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Strbian D et al Ultra-Early Thrombolysis Ultra-Early Intravenous Stroke Thrombolysis: Do All Patients Benefit Similarly?
結論 軽~中等度の脳卒中患者において,発症から90分以内の血栓溶解療法は,それより遅い治療にくらべ,転帰優良と独立して関連していた。
コメント 多数例を用いてNIHSSサブグループ別の解析を行い,目標のADL障害レベルも変えて,血栓溶解療法の時間短縮効果を明らかにした点で興味深い。(岡田靖

目的 著者らは単施設研究において,超早期血栓溶解療法のベネフィットを報告した。今回は多施設において,発症から90分以内の血栓溶解療法が脳卒中重症度の異なるサブグループについて,一律に追加ベネフィットをもたらすか検討した。
デザイン 観察研究。
セッティング 多施設(10施設),欧州。
期間 登録期間は1998~2012年。
対象患者 6,856例。血栓溶解療法を受けた虚血性脳卒中患者。
【除外基準】発症から治療までの時間もしくは3ヵ月後のmRSが不明。
【患者背景】National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア 3分位(0~6群2,161例,7~12群2,164例,>12群2,531例)のサブグループ別の年齢中央値は69歳,72歳,74歳。各群の女性41.6%,45.4%,50.7%。登録時のNIHSS中央値(IQR)4(3~5),9(8~11),17(15~20)。発症から治療までの経過時間中央値140分,136分,133分。病歴:糖尿病21.1%,18.2%,20.6%,脳卒中既往15.3%,16.2%,14.7%,冠動脈疾患19.1%,18.4%,22.3%,心房細動22.8%,26.9%,37.9%,高血圧69.5%,68.4%,70.4%,脂質異常症46.2%,39.4%,35.4%。原因:大血管アテローム性15.7%,16.5%,16.0%,心原性塞栓症36.1%,41.4%,53.5%,小血管疾患11.3%,7.2%,1.7%。
治療法 血栓溶解療法を施行(血管内治療などの追加的治療は行っていない)。
解析は登録時のNIHSSの三分位サブグループ別に行った。
追跡完了率
結果

●評価項目
年齢,性別,登録時のNIHSS,血糖値,治療年で補正後,発症から治療までの時間の1分ごとの短縮は転帰優良(mRS 0~1)と独立して関連していた(OR 0.999,95%CI 0.998-0.999,p<0.001)。
発症から90分以内に血栓溶解療法を受けたのは全体の19%で,これらの患者は90分超の患者にくらべ,頭蓋内出血発現率が低かった(14.8% vs. 17.6%,p=0.027)。
年齢,性別,血糖値,治療年で補正後,発症から治療までの時間(90分以内)は,NIHSS 7~12では転帰優良を増加させたが,>12,0~6では関連していなかった。0~6では,軽症患者における天井効果を除くためmodified Rankin Score(mRS) 0を転帰優良とすると,関連がみられた。
NIHSS 7~12:OR 1.37;1.11-1.70,p=0.004。
>12:OR 1.00;0.76-1.32,p=0.99。
0~6:OR 1.04;0.78-1.39,p=0.80,mRS 0:OR 1.51;1.14-2.01,p<0.01。
超早期血栓溶解療法と死亡は全体,NIHSSサブグループのいずれにおいても関連はみられなかった。

●有害事象

文献: Strbian D, et al. Ultra-Early Intravenous Stroke Thrombolysis: Do All Patients Benefit Similarly? Stroke 2013; 44: 2913-6. pubmed
関連トライアル Austrian Stroke Unit Registry, Bern Stroke Project, ECASS III, GWTG-Stroke time to treatment, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, ICARO-2, Madrid Stroke Network, Manawadu D et al, Power A et al, RESTORE, SAINT postthrombolysis ICH, Sarikaya H et al (posterior circulation stroke), Schellinger PD et al, SITS-ISTR blood pressure, SITS-ISTR young patients, SITS-ISTR/VISTA, SITS-MOST multivariable analysis, Strbian D et al ODT and DNT, Toni D et al, VISTA baseline severity, 血栓溶解療法後の頭蓋内出血, 前方循環閉塞に対する血栓溶解療法, 頸動脈解離による虚血性脳卒中に対する血栓溶解療法
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