抗血栓トライアルデータベース
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BMC2 registry Blue Cross Blue Shield of Michigan Cardiovascular Consortium Registry
結論 かなりの数の患者がPCI施行前のaspirin前投与を受けていなかった。PCI前にaspirinを投与されていないことは院内死,脳卒中リスクを上昇させた。本結果より,PCI前にaspirinを最適に投与するための取り組みの必要性が示唆された。
コメント 保険医療データベースの解析により,今後検証すべき臨床的仮説が生まれる。本研究は,皆保険の日本のデータベースを臨床研究の視点で見直す意味を示唆した。(後藤信哉

目的 aspirinはPCI前薬物療法に不可欠な薬剤であるが,先行研究より,かなりの数の患者が投与されていないと示唆されている。本試験では,PCI前にaspirinを投与されなかった患者における転帰を,aspirinを投与された患者と比較した。主要評価項目:院内死亡率,輸血の必要性。
デザイン 前向き登録研究。
セッティング 多施設(44施設),米国。
期間 登録期間は2010年1月~2011年12月。
対象患者 65,175例。PCI施行患者全例。
【除外基準】-
【患者背景】aspirin非前投与患者(4,640例),投与患者(60,535例)の平均年齢は65.3歳,65.9歳*。男性61.3%,66.4%*。現喫煙30.0%,29.3%。高血圧82.8%,85.2%*。糖尿病36.6%,37.2%。心筋梗塞既往36.4%,35.7%*。PCI歴37.5%,45.4%*。消化管出血1.7%,1.1%*。心房細動8.5%,10.7%*。発症から12時間以内のST上昇型心筋梗塞15.3%,13.1%*。非ST上昇型急性冠症候群40.2%,46.8%*。心原性ショック4.0%,1.4%*。心停止5.1%,1.5%*
*p<0.001。
治療法 手技前の24時間以内にaspirinを投与されていない患者をaspirin非前投与例と定義した。
追跡完了率
結果

●評価項目
65,175例のうち4,640例(7.1%) がPCI施行前の24時間以内にaspirin投与を受けていなかった。aspirin禁忌はこのうちの495例(10.7%)。
非投与例は消化管出血既往が多く,心原性ショックまたはそれに続く心停止の割合が多かった。
プロペンシティスコア解析(条件を合致させたaspirin前投与/投与患者計8,016例)によると,PCI前のaspirin非前投与は以下のリスク上昇と関連していた。
院内死亡リスク:3.9% vs. 2.8%,OR 1.89,95%CI 1.32-2.71,p<0.001。
脳卒中リスク:0.5% vs. 0.1%,OR 4.24;1.49-12.11,p=0.007。
輸血との関連は認めなかった(5.7% vs. 5.5%,OR 1.08;0.84-1.39)。
この結果はサブグループ解析でも一貫していた。

●有害事象

文献: Kenaan M, et al.; Blue Cross Blue Shield of Michigan Cardiovascular Consortium (BMC2). The clinical outcomes of percutaneous coronary intervention performed without pre-procedural aspirin. J Am Coll Cardiol 2013; 62: 2083-9. pubmed
関連トライアル CREDO, Lamberts M et al, PCI-CLARITY
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