抗血栓トライアルデータベース
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SITS-ISTR within-day and weekly variations
結論 血栓溶解療法実施の頻度は,平日ではやや不明確であったものの,脳卒中発症と同じ概日パターンのようであった。治療の時間帯は転帰の独立予測因子であった。
コメント rt-PA静注療法のための診療体制が日中と夜間,平日と休日とで差異があることは,周知のことである。本研究は,SITS-ISTRの大規模データを用いて,平日・週末・時間帯の差がrt-PA治療開始時間や転帰にも有意に影響することを明らかにしている。週末入院より平日入院で死亡率が高い点は,更なる検討を要する。(岡田靖

目的 血栓溶解療法実施の時間的変化と,それが転帰におよぼす影響については議論がわかれている。本解析はSITS-ISTRのデータを用い,血栓溶解療法が脳梗塞発症の概日/週の変動と一致して,1日/1週の間の変動があるか,また,それが転帰に影響をおよぼすかどうかについて検討を行った。主要評価項目:3ヵ月後の症候性脳内出血,死亡,機能的自立(modified Rankin Score:mRS) 0~2)。
デザイン 観察研究。
セッティング SITS-ISTRは多施設,複数国。
期間
対象患者 21,513例。登録期間(6年間)に血栓溶解療法を受けた虚血性脳卒中患者。
【除外基準】-
【患者背景】[治療時間帯別]症例数は日中(8:00~19:59)15,462例(71.9%),夜間(20:00~7:59)6,051例(28.1%)。年齢中央値は70歳,68歳(p<0.0001)。男性58.0%,59.7%(p=0.026)。脳卒中前の機能的自立(mRS 0~1)90.7%,92.1%(p=0.001)。高血圧62.6%,61.5%。糖尿病16.8%,17.8%。心房細動25.0%,26.8%(p=0.008)。うっ血性心不全8.1%,8.3%。脳卒中既往12.9%,12.7%。National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア中央値(IQR)12(8~18),12(8~17)。脳卒中の病型:相当量の頸動脈狭窄をともなう大血管疾患12.0%,12.4%,それ以外の大血管疾患25.5%,23.8%(p=0.014),心原性34.7%,35.4%,ラクナ梗塞9.7%,9.4%。
[治療日別]症例数は平日(日曜0:00~金曜0:00)15,953例(74.2%),週末(金曜0:00~日曜0:00)5,560例(25.8%)年齢中央値は69歳,69歳。男性58.4%,58.7%。脳卒中前の機能的自立(mRS 0~1)91.0%,91.3%。高血圧62.5%,61.6%。糖尿病17.1%,17.1%。心房細動25.6%,25.1%。うっ血性心不全8.4%,7.3%(p=0.014)。脳卒中既往12.9%,12.9%。NIHSS中央値(IQR)12(8~17),12(8~18)。脳卒中の病型:相当量の頸動脈狭窄をともなう大血管疾患12.0%,12.0%,それ以外の大血管疾患25.2%,24.5%,心原性35.2%,34.2%,ラクナ梗塞9.5%,9.9%。
治療法 欧州の認可基準にしたがい血栓溶解療法を施行(SITS-ISTRはプロトコールにしたがっていない患者も含む)。
追跡完了率
結果

●評価項目
脳卒中は日中および平日の間,変動がなく均一に発症すると仮定し,治療予想数を0.4例/時および9.8例/日としたところ,治療数は日中および平日に多かった。
日中0.6例/時 vs. 夜間0.2例/時,OR 2.56,95%CI 2.46-2.66,p<0.0001。
平日10.2例/日 vs. 週末8.9例/日,OR 1.15;1.01-1.20,p<0.0001。
来院から治療までの時間および発症から治療までの時間は,夜間および週末に治療された患者のほうが長かった。
日中141(115~169)分 vs. 夜間147(120~170)分,p<0.0001。
平日143(115~170)分 vs. 夜間145(118~170)分,p=0.0006。
交絡変数を補正後,日中の治療は転帰良好(OR 1.12;1.04-1.21,p=0.004),NINDS基準症候性脳内出血 *(OR 0.84;0.75-0.95,p=0.005),平日の治療は死亡率上昇(OR 1.15;1.04-1.28,p=0.008)の独立予測因子であった。
*SITS-MOST基準(OR 1.11;0.86-1.43),ECASS基準(OR 0.94;0.81-1.09)は有意差なし。

●有害事象

文献: Lorenzano S, et al., for the SITS Investigators
Within-Day and Weekly Variations of Thrombolysis in Acute Ischemic Stroke: Results From Safe Implementation of Treatments in Stroke-International Stroke Thrombolysis Register. Stroke 2013; 45: 176-84. pubmed
関連トライアル ECASS, ECASS III, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, ICARO-2, Madrid Stroke Network, Manawadu D et al, Power A et al, SAINT postthrombolysis ICH, Schellinger PD et al, SITS-ISTR importance of recanalization, SITS-ISTR 2010, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SITS-ISTR blood pressure, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR sex differences, SITS-ISTR young patients, SITS-ISTR/VISTA prior stroke/DM, SITS-MOST multivariable analysis, Strbian D et al Ultra-Early Thrombolysis, TTT-AIS, 血栓溶解療法後の頭蓋内出血, 前方循環閉塞に対する血栓溶解療法, 頸動脈解離による虚血性脳卒中に対する血栓溶解療法
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