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ARCTIC-Interruption Assessment by a Double Randomisation of a Conventional Antiplatelet Strategy Versus a Monitoring-Guided Strategy for Drug-Eluting Stent Implantation and, of Treatment Interruption Versus Continuation 1 Year after Stenting-Interruption
結論 薬剤溶出性ステント(DES)留置後1年間イベントが発症していない患者において,1年を超える抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)継続はベネフィットがなく,悪影響が認められた。本試験の第2段階に組み入れられなかった高リスク患者については,結論を引き出すことはできなかった。中断について検討した試験の結果が一貫していることから,冠動脈ステント留置後のDAPT期間を短縮することについて,ガイドラインの再評価が必要と考えられる。
コメント 抗血小板薬はエビデンスにもとづいて使用されている。血小板機能検査にもとづいた個別化には論理的根拠がない。本研究では,エビデンスにおいても血小板機能検査の結果にもとづいた個別化には意味がないことを示した。(後藤信哉

目的 冠動脈ステント後のDAPTの至適期間は明確になっていない。本試験は,ARCTIC-Monitoring試験*の第2段階として,1年を超えるDAPT継続がチエノピリジン系薬剤中断にくらべ優越性を示すかどうか検討した。有効性の主要評価項目:全死亡,心筋梗塞,脳卒中もしくは一過性脳虚血発作(TIA),緊急冠血行再建術,ステント血栓症の複合。安全性の主要評価項目:PCIに特化したSTEEPLE出血基準大出血。
*:DES留置患者2,440例を,血小板反応性から抗血小板療法を個別化する群(モニタリング群)および標準治療群に割付。1年後の時点で両群間に有意差なし。
デザイン 無作為割付。intention-to-treat解析。NCT00827411。
セッティング 多施設(38施設),フランス。
期間 ARCTICの登録期間は2009年1月26日~2011年1月5日,本試験のための再割付期間は2010年1月4日~2012年3月3日。追跡期間中央値17ヵ月。
対象患者 1,259例。ARCTIC登録患者(≧18歳の待機的DES留置例)のうち,除外基準に合致しない症例。
【除外基準】追跡期間の初年度に有効性/安全性の主要評価項目が発症した症例,DAPT継続を必要とする新規の血行再建術施行,aspirin継続禁忌。
【患者背景】年齢中央値は継続群64歳,中断群64歳。各群の女性20%,19%。糖尿病31%,36%。脂質異常症67%,68%。高血圧59%,62%。現喫煙23%,24%。心筋梗塞既往31%,30%。PCI施行歴43%,40%。CABG施行歴7%,6%。
治療法 以下の2群に無作為割付。
継続群:635例。DAPTをさらに6~18ヵ月間継続。用量は追跡期間の初年と同じとした。
中断群:624例。チエノピリジン系薬剤(clopidogrelまたはprasugrel)を中止し,aspirin単独投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
主要評価項目は継続群24例(4%),中断群27例(4%)で,同程度であった(HR 1.17;95%CI 0.68-2.03,p=0.58)。
主要評価項目の内訳は以下の通り。
全死亡:継続群7例(1%)vs. 中断群9例(1%),HR 1.32;0.49-3.55,p=0.58。
心筋梗塞:9例(1%)vs. 9例(1%),HR 1.04;0.41-2.62,p=0.94。
脳卒中/TIA:6例(1%)vs. 4例(1%),HR 0.69;0.19-2.44,p=0.57。
緊急冠血行再建術:8例(1%)vs. 9例(1%),HR 1.17;0.45-3.04,p=0.74。
ステント血栓症:0例vs. 3例(1%)。

大出血は継続群7例(1%)のほうが中断群1例(<0.5%)にくらべ多い傾向がみられた(HR 0.15;0.02-1.20,p=0.07)。大/小出血は継続群のほうが多かった;12例(2%)vs 3例(1%),HR 0.26;0.07-0.91,p=0.04。

●有害事象

文献: Collet JP, et al.; for the ARCTIC investigators. Dual-antiplatelet treatment beyond 1 year after drug-eluting stent implantation (ARCTIC-Interruption): a randomised trial. Lancet 2014; 384: 1577-85. pubmed
関連トライアル ADAPT-DES, DECLARE-DIABETES, DECLARE-LONG II, DES LATE, DES留置後のDAPT延長投与, EXCELLENT, PARIS, PRODIGY, PRODIGY type of stent, PRODIGY in-stent restenosis, PROTECT, REAL-LATE / ZEST-LATE, RESET, RESOLUTE post hoc analysis, TRA 2P-TIMI 50 previous myocardial infarction, TRITON-TIMI 38 PCI, Varenhorst C et al
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