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Lamberts M et al Antithrombotic Treatment in Patients with Heart Failure and Associated Atrial Fibrillation and Vascular Disease: a Nationwide Cohort Study
結論 心不全および血管疾患を合併している心房細動患者において,ビタミンK拮抗薬(VKA)への抗血小板薬の追加は,血栓塞栓イベントまたは冠リスクに関する更なるベネフィットをもたらさず,出血リスクが顕著に上昇した。
コメント 心房細動例,非心房細動例において,抗凝固薬+抗血小板薬は血栓塞栓,心筋梗塞発症を抗凝固薬単独より減らすことはできず,出血リスクは増大した。前向きの3年間コホート研究であるが,今後,NOACにおいても前向きランダム化比較試験がいくつか進められており,その結果がまたれる。(是恒之宏

目的 心不全,血管疾患,心房細動は病態生理学的に関連しており,これらの病態に対する抗血栓療法を理解することはきわめて重要である。本研究では,血管疾患をともなう心不全患者において,心房細動の発症率/有病率と血栓塞栓イベントおよび出血の関連について検討した。
デザイン 前向きコホート研究。
セッティング 多施設,デンマーク。
期間 試験期間終了は2009年12月31日。平均追跡期間は3年。
対象患者 37,464例。デンマークの全国規模のデータベースより同定された,1997年1月1日~2009年12月31日に初発心不全のため入院した患者で,血管疾患(心筋梗塞,大動脈プラーク,末梢血管疾患,冠動脈手技施行例[CABG,冠動脈インターベンション])を有する症例。
【除外基準】-
【患者背景】心房細動の有無別の平均年齢は非心房細動例73.9歳,心房細動例76.8歳,心房細動発作例76.8歳。女性36.4%,35.7%,34.9%。平均CHA2DS2-VAScスコア4.9,5.3,5.2。平均HAS-BLED出血リスクスコア 2.1,2.3,2.3。
治療法 抗血小板薬単剤(aspirin,clopidogrel),VKA(warfarin,phenprocoumon),VKA+抗血小板薬単剤,抗血小板薬2剤併用に分けて解析を行った。
追跡完了率
結果

●評価項目
心房細動を有していたのは7,804例(20.7%)であった。非心房細動例のうち,追跡期間中,6,432例(17.2%)に心房細動発作がみられた。
VKA+抗血小板薬はVKAにくらべ,心房細動の有無にかかわらず血栓塞栓イベント,心筋梗塞抑制と関連せず,出血リスク上昇と関連していた。
・血栓塞栓イベント
心房細動例:HR 0.91,95%CI 0.73-1.12,心房細動発作例:HR 0.77;0.56-1.06,非心房細動例:HR 1.00;0.81-1.24。
・心筋梗塞
心房細動例:HR 1.11;0.96-1.28,心房細動発作例:HR 1.07;0.89-1.28,非心房細動例:HR 0.96;0.84-1.10。
・出血
心房細動例:HR 1.31;1.09-1.57,心房細動発作例:HR 1.71,1.33-2.21,非心房細動例:HR 2.05;1.73-2.43。

●有害事象

文献: Lamberts M, et al. Antithrombotic treatment in patients with heart failure and associated atrial fibrillation and vascular disease: a nationwide cohort study. J Am Coll Cardiol 2014; 63: 2689-98. pubmed
関連トライアル APEX-AMI atrial fibrillation, Carrero JJ et al, Lamberts M et al, Lamberts M et al, Lamberts M et al, Olesen JB et al, Swedish Atrial Fibrillation cohort study
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