁狭窄症,機械弁置換患者も除外した。
【患者背景】平均年齢は発作性例68.5歳,持続性例68.7歳,永続性例71.1歳(p<0.01)。それぞれの男性67.4%,75.5%,72.0%(p<0.001)。うっ血性心不全14.5%,28.3%,38.4%(p<0.001)。高血圧60.4%,57.5%,61.4%。糖尿病14.3%,17.7%,21.9%(p<0.001)。脳梗塞/TIA 11.9%,12.7%,15.7%(p<0.001)。
治療法 登録時に,発作の持続状況により発作性(2,835例。発作が7日以内に自然に収束する),持続性(1,081例。発作は7日超持続するが収束しうる),永続性(3,490例。収束しない)の3つの病型に分けた。抗血栓薬の選択および用量は担当医の裁量とした。ベースライン時の抗血栓療法は以下の通り。
warfarin:発作性例78.6%,持続性例 90.0%,永続性例91.8%(p<0.001)。PT-INR中央値は1.83,1.83,1.86(p=0.034)。
抗血小板薬:24.1%,24.6%,28.3%(p<0.001)。
なし:11.5%,2.6%,2.0%(p<0.001)。
追跡完了率 追跡からの脱落は110例(1.5%)。
結果

●評価項目
追跡期間中,126例の血栓塞栓イベントが発症した。イベント粗発生率は,永続性例では2.29%/2年と他の2倍高かった(発作性例1.16%/2年,永続性例1.20%/2年,p=0.001)。
warfarin使用率およびCHA2DS2-VAScスコア構成項目で補正後,ハザード比は発作性例(対照)と永続性例の間で差異を認めなかった(HR 1.007;95%CI 0.955-1.061,p=0.8081)。
大出血は追跡期間中140例発症し,永続性例で多い傾向がみられた(発作性例41例,持続性例20例,永続性例79例,p=0.059)。

●有害事象

文献: Inoue H, et al. Thromboembolic Events in Paroxysmal vs. Permanent Non-Valvular Atrial Fibrillation. Circ J 2014; 78: 2388-93. pubmed
関連トライアル Abraham JM et al, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, ARISTOTLE type and duration of AF, COMPARE, J-RHYTHM Registry warfarin use, J-RHYTHM target INR values, Lakkireddy D et al, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF post hoc analysis, SPAF III 1996, Swedish Atrial Fibrillation cohort study
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