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Saadeh C et al Discontinuation of Preoperative Clopidogrel is Unnecessary in Peripheral Arterial Surgery
結論 手術施行日までのclopidogrel+aspirin併用はaspirin単独または抗血小板薬非投与にくらべ,死亡,出血による再手術,輸血,血腫形成を増加させなかった。

目的 観血的動脈再建手術を受ける患者において,手術施行日までのclopidogrel+低用量aspirin前投与が周術期出血合併症に影響を及ぼすか検討した。主要評価項目:出血による再手術,失血死。
デザイン 非無作為割付。
セッティング 多施設(4施設),レバノン。
期間 登録期間は2005年1月~2012年6月。
対象患者 567例(手術647件)。腹部大動脈バイパス術,下肢バイパス術,頸動脈血管内膜切除術施行患者。
【除外基準】血管内動脈瘤修復,出血のための緊急手術(腹部大動脈瘤破裂,動脈外傷),観血的および血管内手術の併用手技,手術前に先天的/後天的出血性疾患を確認(フォンウィルブランド病,血友病),頸動脈血管内膜切除術と冠動脈バイパス術の同時施行,貧血のため手術前に輸血,手術後30日以内の追跡不能。
【患者背景】平均年齢はclopidogrel群69歳,非clopidogrel群68歳。各群の男性73.2%,76.5%。リスク因子:高血圧88.1%,80%(p=0.036),現喫煙63.9%,62.8%,脂質異常症79%,64%(p=0.001),糖尿病56.7%,42.3%(p=0.003)。心筋梗塞既往32%,15%,PCI/ステント46.8%,7.9%(p<0.001)。末梢ステント9.8%,3.2%(p=0.008)。
治療法 抗血小板薬の処方状況により以下の2群に分けて比較を行った。
clopidogrel群:269例(手術305件)。手術施行日までclopidogrel 75mg/日+aspirin 81~100mg/日を併用。
非clopidogrel群:298例(手術342件)。抗血小板薬非投与(20%)またはaspirin単独投与(80%)。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
clopidogrel群は心血管リスク,末梢/冠ステント施行率が高かった(患者背景の項参照)。
clopidogrel服用率はすべての手術タイプで高かった(頸動脈血管内膜切除術58.7%,腹部大動脈バイパス術42.8%,下肢バイパス術42.7%)。
主要評価項目のうち失血死は認められなかった。出血による再手術はclopidogrel群0.65%,非clopidogrel群0.3%で,同程度であった(p=0.55)。
頸動脈血管内膜切除術施行例で安定頸部血腫がclopidogrel群1%,下肢バイパス術施行例で下肢血腫がclopidogrel群2%,非clopidogrel群1%に認められた。
輸血はおもに腹部大動脈バイパス術施行患者で必要とされたが,発生率および輸血量は両群で同程度であった。
腹部大動脈バイパス術:輸血発生率72% vs. 69%,p=0.76。
輸血量(濃厚赤血球)1.6±0.7単位 vs. 1.6±0.6単位,p=1。
下肢バイパス術:輸血発生率15% vs. 11%,p=0.334。
輸血量(濃厚赤血球)1.5±0.6単位 vs. 1.3±0.8単位,p=0.004。
手術時間,ICU滞在時間,入院期間は両群間で同程度であった。

●有害事象

文献: Saadeh C, et al. Discontinuation of preoperative clopidogrel is unnecessary in peripheral arterial surgery. J Vasc Surg 2013; 58: 1586-92. pubmed
関連トライアル Berger JS et al, Berger JS et al, CAPRIE 1996, CAPRIE 2000, CASPAR , CHARISMA subgroup analysis, CLASSICS, CREDO, Mishkel GJ et al, PCI-CLARITY, PCI-CURE, Tompkins C et al, TRITON-TIMI 38 CABG cohort, WOEST
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