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Strbian D et al Intravenous Thrombolysis of Basilar Artery Occlusion: Thrombus Length Versus Recanalization Success
結論 脳底動脈閉塞患者に対する血栓溶解療法後の再開通の可能性は,血栓長が>30mmであっても20~30%で,中大脳動脈での血栓長>8mmの場合より高かった。
コメント 脳底動脈閉塞に対する経静脈rt-PA血栓溶解療法後の再開通の可能性は,血栓長が短いほど高いが,30mmを超える血栓長であっても,長さが8mmを超える血栓による中大脳動脈閉塞よりも再開通率は高かったという。脳底動脈閉塞急性期においては,適応があればまず経静脈rt-PA血栓溶解療法を開始し,その後,血管内治療の可否を考慮することができよう。(矢坂正弘

目的 中大脳動脈閉塞に対するrt-PA静注後再開通の可能性は,血栓長が8mmを超えると<1%となる。本研究では,脳底動脈閉塞に対するrt-PA静注療法後の再開通について,血栓長および部位による影響を検討した。
デザイン 観察研究。
セッティング 単施設,フィンランド。
期間 治療期間は2002~2013年。
対象患者 140例。当該期間に治療をうけた,血管造影により確認された脳底動脈閉塞患者で,血栓長のデータが得られた症例。
【除外基準】血管内治療施行例。
【患者背景】再開通の有無(非再開通[再開通なしまたは最小限]39例,再開通[完全または部分的再開通]64例)別の年齢中央値は,非再開通群69歳,再開通群62歳。各群の女性43.6%,28.1%。National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア中央値(IQR)24(10~34),14(5~25)(p=0.03)。発症から治療までの経過時間中央値465分,331分(p=0.04)。糖尿病17.9%,10.9%。高血圧59.0%,48.4%。脂質異常症48.7%,35.9%。心房細動10.3%,17.2%。脳卒中既往33.3%,18.8%。
治療法 全例にalteplase 0.9mg/kg静注を行い,入院時のCTで頭蓋内出血が明らかになった症例を除き,十分量のheparinを併用した(本解析対象では97.1%に併用)。heparinはAPTTが75~100秒を維持するよう投与し,患者が動けるようになるまで継続した。その後は,禁忌がなければ経口抗凝固療法を行った。症状が不安定な場合はaspirinを追加した。
追跡完了率
結果

●評価項目
140例のうち,死亡などのため37例で治療後の血管造影は行えなかった。残りの103例のうち,再開通が得られた患者では,得られなかった患者にくらべ,血栓長が短かった(中央値/平均値:5.5mm/9.7mm vs. 15.0mm/16.6mm,p<0.001)。
血栓長が<10mmの再開通の可能性は70~80%であったが,10~20mmでは50~70%,20~30mmでは30~50%,>30mmでは20~30%となった。
血栓長<10mmの再開通患者(52例)では,脳底動脈先端部の血栓が多かった(92.5%,p=0.01)。
血栓長は再開通不成功の独立予測因子であった(1mm長くなるごと,OR 1.06,95%CI 1.01-1.12)。

●有害事象

文献: Strbian D, et al. Intravenous Thrombolysis of Basilar Artery Occlusion: Thrombus Length Versus Recanalization Success. Stroke 2014; 45: 1733-8. pubmed
関連トライアル Bhatia R et al, Mattle HP et al, Mendonça N et al, SITS-ISTR importance of recanalization
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