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RE-COVER II
結論 急性静脈血栓塞栓症(VTE)患者における再発予防について,dabigatranはwarfarinと同程度の効果を有し,出血リスクは低かった。
コメント 以前に報告されたRE-COVER研究では,対象例数と登録期間内のVTE再発率が少なかったことより,ほぼ同様のプロトコールで今回のRE-COVER II研究が行われ,両研究からダビガトランのVTE治療における有効性と安全性の確認とサブ解析が行われた。本研究の対象患者には,前回より多くのアジア人が含まれている(3%対20%)。RE-COVER II研究でも,pooled dataの解析でも,前回と同様にワルファリンに比較してダビガトランの有効性における非劣性と,大出血あるいは臨床的に有意な出血の頻度では安全性での優越性が立証された。ただし,実用化する際には,他のNOACで行われたEINSTEIN研究(EINSTEIN-DVTEINSTEIN-PE)やAMPLIFY研究と異なり,急性期の5日以上のへパリン併用が義務づけられていることに注意が必要である。(山田典一

目的 急性VTE患者において,dabigatranの有効性および安全性をwarfarinと比較したRE-COVERでは,登録期間のVTE再発率が低かった。本試験は同試験にもとづき,その結果を確認し,2試験の結果を統合することでさらに詳細なサブグループ解析を行うことを目的とした。有効性の主要評価項目:6ヵ月の症候性VTE再発+関連死。安全性のエンドポイント:ISTH出血基準大出血
デザイン 無作為割付,二重盲検,ダブルダミー,非劣性試験(非劣性マージン:95%CI上限2.75および絶対リスク差3.6%)。NCT00680186/00291330。
セッティング 多施設(208施設),31ヵ国。
期間 登録期間は2008年6月~2010年10月。
対象患者 2,589例。年齢18歳以上,6ヵ月間の抗凝固療法の適応と考えられる,客観的に確認された下肢の急性症候性近位部深部静脈血栓症(DVT)または肺塞栓症(PE)患者。
【除外基準】症状持続期間が14日以上,血行動態が不安定/線溶療法を要するPE,他にwarfarinの適応病態を有する,最近の不安定な冠血管疾患,出血高リスク,アミノトランスフェラーゼが正常値上限の3倍を超える肝疾患,クレアチンクリアランス<30mL/分,余命<6ヵ月,heparin/X線造影剤禁忌,妊娠またはその可能性,長期抗血小板療法の必要(aspirin≦100mgは許可)。
【患者背景】年齢中央値はdabigatran群56歳,warfarin群57歳。各群の女性39%,39.8%。BMI 28.4,28.4。当該イベント:DVT単独68.5%,67.8%,PE単独23.3%,23.1%,両者合併8.1%,9.1%。VTE既往19.3%,15.8%(p=0.02)。
治療法 症候性PEもしくは活動性癌の有無により層別化し,以下の2群に無作為割付。
dabigatran群:1,279例。150mg 1日2回投与。
warfarin群:1,289例。PT-INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。
通常の場合,無作為割付前に非経口抗凝固療法(未分画heparin[UFH]/低分子量heparin)を開始した。無作為割付当日より,非経口抗凝固療法にwarfarin/プラセボの投与を追加し,PT-INRが2.0~3.0となるよう用量調整投与(シングルダミー期:5日以上経過し,PT-INRが連続して≧2.0となるまで)。その後非経口抗凝固薬を中止し,dabigatran/プラセボを開始。初回投与は非経口抗凝固薬投与の2時間前またはUFH静注中止時点とした。試験薬は6ヵ月間投与した(ダブルダミー期)。
追跡完了率 追跡不能はdabigatran群6例,warfarin群3例。
結果

●評価項目
warfarin群のTTRは57%であった。
試験薬早期中止は,dabigatran群14.7%,warfarin群14.1%。
有効性の主要評価項目はdabigatran群30例(2.3%),warfarin群28例(2.2%)で,非劣性基準に合致した(HR 1.08,95%CI 0.64~1.80,絶対リスク差 0.2%,95%CI -1.0 ~1.3,非劣性p<0.001)。
安全性の主要評価項目はdabigatran群15 例(1.2%),warfarin群22例(1.7%)で同程度であった(HR 0.69;0.36~1.32)。
全出血はdabigatran群15.6%で,warfarin群22.1%にくらべ抑制された(HR 0.67;0.56~0.81)。
死亡(dabigatran群0% vs. warfarin群0.1%),急性冠症候群(0.3% vs. 0.2%)は両群で同程度であった。
[RE-COVERとRE-COVER II のプール解析(dabigatran群2.553例+warfarin群2,554例)]
有効性の主要評価項目:HR 1.09;0.76~1.57。
安全性の主要評価項目:HR 0.73;0.48~1.11。
全出血:HR 0.70;0.61~0.79。

●有害事象
試験薬中止に至った有害事象は両群で同程度であった(7.8% vs. 7.8%)。

文献: Schulman S, et al.; for the RE-COVER II trial investigators. Treatment of Acute Venous Thromboembolism with Dabigatran or Warfarin and Pooled Analysis. Circulation 2013; 129: 764-72. pubmed
関連トライアル AMPLIFY, ARISTOTLE, BISTRO II , CASSIOPEA, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, ELATE, ENGAGE AF-TIMI 48, FIDO, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, PROTECT, RE-COVER, RE-LY, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RE-MEDY & RE-SONATE, RE-MODEL, RE-NOVATE, RIETE, SAVE-ONCO, THRIVE, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性
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