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ENGAGE AF-TIMI 48 Effective Anticoagulation with Factor Xa Next Generation in Atrial Fibrillation-Thrombolysis in Myocardial Infarction 48
結論 非弁膜症性心房細動患者における脳卒中または全身性塞栓症予防について,edoxaban 60mg/日,30mg/日投与はいずれもwarfarinに対し非劣性を示し,大出血および心血管死を抑制した。
コメント RE-LYROCKET AF ARISTOTLEに続く4番目のNVAFを対象とした新規経口抗凝固薬の試験である。用量は2用量+調整用量設定で,RE-LYとARISTOTLEを合わせたようなプロトコールである。
この試験の特徴は,第一にクオリティの高さである。21,105例を対象に,lost to follow-upは1例,ワルファリン群のTTRは中央値68.4%,平均値64.9%であった。60mgはワルファリンに比し,有効性で抑制傾向にあるが,非劣性(p=0.08),脳梗塞は同等,出血性脳卒中は46%減少,大出血は20%有意に減少し,有効性,安全性とも満足できる結果であった。30mg群では,脳梗塞が41%増加しているが,死亡率,心血管死は60mg群と差がなく,さらに詳細な解析がまたれる。また,アジア人のサブグループ解析など,他の試験で行われたいくつかのサブ解析報告も興味あるところである。(是恒之宏

目的 中等度~高リスクの心房細動患者において,edoxaban 2用量(30mgまたは60mg 1日1回投与)の有効性および安全性をwarfarinと比較した。有効性の主要評価項目:脳卒中(脳梗塞または出血性脳卒中)または全身性塞栓症。安全性の主要評価項目:ISTH出血基準大出血。
デザイン 無作為化,二重盲検,ダブルダミー,非劣性試験(非劣性マージン:97.5%CI上限1.38)。modified intention-to-treat解析。NCT00781391。
セッティング 多施設(1,393施設),46ヵ国。
期間 登録期間は2008年11月19日~2010年11月22日。
対象患者 21,105例。21歳以上,無作為割付前12ヵ月以内に12誘導心電図で心房細動が確認された患者で,CHADS2スコア2点以上,試験期間中に抗凝固療法を予定されている症例。
【除外基準】可逆性心房細動,クレアチニンクリアランス(CrCl)<30mL/分,出血高リスク,抗血小板薬2剤併用療法中,中等度以上の僧帽弁狭窄,他に抗凝固療法の適応病態を有する,急性冠症候群,冠動脈血行再建術,脳卒中発症から30日以内など。
【患者背景】年齢中央値はedoxaban高用量群72歳,低用量群72歳,warfarin群72歳。各群の女性37.9%,38.8%,37.5%。発作性心房細動24.9%,26.1%,25.3%。リスク因子:75歳以上40.5%,39.9%,40.1%,脳卒中/一過性脳虚血発作既往28.1%,28.5%,28.3%,うっ血性心不全58.2%,56.6%,57.5%,糖尿病36.4%,36.2%,35.8%,治療を要する高血圧93.7%,93.5%,93.6%。平均CHADS2スコアスコア全群2.8.無作為割付時の減量:CrCl≦50mL/分19.6%,19.0%,19.3%,体重≦60kg 9.7%,9.9%,10.0%,verapamilまたはquinidine使用3.7%,3.7%,3.5%。60日以上のビタミンK拮抗薬使用経験58.8%,59.2%,58.8%。
治療法 CHADS2スコア2または3点および4点以上,edoxabanの減量の必要性により層別化後,以下の3群に割付。
edoxaban高用量群:7,035例。60mg 1日1回投与。
edoxaban低用量群:7,034例。30mg 1日1回投与。
warfarin群:7,036例。PT-INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。PT-INRは月1回以上測定した。
すでにwarfarin投与を受けていた患者では,PT-INRが≦2.5となってから無作為割付を行った。edoxaban両用量群とも,登録時もしくは試験期間中にCrCl 30~50mL/分,体重≦60kg,P糖蛋白阻害薬であるverapamilまたはquinidine(2010年12月22日よりdronedaroneも)併用の場合,用量を半分に減量した。verapamil,quinidine,dronedaroneを中止した場合,および減量する理由がなくなった場合は標準用量に戻した。
試験終了時はオープンラベルの抗凝固療法に移行した。edoxaban群ではPT-INRが2.0になるか2週間経過するまでedoxaban低用量とビタミンK拮抗薬を併用投与した。
追跡完了率 99.5%。
結果

●評価項目
warfarin群のTTRは中央値68.4%,平均64.9%。
有効性の主要評価項目はwarfarin群232例(1.50%/年)で,edoxaban両用量とも非劣性基準に合致した。
高用量群182例(1.18%/年):HR 0.79,97.5%CI 0.63-0.99,非劣性p<0.001,優越性p=0.02)。
低用量群253例(1.61%/年)(HR 1.07,97.5%CI 0.87-1.31,非劣性p=0.005,優越性p=0.44)。
intention-to-treat解析では,高用量群では抑制傾向(HR 0.87,97.5%CI 0.73-1.04,p=0.08),低用量群では同程度であった(HR 1.13,97.5%CI 0.96-1.34,p= 0.10)。
脳梗塞:warfarin群1.25%/年,高用量群1.25%/年(HR 1.00,95%CI 0.83-1.19,p=0.97),低用量群1.77%/年(HR 1.41,95%CI 1.19-1.67,p<0.001)。
出血性脳卒中:warfarin群0.47%/年,高用量群0.26%/年(HR 0.54,95%CI 0.38-0.77,p<0.001),低用量群0.16%/年(HR 0.33,95%CI 0.22-0.50,p<0.001)。
大出血はwarfarin群3.43%/年で,edoxaban両用量とも抑制した。
高用量群:2.75%/年(HR 0.80,95%CI 0.71-0.91,p<0.001)。
低用量群:1.61%/年(HR 0.47,95%CI 0.41-0.55,p<0.001)。
心血管死もwarfarin群3.17%/年で,edoxaban両用量とも抑制した。
高用量群:2.74%/年(HR 0.86,95%CI 0.77-0.97,p=0.01)。
低用量群:2.71%/年(HR 0.85,95%CI 0.76-0.96,p=0.008)。
正味の臨床転帰(全死亡,脳卒中,全身性塞栓症,大出血)はwarfarin群8.11%/年で,edoxaban両用量とも抑制した。
高用量群:7.26%/年(HR 0.89,95%CI 0.83-0.96,p=0.003)。
低用量群:6.79%/年(HR 0.83,95%CI 0.77-0.90,p<0.001)。

●有害事象

文献: Giugliano RP, et al., the ENGAGE AF-TIMI 48 Investigators. Edoxaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation. N Engl J Med 2013; 369: 2093-104. pubmed
関連トライアル ACE , AFASAK 2 1999, AMADEUS, AMPLIFY, ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE type and duration of AF, ATLAS ACS 2-TIMI 51, AVERROES, CASSIOPEA, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, EINSTEIN-PE, Hokusai-VTE, J-ROCKET AF, J-ROCKET AF renal impairment, JNAF-ESP, Larsen TB et al, NASPEAF, NVAFにおける全身性塞栓症予防のためのwarfarin, PROTECT AF, RE-COVER II , RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RELY-ABLE, ROCKET AF, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPORTIF elderly patients, SPORTIF II , SPORTIF III, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, WARCEF, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防, WARSS, WASID, 心房細動患者における新規抗凝固薬の有効性および安全性, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性
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