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Cappellari M et al Off-Label Thrombolysis Versus Full Adherence to the Current European Alteplase license: Impact on Early Clinical Outcomes after Acute Ischemic Stroke
結論 オフラベルの血栓溶解療法使用について,脳卒中の既往および糖尿病併発患者では24時間後の有効性が低いようであった。他のオフラベル基準については影響を認めなかった。

目的 現行の血栓溶解療法の対象基準はSITS-MOSTECASS IIIにくらべ厳格すぎるように思われ,実地臨床では多くの患者に対し,医師の裁量によりオフラベルの使用が行われている。本研究は,血栓溶解療法のオフラベル使用およびオフラベルの各項目が早期臨床転帰におよぼす影響を,現行の欧州の基準と比較して評価を行った。主要評価項目:24時間後の神経学的改善(National Institute of Health stroke scale:NIHSSスコアの8点以上または0点への改善),24時間後の神経学的悪化(NIHSSの4点以上の悪化または死亡)。
デザイン 登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 単施設,イタリア。
期間 登録期間は2004年12月~2012年9月。
対象患者 500例。血栓溶解療法を受けた虚血性脳卒中患者。
【除外基準】最終的に脳卒中以外の疾患と診断,rt-PA静注および動注のブリッジング療法を施行。
【患者背景】平均年齢はオンラベル群67.5歳,オフラベル群74.7歳(p<0.001)。各群の男性58.6%,52.3%。脳卒中前のmodified Rankin Score(mRS)≦2:99.2%,97.9%。発症から治療までの平均経過時間166.8分,184.7分(p<0.001)。血管リスク因子:高血圧61.2%,75.9%(p=0.001),糖尿病12.5%,25.7%(p<0.001),高コレステロール血症38.4%,36.7%,現喫煙21.7%,8.9%(p<0.001),心房細動21.7%,30%(p=0.040),前回の脳卒中から3ヵ月以内8.7%,10.5%。NIHSSスコア12.2±5.3,10.0±6.5(p<0.001)。
治療法 以下の2群に分けて解析を行った。
オンラベル群:263例。SITS-MOSTのプロトコール(発症からの経過時間[4.5時間以内]を除く)にもとづいて治療を受けた患者。
オフラベル群:237例。現行の欧州におけるalteplaseの認可基準にもとづき,以下の項目をオフラベルとした;<80歳に対し発症から4.5~6時間後に治療,ベースライン時のSBP>185かつ/またはDBP>110mmHgかつ/または血栓溶解療法前に降圧薬静注,血糖値>400mg/dL,中枢神経系疾患既往,脳卒中から3ヵ月以内,脳卒中既往および糖尿病併発,入院時に出血高リスクをともなう禁忌(PT-INR<1.7および1.7~1.9,大手術または重度の外傷から3ヵ月以内,腫瘍)。また,ECASS IIIにもとづき軽症脳卒中(NIHSS≦4)もオフラベルとした。
追跡完了率
結果

●評価項目
237例(47.4%)が欧州の基準を超えて治療を受けた。
オフラベル群の24時間後の臨床転帰はオンラベル群と同程度であった。
神経学的改善:オフラベル群72例(30.4%)vs. オンラベル群80例(30.4),OR 1.19,95%CI 0.74-1.92,p=0.472。
神経学的悪化:26例(11%)vs. 20例(7.6%),OR 1.09;0.54-2.23,p=0.788。
オフラベルの基準のうち,オンラベルにくらべ神経学的改善率を低下させたものはなかった。80歳以下における発症から4.5~6時間後の治療は神経学的改善の増加がみられた(OR 3.45;1.75-15.68,p=0.010)。
脳卒中の既往および糖尿病併発では神経学的悪化の増加がみられた(OR 5.84;1.61-21.19,p=0.024)。
オフラベルの治療と頭蓋内出血の関連はみられなかった。

●有害事象

文献: Cappellari M, et al. Off-label thrombolysis versus full adherence to the current European Alteplase license: impact on early clinical outcomes after acute ischemic stroke. J Thromb Thrombolysis 2013; 37: 549-56. pubmed
関連トライアル ECASS, ECASS III, ECASS III additional outcomes, EPITHET, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, ICARO-2, IPSS use of alteplase, J-MARS, Manawadu D et al, Power A et al, RECANALISE, SAMURAI rt-PA Registry early neurological deterioration, SITS-ISTR, SITS-ISTR 2010, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR young patients, SITS-ISTR/VISTA prior stroke/DM, SITS-MOST, SITS-MOST multivariable analysis, TTT-AIS, VISTA baseline severity, VISTA contraindications, 血栓溶解療法後の頭蓋内出血
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