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メタ解析
PCI施行患者に対するcangrelor
Cangrelor for Patients Undergoing Percutaneous Coronary Intervention: Evidence from a Meta-Analysis of Randomized Trials
結論 冠動脈インターベンション(PCI)施行中のcangrelorの使用は,clopidogrelなどの対照薬と比較して,大出血を過度に増加させることなく,虚血による血行再建術およびステント血栓症を抑制した。

目的 cangrelor は,CHAMPOIN PCIではclopidogrelに対し,CHAMPION PLATFORMではプラセボに対し,48時間後の虚血イベントを抑制しなかったが,CHAMPION PHOENIXでは大出血を増加させずに虚血イベントを抑制した。この不一致を前提として,本解析はPCI施行患者におけるcangrelorの有効性,安全性の統合解析を行った。
方法 PubMed,Cochrane CENTRAL,EMBASE,EBSCO,Web of Science,CINAHLにて,cangrelorを対照薬(clopidogrel/プラセボ)と比較した英文の無作為化二重盲検試験の論文を検索(2013年4月30日まで)。検索語はcangrelor,myocardial infarction,clopidogrel,percutaneous coronary intervention,acute coronary syndrome。参考文献のマニュアル検索も行った。
対象 3試験(CHAMPOIN PCI,CHAMPION PLATFORM,CHAMPION PHOENIX),25,107例。
主な結果 ・心筋梗塞
cangrelorの心筋梗塞抑制効果は対照薬と同程度であった(5.3% vs. 5.7%,RR 0.94,95%CI 0.78-1.13,p=0.51,不均一性p=0.05,I2=68%)。

・全死亡
全死亡も対照薬と同程度であった(0.26% vs. 0.36%,RR 0.72;0.36-1.43,p=0.35,不均一性p=0.13,I2=52%)。

・虚血による血行再建
cangrelorは虚血による血行再建を抑制した(0.52% vs. 0.74%,RR 0.72;0.52-0.98,p=0.04,不均一性p=0.86,I2=0%)。

・ステント血栓症
cangrelorはステント血栓症を抑制した(0.49% vs. 0.84%,RR 0.60;0.44-0.82,p=0.001,不均一性p=0.38,I2=0%)。

・Q波心筋梗塞
cangrelorはQ波心筋梗塞を抑制した(0.15% vs. 0.28%,RR 0.53;0.30-0.92,p=0.03,不均一性p=0.82,I2=0%)。

・出血
cangrelor によるTIMI出血基準大出血(両群0.2%,RR 0.96;0.51-1.83,p=0.91,不均一性p=0.27,I2=23%),GUSTO出血基準重篤な出血(0.22% vs. 0.18%,RR 1.21;0.70-2.11,p=0.50,不均一性p=0.68,I2=0%)の過度の増加はみられなかった。

clopidogrelのみを対象とした解析でも,Q波心筋梗塞(0.15% vs. 0.28%,RR 0.54;0.29-1.01,p=0.05)を除き同様の結果であった。
文献: Sardar P, et al. Cangrelor for patients undergoing percutaneous coronary intervention: evidence from a meta-analysis of randomized trials. J Thromb Thrombolysis 2013; 38: 1-10. pubmed
関連トライアル CAD患者に対するPAR-1拮抗薬の安全性および有効性, CHAMPION PCI, CHAMPION PHOENIX, CHAMPION PLATFORM, CHAMPION pooled analysis, clopidogrel前投与と死亡,心血管イベント,大出血, CREDO, DES留置後のDAPT延長投与, PCI-CLARITY, PCI施行患者に対するcangrelor
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