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Majeed A et al Management and Outcomes of Major Bleeding During Treatment with Dabigatran or Warfarin
結論 dabigatran群の大出血発生例はwarfarin群にくらべ,赤血球輸血を多く必要としたが,プロトロンビン複合体製剤(PCC)は少なかった。また,ICU滞在の短縮および死亡率の抑制傾向がみられた。

目的 dabigatranの有効性および安全性をwarfarinと比較した第III相大規模試験(RE-LY[心房細動],RE-COVER,RE-COVER II,RE-MEDY,RE-SONATE[静脈血栓塞栓症])の患者において,大出血の管理およびその後の転帰を検討した。
デザイン pooled解析。
セッティング 多施設,複数国。
期間
対象患者 27,419例。dabigatranを対照薬(RE-SONATE[プラセボ]を除きすべてwarfarin)と比較した5件の第III相大規模試験の登録患者。
【除外基準】RE-SONATEのプラセボ群では大出血は発生しなかったため,解析に含めなかった。
【患者背景】症例数(大出血発生数/総数)はdabigatran 110mg群262/6,015例,dabigatran 150mg群365/10,740例,warfarin群407/10,002例。各群の平均年齢は75.9歳,75.1歳,71.8歳(p<0.0001)。男性64.9%,64.1%,65.9%。クレアチニンクリアランス(CCr)中央値52mL/分,55 mL/分,62 mL/分(p<0.0001)。aspirin 35.5%,27.7%,24.6%(p=0.040 *p=0.026)。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)15.9%,11.5%,8.4%(p=0.023)。
*:110mg群と150mg群の比較,無印はdabigatran群とwarfarin群の比較)
治療法 dabigatran群またはwarfarin群(RE-SONATEのみプラセボ)に無作為割付。
追跡完了率
結果

●評価項目
全体で1,121件(1,034例)の大出血が発生した。
dabigatran群の大出血発生例(627/16,755例)はwarfarin群(407/10,002例)にくらべ高齢で,CCrが低く,aspirinまたはNSAID使用が多かった。
初回大出血発生から30日後の死亡率はdabigatran群9.1%で,warfarin群13.0%にくらべ低い傾向がみられた(統合OR 0.68,95%CI 0.46-1.01,p=0.057,性別,年齢,体重,腎機能,抗血栓薬併用療法で補正後:統合OR 0.66,95%CI 0.44-1.00,p=0.051)。
大出血発生後,輸血や止血剤の投与が行われなかったのはdabigatran 110mg群34%,150mg群31%,warfarin群33%で,有意差は認められなかった。
dabigatran群の大出血発生例はwarfarin群にくらべ輸血が多かったが(423/696例[61%]vs. 175/425例[42%],p<0.001),新鮮凍結血漿(FFP)は少なかった(19.8% vs. 30.2%,p<0.001)。その他の治療は以下の通り。cryoprecipitate:1.1% vs. 1.7%(p=0.40)。
血小板製剤:3.8% vs. 4.8%(p=0.42)。
ビタミンK:9.4% vs. 27.3%(p<0.001)。
PCC:0.7% vs. 1.2%(p=0.36)。
遺伝子組換え第VIIa因子製剤:1.1% vs. 0.7%(p=0.53)。
凝固因子製剤:0.4% vs. 1.0%(p=0.25)。
dabigatranを投与されていた患者では,ICU滞在が短かった(1.6泊 vs. 2.7泊,p=0.01)。

●有害事象

文献: Majeed A, et al. Management and Outcomes of Major Bleeding during Treatment with Dabigatran or Warfarin. Circulation 2013; 128: 2325-32. pubmed
関連トライアル dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, fondaparinux によるVTE予防療法における大出血および死亡, Guerrouij M et al, Kaseno K et al, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, ORBIT-AF, RE-ALIGN, RE-COVER, RE-COVER II , RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RE-MEDY & RE-SONATE, RELY-ABLE, SPORTIF risk of bleeding, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性
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