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Hagii J et al Characteristics of Intracerebral Hemorrhage During Rivaroxaban Treatment: Comparison with Those During Warfarin
結論 rivaroxaban関連脳内出血は大出血リスクが高い患者で発症したが,warfarin関連脳内出血に比べ血腫が小さく,血腫拡大はみられず,機能転帰は良好で生存率も高かった。
コメント リバーロキサバンは,本邦で行われたJ-ROCKET AF試験で,ワルファリン群と比較し頭蓋内出血が半減することが示されている。本研究から,ひとたび脳出血を起こしてもワルファリン群と比較し血腫は小さく,拡大しにくく,転帰は良好であることが示された。これらの研究結果は,脳内出血発症率の高い日本人において,リバーロキサバンが使いやすい抗凝固薬であることを示しているといえよう。(矢坂正弘

目的 新規経口抗凝固薬投与中に発症した脳内出血の神経放射線学的特徴および機能転帰については明確になっていない。本研究では,warfarinとの比較にて検討を行った。
デザイン 登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 単施設,日本。
期間 対象患者入院期間は2011年4月~2013年10月。
対象患者 585例。脳内出血のため入院した患者。
【除外基準】-
【患者背景】年齢中央値はrivaroxaban群75歳,warfarin群75歳。各群の男性80%,48%。心房細動100%,79%。CHADS2スコア中央値4,3。HAS-BLED出血リスクスコア3,4。脳梗塞既往60%,54%。脳内出血既往60%,13%。クレアチニンクリアランス(mL/分)101,59。入院時のPT-INR中央値0.97,2.23(p<0.001)。
治療法 対象患者のうち,新規経口抗凝固薬投与中の発症は5例(1%,すべてrivaroxaban),warfarin投与中は56例(10%)で,524例(89%)は抗凝固療法をうけていなかった。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
rivaroxaban群は全例がHAS-BLEDスコア3点で,脳内出血既往率が高く,大出血リスクが高かった(患者背景の項参照)。
多発性脳微小出血(≧4)はrivaroxaban群4/5例(80%)で,warfarin群12/42例(29%)にくらべ多かった(p=0.04)。
rivaroxaban群の血腫容量はwarfarin群にくらべ顕著に小さかった(中央値4 vs. 11 mL,p=0.03)。
血腫拡大はrivaroxaban群0例,warfarin群10/48例(21%)。
外科的治療は0例,6/56例(11%)。
rivaroxaban群はwarfarin群にくらべ退院時のmodified Rankin Score(mRS)が低く,入院時と退院時のmRSの差が小さかった(中央値 1 vs. 3,p=0.047)。入院中の死亡はrivaroxaban 群0例,warfarin群10/56例(18%)。

●有害事象

文献: Hagii J, et al. Characteristics of intracerebral hemorrhage during rivaroxaban treatment: comparison with those during warfarin. Stroke 2014; 45: 2805-7. pubmed
関連トライアル ARISTOTLE major bleeding, ARISTOTLE risk score, ATRIA on and off anticoagulants, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, J-ROCKET AF, Lakkireddy D et al, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY risk of bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction
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