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ENGAGE AF-TIMI 48 cerebrovascular events
結論 心房細動患者における全脳卒中予防について,edoxaban 1日1回投与の有効性はwarfarinと同程度で,さまざまなタイプの頭蓋内出血を有意に抑制した。edoxaban高用量の虚血性脳血管イベントはwarfarinと同程度であったが,低用量ではwarfarinにくらべ有効性が弱かった。
コメント ENGAGE AF-TIMI 48試験ではワルファリン群の管理がきわめて良好(TTR中央値68.4%)であった点が際立っている。そのワルファリン群に対して高用量群が同等の脳梗塞予防効果を示したことと,頭蓋内出血が大幅に少なかったこと(HR 0.54)は特筆すべき点である。低用量群は脳梗塞予防効果ではワルファリンに劣るものの,頭蓋内出血はさらに少ない(HR 0.33)ため,全脳卒中でmodified ITT解析すると非劣性が示されていることも注目に価する。(矢坂正弘

目的 ENGAGE AF-TIMI 48において発症した脳血管イベントについて,その詳細(発症時期,重症度,病型)をedoxaban群,warfarin群の両群で比較した。本解析における有効性の主要評価項目:初発の全脳卒中*(脳梗塞+出血性脳卒中)。
*:梗塞もしくは出血による突発の局所神経障害で,脳画像所見とは関係なく,症状が24時間以上持続するか,24時間以内に死亡。症状は24時間以内に解消されたが,他の基準に合致する場合は一過性脳虚血発作(TIA)とした。
デザイン ENGAGE AF-TIMI 48は無作為割付,二重盲検試験。NCT00781391。
セッティング 多施設(1,393施設),46ヵ国。
期間 登録期間は2008年11月~2010年11月。
対象患者 21,105例。無作為割付前12ヵ月以内に心電図で心房細動が確認された患者で,CHADS2スコア点以上の症例。
【除外基準】可逆性心房細動,クレアチニンクリアランス(CrCl)<30mL/分,出血高リスク,他に抗凝固療法の適応病態を有する,抗血小板薬2剤併用療法を要するなど。
【患者背景】年齢中央値72歳。CHADS2スコア中央値2.8。女性38%。脳卒中/TIA既往28%。warfarin群のTTR中央値68.4%。
治療法 ENGAGE AF-TIMI 48は以下の3群に無作為割付。
edoxaban高用量群:7,035例。60mg 1日1回投与。
edoxaban低用量群:7,034例。30mg 1日1回投与。
warfarin群:7,036例。PT-INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。
edoxaban群では,以下に合致する場合半分に減量した(CrCl 30~50mL/分,体重≦60kg,P糖蛋白阻害薬併用)
抗血小板薬単剤の服用は許可したが,aspirinの推奨用量は≦100mg/日とした。
追跡完了率
結果

●評価項目
on-treatmentにおいて,warfarin群(1.41%/年)にくらべ,edoxaban高用量群では脳卒中が抑制されたが,低用量群では同程度であった。
高用量群:1.13%/年,HR 0.80,95%CI 0.65-0.98,p=0.027。
低用量群:1.55%/年,HR 1.10;0.91-1.32,p=0.33,非劣性p=0.013。
脳梗塞/TIAは,warfarin群(1.73%/年)にくらべedoxaban高用量群では同程度であったが,低用量群では増加した。
高用量群:1.76%/年,HR 1.02;0.87-1.19,p=0.81。
低用量群:2.48%/年,HR 1.43;1.24-1.65,p<0.001。
edoxabanの両用量とも,出血性脳卒中(warfarin群0.47%/年),全頭蓋内出血(0.85%/年)を抑制した。
[出血性脳卒中]
高用量群:0.26%/年,HR 0.54,p<0.001。
低用量群:0.16%/年,HR 0.33,p<0.001。
[全頭蓋内出血]
高用量群:0.39%/年,HR 0.47,p<0.001。
低用量群:0.26%/年,HR 0.30,p<0.001。

●有害事象

文献: Giugliano RP, et al.; on behalf of the ENGAGE AF-TIMI 48 Investigators. Cerebrovascular Events in 21 105 Patients With Atrial Fibrillation Randomized to Edoxaban Versus Warfarin: Effective Anticoagulation With Factor Xa Next Generation in Atrial Fibrillation-Thrombolysis in Myocardial Infarction 48. Stroke 2014; 45: 2372-8. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, Albrecht JS et al, ARISTOTLE, ARISTOTLE major bleeding, ARISTOTLE previous stroke/TIA, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, BAATAF, Carrero JJ et al, COMPARE, EAFT 1993, ENGAGE AF-TIMI 48, Hokusai-VTE, ORBIT-AF, Pengo V et al, RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, ROCKET AF, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF, SPAF II 1994, SPAF III 1996, SPORTIF V, Veterans Affairs Stroke Prevention
in Nonrheumatic Atrial Fibrillation
, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性
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