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SPS3 post hoc analysis
結論 aspirin単独療法中にラクナ梗塞が発症した患者において,clopidogrelの追加はaspirin単独にくらべ,血管イベントを抑制しなかった。
コメント アスピリン服用中に発症したラクナ梗塞に対して,クロピドグレル併用に治療方針を変更することが脳卒中再発予防に効果があるかどうか,SPS3登録データをpost hoc解析で検証したものである。全体の解析と同様に,脳卒中再発予防効果は認められず,消化管出血が増加した。本研究の対象はラクナ梗塞に限定されており,post hoc解析でもあることから,更なる検討が望まれる。(岡田靖

目的 SPS3のpost hoc解析として,当該のラクナ梗塞発症時にaspirin単独療法を行っていた患者について,clopidogrelの追加が長期の血管保護効果を有するか検討した。有効性の主要評価項目:脳卒中再発(脳梗塞+頭蓋内出血)。安全性の主要評価項目:頭蓋外大出血。
デザイン SPS3は無作為割付,2×2ファクトリアル(抗血小板療法については二重盲検,降圧療法についてはオープン)。NCT00059306。
セッティング SPS3は多施設(82施設),複数国(北米,ラテンアメリカ,スペイン)。
期間
対象患者 838例。SPS3対象患者*3,020例のうち,当該のラクナ梗塞発症時にaspirin単独療法を行っていた患者。
*:30歳以上,症候性ラクナ梗塞発症から180日以内,手術の適応となる同側頸動脈疾患または心原性脳塞栓症のリスク因子がなく,MRIの基準[MRI拡散強調画像(DWI)上における病変径,またはフレアー法/T2強調画像上における病変の高強度像が2.0cm以下]に合致した患者。
【除外基準】MRIで最近または過去の皮質梗塞を確認,直径1.5cmを超える皮質下梗塞,脳内出血の既往,modified Rankin Score(mRS)≧4の脳卒中。
【患者背景】[試験全体]平均年齢は,当該のラクナ梗塞発症時にaspirin単独療法を行っていた患者66歳,行っていなかった患者62歳**。男性65%,62%。高血圧85%,71%**。糖尿病47%,32%**。虚血性心疾患21%,6%**
[本解析対象838例]平均年齢は併用群66歳,aspirin単独群66歳。各群の男性62%,69%(p=0.04)。高血圧87%,84%。糖尿病44%,49%。虚血性心疾患21%,21%。
**p<0.01
治療法 SPS3は以下の2群に無作為割付。
併用群:427例。aspirin腸溶錠325mg+clopidogrel 75mg/日併用。
aspirin単独群:411例。aspirin腸溶錠325mg/日単独投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
[当該のラクナ梗塞発症時にaspirin単独療法を行っていたか否か]
当該のラクナ梗塞発症時にaspirin単独療法を行っていた患者は,行っていなかった患者にくらべ,脳梗塞リスクが高かった。
全脳卒中:3.2%/年 vs. 2.3%/年,HR 1.26,95%CI 0.98-1.64,p=0.08。
脳梗塞:2.9%/年 vs. 1.9%/年,HR 1.36;1.03-1.79,p=0.03。
頭蓋内出血:0.27%/年 vs. 0.37%/年,HR 0.59;0.27-1.31,p=0.19。
大出血:1.52%/年 vs. 1.59%/年,HR 0.85;0.60-1.20,p=0.35。
死亡:2.1%/年 vs. 1.6%/年,HR 0.95;0.70-1.30,p=0.74。

[aspirin+clopidogrel併用 vs. aspirin単独]
脳卒中再発は両群で同程度であった。消化管出血は併用群のほうが高かったが,頭蓋内出血リスクは同程度であった。
脳卒中:aspirin+clopidogrel併用群3.3%/年 vs. aspirin単独群3.1%/年,HR 0.91;0.61-1.37,p=0.66。
脳梗塞:3.0%/年 vs. 2.8%/年,HR 0.90;0.59-1.38,p=0.64。
消化管出血:0.38%/年 vs. 1.03%/年,HR 2.7;1.1-6.9,p=0.04。
頭蓋内出血:0.38%/年 vs. 0.31%/年,HR 0.85;0.26-2.8,p=0.78。
死亡:1.38%/年 vs. 2.87%/年,HR 2.13;1.28-3.54,p=0.004。

●有害事象

文献: Côté R, et al. ASA failure: Does the combination ASA/clopidogrel confer better long-term vascular protection? Neurology 2014; 82: 382-9. pubmed
関連トライアル AAA, ACTIVE A, ACTIVE W, APPRAISE, CAPRIE 1996, CAPRIE 1999, CARESS, CASPAR , CHANCE, CHARISMA, CHARISMA atrial fibrillation, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA stroke severity, clopidogrel追加による死亡率抑制効果, COMPASS, CREDO, EAFT 1993, ESPS-2 1996, FASTER, IST 1997, Lamberts M et al, Lee WH et al, MATCH, PRoFESS, PRoFESS acute ischemic stroke, PRoFESS disability and cognitive function, PRoFESS post hoc analysis, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SPS3, WARCEF
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