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Asdaghi N et al Perfusion MR Predicts Outcome in High-Risk Transient Ischemic Attack/Minor Stroke: s Derivation-Validation Study
結論 高リスクの一過性脳虚血発作(TIA)および軽症脳卒中患者において,拡散強調画像 (DWI)-灌流強調画像(PWI)ミスマッチは梗塞拡大および臨床症状悪化を予測した。本知見より,この患者集団において再灌流のストラテジーが有益であると示唆された。
コメント 脳梗塞急性期の梗塞巣の拡大は,予後を悪化させる大きな要因だ。それをdiffusion-weighted imageとperfusion-weighted imagingのミスマッチで予測できることが明らかにされた意義は大きい。今後,ミスマッチを示す症例での再開通治療の可否が積極的に検討されよう。(矢坂正弘

目的 高リスクのTIAまたは軽症脳卒中(National Institute of Health stroke scale:NIHSSスコア≦3)の患者において,ベースライン時の拡散-灌流ミスマッチが臨床症状の悪化および梗塞拡大を予測するか検討した。主要転帰:FLAIR法による梗塞拡大,副次転帰:症状進展。
デザイン コホート研究。
セッティング 単施設,カナダ。
期間 登録期間は誘導コホート:2002年4月~2006年4月,検証コホート:2008年4月~2010年8月。
対象患者 418例。高リスクのTIA患者(5分以上続く身体の一部の脱力または言語障害)または軽症脳梗塞(NIHSS≦3)患者。
[誘導コホート:137例]VISION試験にてMRI灌流画像を撮影した,18歳以上,発症前のmRS<2,脳CT画像があり,発症から12時間以内に神経科医により評価を受け,発症から24時間以内にPWIを含むMRIを行った患者。
[検証コホート:281例]CATCH試験にてPWIを行った患者。
【除外基準】CTにて脳内出血もしくは非血管病変を確認。
【患者背景】年齢中央値は誘導コホート群67.6歳,検証コホート群68.4歳。各群の男性60%,42%。NIHSS中央値両群1(IQR 2)。高血圧60%,52%。糖尿病15%,14%。心房細動12%,9%。DWI陽性54%,56%。PWI陽性(Tmax≧4秒)42%,35%。ミスマッチ(Tmax≧4秒-DWI)32%,26%。発症からMRIまでの経過時間中央値9.2時間,15.1時間。
治療法
追跡完了率 追跡MRI施行率は誘導コホート86.8%,検証コホート77.6%。
結果

●評価項目
梗塞拡大は誘導コホート18.5%,検証コホート5.5%,症状進展は誘導コホート9.5%,検証コホート4.5%に認められた。
誘導コホートでは,ベースライン時にミスマッチが認められた患者ではFLAIR法による梗塞拡大,症状進展が有意に認められた。
梗塞拡大:50% vs. 3.8%,RR 13.5,95%CI 4.2-38.9,p<0.001。
症状進展:22.7% vs. 3.2%,RR 7.0,95%CI 2.0-7.3,p=0.001。
誘導コホートでは,梗塞拡大を予測するミスマッチの至適閾値は10mLであった(AUC 0.89,95%CI 0.80-0.98)。この閾値は検証コホートでの梗塞拡大を強く予測した(p=0.001)。
ベースライン時のミスマッチは臨床症状の悪化と関連していた(誘導コホート:AUC 0.81; 95%CI 0.67-0.96),検証コホート:AUC 0.66,95%CI 0.46-0.85)。

●有害事象

文献: Asdaghi N, et al. Perfusion MR Predicts Outcome in High-Risk Transient Ischemic Attack/Minor Stroke: A Derivation-Validation Study. Stroke 2013; 44: 2486-92. pubmed
関連トライアル DEFUSE 1 & 2 post hoc analysis
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