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ADAPT-DES Assessment of Dual Antiplatelet Therapy with Drug-Eluting Stents
結論 薬剤溶出性ステント(DES)留置を受けた冠動脈疾患患者において,clopidogrel投与中の高い血小板反応性は,1年後のステント血栓症および心筋梗塞の独立予測因子であり,出血に関しては保護因子であった。これらのイベント発症は全死亡の独立予測因子であった。
コメント 血小板機能と臨床的アウトカムの関連を検討した点で意味のある臨床試験ともいえるが,本来連続変数であるPRUに恣意的にカットオフ値を設定してアウトカムとの関係を無理矢理こじつけた無意味な試験ともいえる。資金提供として,ステントメーカー,製薬企業,デバイス製造会社名が表記されているものの,結論は比較的中立で,血小板機能阻害と出血/抗血栓効果の関連を重視している。(後藤信哉

目的 DES留置を受けた冠動脈疾患患者において,抗血小板薬2剤併用療法(aspirin+clopidogrel)中の血小板反応性と臨床転帰の関連を検討した。主要評価項目:ステント血栓症(ARC基準definite/probable )。
デザイン 前向き登録研究。NCT00638794。
セッティング 多施設(11施設),2ヵ国(米国,ドイツ)。
期間 登録期間は2008年1月7日~2010年9月16日。追跡期間は1年。
対象患者 8,583例。1つ以上のDESを成功裏に留置され,aspirin+clopidogrel併用投与を受けた患者連続例。患者および病変部の複雑性は不問とした。
【除外基準】手技中または血小板機能検査前に重篤な合併症が発生した患者,abciximabが投与され,10日間のウォッシュアウト期間が終了する前に血小板機能検査を行った患者。
【患者背景】平均年齢はステント血栓症発症群62.1歳,非発症群63.6歳。各群の女性31.4%,25.9%。BMI 30.8kg/m2,29.5kg/m2p=0.049)。高血圧85.7%,79.6%,脂質異常症78.6%,74.3%,1ヵ月以内の喫煙25.7%,22.6%,糖尿病47.1%,32.3%(p=0.009)。PCI施行の7日以上前の心筋梗塞40.0%,25.1%(p=0.005)。腎不全既往18.6%,7.6%(p=0.0009)。
[全例におけるDESの種類]everolmus:64.5%,paclitaxel:16.5%,sirolimus:13.5%。
治療法 血小板反応性は,PCIが成功し,完全な抗血小板効果を得るための適切な期間抗血小板療法を行った後に評価した。aspirinはPCIの(1)6時間以上前に非腸溶錠300mg以上,(2)30分以上前にチュアブル錠324mgまたは静注薬250mg以上のどちらか,clopidogrelはVerifyNowによる血小板機能検査の(1) 6時間以上前に600mg,(2) 12時間以上前に300mg,(3) 5日以上前に75mg以上のいずれかを投与。PCI中にeptifibatideまたはtirofibanが投与された場合は,24時間のウォッシュアウト期間を設けた。PCI後は,aspirinは無期限投与,clopidogrelは1年以上の投与を推奨した。
追跡完了率 1年の追跡完了は96.1%。
結果

●評価項目
ステント血栓症は70例(0.84%;definite 53例+probable 17例),心筋梗塞は269例(3.1%),臨床的に問題となる出血は531例(6.2%),死亡は161例(1.9%)。
血小板機能検査はPCIの20.3±8.3時間後に行った。clopidogrelは>208PRU(P2Y12反応単位),aspirinは>550ARU(aspirin反応単位)をカットオフ値とした。
clopidogrel投与中の高い血小板反応性は,ステント血栓症,心筋梗塞と関連し,出血と逆相関していたが,死亡とは関連していなかった。
ステント血栓症:補正後HR 2.49,95%CI 1.43-4.31,p=0.001。
心筋梗塞:補正後HR 1.42;1.09-1.86,p=0.01。
臨床的に問題となる出血:補正後HR 0.73;0.61-0.89,p=0.002。
全死亡:補正後HR 1.20;0.85-1.70,p=0.30。
aspirin投与中の血小板反応性は,ステント血栓症,心筋梗塞,死亡と関連していなかったが,出血とは逆相関していた。
ステント血栓症:補正後HR 1.46;0.58-3.64,p=0.42。
心筋梗塞:補正後HR 0.81;0.46-1.42,p=0.46。
全死亡:補正後HR 1.42;0.83-2.43,p=0.20。
臨床的に問題となる出血:補正後HR 0.65;0.43-0.99,p=0.04。
イベント発症は1年後の全死亡と強く関連していた。
ステント血栓症(definite):補正後HR 4.68;1.68-13.01,p=0.03。
心筋梗塞:補正後HR 4.41;2.67-7.28,p<0.0001。
臨床的に問題となる出血:補正後HR 4.02;2.74-5.90,p<0.0001。

●有害事象

文献: Stone GW, et al.; for the ADAPT-DES Investigators. Platelet reactivity and clinical outcomes after coronary artery implantation of drug-eluting stents (ADAPT-DES): a prospective multicentre registry study. Lancet 2013; 382: 614-23. pubmed
関連トライアル BASKET-LATE, D.E.S. Cover Registry, DECLARE-LONG II, DES LATE, EVENT, KAMIR, Migliorini A et al, OPTIMIZE, PARIS, REAL-LATE / ZEST-LATE, RECLOSE antiplatelet nonresponsiveness, Sarafoff N et al, Sibbing D et al (2009, JACC), TRILOGY ACS secondary analysis , TRITON-TIMI 38 PCI
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