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Prefasi D et al Intravenous Thrombolysis in Stroke Patients under 55 Years of Age: Is There a Different Effect According to Etiology and Severity?
結論 55歳未満の脳梗塞患者では,中等度~重度の患者は軽症患者にくらべ血栓溶解療法のベネフィットが大きかった。また,心原性脳塞栓症は他の病型にくらべ,ベネフィットが大きい可能性が示唆された。
コメント 若年者では,動脈解離に注意を払いつつも,中等度から重度の症例では積極的にrt-PA血栓溶解療法を考慮すべきであろう。(矢坂正弘

目的 若齢の脳梗塞患者における病型や重症度別の血栓溶解療法の効果については,これまで検討されていない。本研究では,55歳未満の脳梗塞患者において,病型および重症度の違いは,血栓溶解療法に対し異なる反応を引き起こすという仮説を検討した。
デザイン 登録研究の後ろ向き解析。
セッティング 単施設,スペイン。
期間 登録期間は2007年1月~2012年12月。
対象患者 262例。18~54歳,脳虚血による症状発現から48時間以内,CT/MRIにて脳梗塞(もしくはその他の頭蓋内病変がないこと)を確認,病前に機能的に自立していた脳梗塞患者。
【除外基準】一過性脳虚血発作(TIA),脳出血,血管内治療実施例。
【患者背景】平均年齢は血栓溶解療法実施群44.5歳,非実施群45.5歳。各群の男性58.7%,65.3%。高血圧33.3%,36.2%。糖尿病11.1%,11.6%。脂質異常症23.8%,26.1%。心房細動4.8%,3.5%。脳梗塞既往12.7%,11.6%。脳卒中前の治療:抗血小板薬17.5%,11.1%,抗凝固薬3.2%,7.5%。スタチン17.5%,19.1%。脳卒中の病型:アテローム血栓性7.9%,10.6%,心原性27%,12.1%(p=0.004),小血管疾患9.5%,31.7%(p=0.001),不明34.9%,23.1%。入院時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア中央値(IQR)6.5(9),2(3)(p<0.0001)。中等度~重度の脳卒中の割合39.7%,14.1%(p<0.0001)。
治療法 血栓溶解療法を実施。
追跡完了率 追跡脱落は22例。
結果

●評価項目
63例(24%)が血栓溶解療法を受けた。平均年齢,性別は血栓溶解療法実施の有無にかかわらず同様であった。
多変量解析によると,血栓溶解療法は転帰良好(modified Rankin Score:mRS≦2)の割合を増加させた。動脈解離や入院時NIHSS は減少と関連した。
血栓溶解療法:OR 4.652,95%CI 1.294-16.722,p=0.019。
動脈解離:OR 0.191;0.056-0.654,p=0.008。
NIHSS:OR 0.727;0.664-0.797,p<0.0001。
サブグループ解析によると,血栓溶解療法のベネフィットは脳梗塞の程度が中等度~重度(NIHSS≧8)では軽度(<8)に対し(OR 3.782;1.095-13.069,p=0.035),心原性脳塞栓症は小血管疾患に対し(OR 41.887;1.001-1751.596,p=0.049),それぞれ有意差がみられた。

●有害事象

文献: Prefasi D, et al. Intravenous thrombolysis in stroke patients under 55 years of age: is there a different effect according to etiology and severity? J Thromb Thrombolysis 2013; 37: 557-64. pubmed
関連トライアル Bern Stroke Project, Engelter ST et al, Gensicke H et al, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, Kellert L et al, Madrid Stroke Network, Mattle HP et al, Power A et al, SAMURAI rt-PA Registry early neurological deterioration, Sarikaya H et al, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR young patients, VISTA baseline severity
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