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メタ解析
癌関連VTE患者における新規経口抗凝固薬の有効性および安全性
Meta-Analysis of the Efficacy and Safety of New Oral Anticoagulants in Patients with Cancer-Associated Acute Venous Thromboembolism
結論 癌関連急性症候性静脈血栓塞栓症(VTE)治療について,新規経口抗凝固薬の有効性および安全性は,ビタミンK拮抗薬と少なくとも同程度であった。本結果は,癌患者において新規経口抗凝固薬を低分子量heparin(LMWH)と直接比較する試験を開始することを支持するものである。

目的 癌患者に対するVTE治療は,VTE再発および出血合併症の両リスクが高いことから困難である。治療の選択は,ビタミンK拮抗薬より有効性が高く,出血リスクが同程度であることから,LMWHとなる。近年開発された新規経口抗凝固薬は,LMWHより利便性が高く,有効性はビタミンK拮抗薬と同程度,また出血リスクが低いことから,代替薬の選択肢となりうる。本論文では,癌患者に対する新規経口抗凝固薬の有効性および安全性について,メタ解析を行った。有効性の主要評価項目:VTE再発。安全性の主要評価項目:抗凝固療法中の大出血または大出血ではないが臨床的に問題となる出血。
方法 MEDLINE,EMBASE,Cochrane Database,clinical trial registryにて,2014年5月までの論文を検索。
対象:急性VTE患者において,新規経口抗凝固薬をビタミンK拮抗薬またはLMWHと比較したランダム化比較試験のうち,活動性の癌患者における転帰を報告している試験。
対象 対象5試験(19,060例),うち癌患者は973例(5.1%)。
対象はすべて新規経口抗凝固薬をビタミンK拮抗薬(標的PT-INR 2.0~3.0)と比較した試験(RE-COVER IRE-COVER II:dabigatran,EINSTEIN-DVT EINSTEIN-PE:rivaroxaban,HOKUSAI-VTE :edoxaban)。
癌患者のうち新規経口抗凝固薬群は514例(53%),ビタミンK拮抗薬群は459例(47%)。
主な結果 ・VTE再発
癌患者における再発率は,新規経口抗凝固薬群4.1%(95%CI 2.6-6.0),ビタミンK拮抗薬群6.1%(95%CI 4.1-8.5)で,同程度であった(RR 0.66,95%CI 0.38-1.17,I2=0%,p=0.16)。
非癌患者では,2.6%(95%CI 2.3-2.9) vs. 2.5%(95%CI 1.8-3.4),RR 0.98;0.83-1.2。

・大出血および大出血ではないが臨床的に問題となる出血
癌患者における出血発症率は,新規経口抗凝固薬群15%(95%CI 12-18),ビタミンK拮抗薬群16%(95%CI 9.9-22)で,同程度であった(RR 0.94,95%CI 0.70-1.28,I2=0%,p=0.71)。
非癌患者では,7.4%(95%CI 4.8-11) vs. 9.1%(95%CI 7.3-11),RR 0.81;0.64-1.02。
文献: van der Hulle T, et al. Meta-analysis of the efficacy and safety of new oral anticoagulants in patients with cancer-associated acute venous thromboembolism. J Thromb Haemost 2014; 12: 1116-20. pubmed
関連トライアル RE-COVER II , VTE治療における新規経口抗凝固薬, VTE二次予防の抗血栓療法の有効性および安全性, 急性VTE治療における新規経口抗凝固薬とビタミンK拮抗薬の比較, 急性出血性脳卒中患者におけるVTE予防のための抗凝固療法, 心房細動患者における新規抗凝固薬の有効性および安全性
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