抗血栓トライアルデータベース
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Gumbinger et al Time to Treatment with Recombinant Tissue Plasminogen Activator and Outcome of Stroke in Clinical Practice: Retrospective Analysis of Hospital Quality Assurance Data with Comparison with Results from Randomised Clinical Trials
結論 日常臨床における血栓溶解療法の有効性は,RCTおよびプール解析で示された有効性と同等であることが示唆された。日常臨床において,早期治療は転帰良好と関連しており,来院から治療まで,発症から治療までの時間を短縮し,血栓溶解療法をスピードアップすることの重要性が明確に示された。

目的 日常臨床でのrt-PA投与を受けた患者,受けなかった患者における早期転帰および死亡率に対する時間依存効果を調査し,その時間依存効果はRCTで得られた結果と同等であるという仮説について,RCTおよびメタ解析と比較検討を行った。主要評価項目:退院時の機能的転帰(転帰良好:modified Rankin Score[mRS] 0~1,転帰不良:同2~6)。
デザイン 後ろ向きコホート研究。
セッティング 多施設(148施設),ドイツ南西部州住民全体の脳卒中登録データベース。
期間 登録期間は2008年1月1日~2012年12月31日。
対象患者 84,439例。2008~2012年,症状発現から7日以内に入院した虚血性脳卒中患者全例。
【除外基準】2006~2007年の患者,動脈内血栓溶解療法または塞栓除去術施行例,退院時のmRSもしくは回帰モデルで検討したパラメータのデータ欠損例。
【患者背景】血栓溶解療法施行の有無別の平均年齢は,施行群72.2歳,非施行群73.7歳。各群の女性46.5%,49.0%。脳卒中発症から入院までの経過時間:<3時間88.5%,24.5%,3~6時間7.8%,22.0%,>6時間3.7%,53.5%。病前のmRS 0:72.1%,61.5%,1:11.4%,13.6%,2~5:16.6%,24.9%。平均National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア 10.2,6.0。合併症:糖尿病23.0%,28.2%,脳卒中既往16.8%,26.5%,心房細動33.4%,28.0%。施行群における治療までの平均経過時間140分。
治療法 該当患者に対し血栓溶解療法を施行。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
患者特性,施設,治療で調整後,rtPAは時間依存的に転帰良好(mRS 0~1)と関連していたが,死亡は4.5時間後まで関連を認めなかった。4.5時間を超えて治療をうけた患者では,転帰は良好であったが,死亡リスクが上昇した。
[転帰良好:上段は本解析,下段はRCT *のプール解析]
0~90分:補正後OR 2.49,95%CI 2.12-2.92,NNT(mRS 0~1)4.5。
補正後OR 2.55;1.44-4.52,NNT 4.5。
91~180分:補正後OR 1.86;1.71-2.02,NNT 6.4。
補正後OR 1.64;1.12-2.40,NNT 9.0。
181~270分:補正後OR 1.26;1.08-1.46,NNT 18.0。
補正後OR 1.34;1.06-1.68,NNT 14.1。
>270分:補正後OR 1.25;1.01-1.55,NNT 18.6。
補正後OR 1.22;0.92-1.61,NNT 21.4。
[死亡:上段は本解析,下段はRCT *のプール解析]
0~90分:補正後OR 0.85;0.67-1.08。
補正後OR 0.78;0.41-1.48。
91~180分:補正後OR 0.99;0.87-1.13。
補正後OR 1.13;0.70-1.82。
181~270分:補正後OR 0.99;0.76-1.28。
補正後OR 1.22;0.87-1.71。
>270分:補正後OR 1.45;1.08-1.92。
補正後OR 1.49;1.00-2.21。
*:ATLANTIS(A,B),ECASS(I,II,III),EPITHET, NINDS

●有害事象

文献: Gumbinger C, et al.; AG Schlaganfall. Time to treatment with recombinant tissue plasminogen activator and outcome of stroke in clinical practice: retrospective analysis of hospital quality assurance data with comparison with results from randomised clinical trials. BMJ 2014; 348: g3429. pubmed
関連トライアル EPITHET, GWTG-Stroke time to treatment, ICARO, ICARO-2, IST-3, IST-3 18-month follow-up, Power A et al, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, SAMURAI rt-PA Registry early neurological deterioration, SITS-ISTR/VISTA, SITS-MOST multivariable analysis, SPOTRIAS, 虚血性脳卒中患者に対するrt-PA療法
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