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ARISTOTLE concomitant aspirin use
結論 apixabanは,aspirin併用の有無にかかわらず,脳卒中または全身性塞栓症,大出血について,warfarinに対し抑制効果を示した。
コメント サマリーの結論では「apixabanは,aspirin併用の有無にかかわらず,脳卒中または全身性塞栓症,大出血について,warfarinに対し抑制効果を示した」となっており,その通りであるが,aspirin併用によるイベント発生絶対値についても,注意して見ておく必要がある。特に大出血は,apixaban群,warfarin群とも約1.5倍になっていることから,aspirin併用の必要性については個々の症例で再検討し,不可欠な症例に限定すべきであろう。(是恒之宏

目的 ARISTOTLEの事前に定められた解析として,全体および動脈疾患の有無別に(1)のaspirin併用率および用量を調査し,(2) apixabanのwarfarinに比較しての有効性・安全性を検討した。本解析の評価項目:脳卒中/全身性塞栓症,脳梗塞,心筋梗塞,全死亡,ISTH出血基準大出血,出血性脳卒中,大出血または大出血ではないが臨床的に問題となる出血,全出血。
デザイン ARISTOTLEは無作為化二重盲検試験。
セッティング ARISTOTLEは多施設(1,034施設),39ヵ国(日本含む)。
期間 追跡期間中央値は1.8年。
対象患者 18,201例。脳卒中のリスク因子(≧75歳,高血圧,糖尿病,心不全,左室収縮能低下,脳卒中/全身性塞栓症既往)を1つ以上有する心房細動患者。
【除外基準】-
【患者背景】aspirin使用の有無別(使用例4,434例,非使用例13,699例)の年齢中央値は70歳,70歳(p=0.0058)。年齢中央値はaspirin使用例70歳,非使用例70歳(p=0.0058)。各群の女性31.7%,36.4%(p<0.001)。糖尿病28.9%,23.7%(p<0.0001)。高血圧88.9%,87.0%(p=0.001)。冠動脈疾患既往51.1%,31.8%(p<0.0001)。脳卒中既往11.3%,11.9%。慢性腎臓病7.5%,8.6%(p=0.02)。CHADS2スコアp<0.0001)1点31.4%,34.8%,2点36.4%,35.6%,3点32.2%,29.6%。心房細動の病型:発作性15.9%,15.1%,持続性/永続性84.1%,84.9%。warfarin群のTTR中央値65.1%,66.3%。
治療法 ARISTOTLEは以下の2群に無作為割付。
apixaban群:9,081例。5mg 1日2回(≧80歳,体重≦60kg,血清クレアチニン≧1.5mg/dLのうち2つに該当する場合は2.5mg 1日2回)投与。
warfarin群:9,120例。PT-INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。
登録時に≧165mg/日のaspirinを投与中,もしくはaspirin+P2Y12受容体拮抗薬併用投与が必要であった患者は本試験の対象から除外した。試験中のaspirin/P2Y12受容体拮抗薬の投与および用量決定は担当医の裁量とした。aspirinを必要とする患者には,低用量(≦165mg/日)が推奨された。試験中に抗血小板療法が必要な患者は出血高リスクとされ,試験薬の一時中断を可としたが,義務とはしなかった。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
1日目の時点で,4,434例(24%)がaspirinを服用していた。用量は75mg/日15%,81mg/日30%,100mg/日44%。1,134例(25.7%)が追跡期間中に中止した(無作為割付の92日後)。
apixabanはaspirin併用の有無にかかわらず,warfarinにくらべ脳卒中/全身性塞栓症を抑制した。
aspirin併用あり:apixaban群1.12% vs. warfarin群1.91%,HR 0.58,95%CI 0.39-0.85。
併用なし:1.11% vs. 1.32%,HR 0.84;0.66-1.07,交互作用p=0.10。
脳梗塞(交互作用p=0.19),心筋梗塞(交互作用p=0.19),死亡(交互作用p=0.23)についても,apixabanの有効性は一貫していた。
大出血も,aspirin併用の有無にかかわらず,apixabanはwarfarinにくらべ抑制した。
aspirin併用あり: 3.10% vs. 3.92%,HR 0.77;0.60-0.99。
aspirin併用なし: 1.82% vs. 2.78%,HR 0.65;0.55-0.78,交互作用p=0.29。
出血性脳卒中(交互作用p=0.52),大出血または大出血ではないが臨床的に問題となる出血(交互作用p=0.15),全出血(交互作用p=0.70)についても,apixabanの有効性は一貫していた。
血管疾患の有無によるサブグループ解析でも同様の結果であった。

●有害事象

文献: Alexander JH, et al. Apixaban vs. warfarin with concomitant aspirin in patients with atrial fibrillation: insights from the ARISTOTLE trial. Eur Heart J 2013; 35: 224-32. pubmed
関連トライアル APPRAISE, ARISTOTLE, ARISTOTLE concomitant aspirin use, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE renal function, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE type and duration of AF, ARISTOTLE-J, AVERROES, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, BAFTA, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, EAFT 1993, J-ROCKET AF, Larsen TB et al, NVAFにおける全身性塞栓症予防のためのwarfarin, Olesen JB et al, PROTECT AF, RE-LY Asian subgroup, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, ROCKET AF, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF, SPAF II 1994, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF V, Turpie AG et al 1993
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