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AMPLIFY Apixaban for the Initial Management of Pulmonary Embolism and Deep-Vein Thrombosis as First-Line Therapy
結論 急性静脈血栓塞栓症(VTE)の治療において,固定用量のapixaban投与は従来型治療に対し非劣性を示し,出血を抑制した。
コメント 急性静脈血栓塞栓症に対する治療において,アピキサバン群と従来治療群(エノキサパリンとワルファリン)とでは,静脈血栓塞栓症再発と関連死亡の発生頻度は同程度であった。有効性についての非劣性が示された点では,他の新規経口抗凝固薬と同様である。しかし注目すべき点は,出血性合併症について,大出血,大出血と臨床的に問題となる非大出血の頻度がともに,アピキサバン群で従来治療群よりも有意に低く,安全性においてアピキサバンの従来治療に対する優位性が示されたことであろう。(山田典一

目的 急性VTE患者において,apixabanの有効性および安全性を従来型治療(enoxaparin皮下注後warfarin投与)と比較した。有効性の主要評価項目:症候性VTE再発またはVTE関連死。安全性の主要評価項目:ISTH出血基準大出血
デザイン 無作為割付,二重盲検,非劣性試験(非劣性マージン:RR<1.80,リスク差<3.5%)。intention-to-treat解析。NCT00643201。
セッティング 多施設(358施設),28ヵ国。
期間 登録期間は2008年8月~2012年8月。
対象患者 5,395例。18歳以上,客観的に診断された症候性深部静脈血栓症(DVT)または肺塞栓症(PE;DVT合併の有無は問わない)患者。
【除外基準】活動性出血,出血高リスク,enoxaparin/warfarinに対し禁忌,長期の低分子量heparin(LMWH)投与が予定されている癌患者,誘発因子を有するDVT/PEで持続性再発リスクがない,6ヵ月未満の抗凝固療法の予定,長期抗凝固療法/抗血小板薬2剤併用療法/≧165mg/日のaspirin/cytochrome P-340 3A4の強力な阻害薬の適応病態を有する, LMWH(1日1回投与)/fondaparinux/ビタミンK拮抗薬を2用量以上,LMWH(1日2回投与)を3用量以上,heparin静注を36時間以上受けた患者,ヘモグロビン≦9mg/dL,血小板数≦10万/mm3,血清クレアチニン≧2.5mg/dLまたはクレアチニンクリアランス≦25mL/分。
【患者背景】平均年齢はapixaban群57.2歳,従来型治療群56.7歳。各群の男性58.3%,59.1%。平均体重両群84.6kg。CCr>30~≦50mL/分6.0%,5.5%,>50~≦80mL/分20.4%,20.1%,>80mL/分64.0%,65.0%。当該イベント:DVT 65.0%,65.9%,PE両群25.2%,PE+DVT 9.4%,8.3%。症状発現から無作為割付までの経過日数中央値両群5.0日。VTEの臨床像:特発性両群89.8%,誘発因子を有する両群10.1%。VTE既往17.2%,15.1%。
治療法 以下の2群に無作為割付。
apixaban群:2,691例。最初の7日間は10mgを1日2回投与し,その後6ヵ月間5mg 1日2回投与。
従来型治療群:2,704例。enoxaparin 1mg/kgを最低5日間12時間間隔で投与し,同時にwarfarin(PT-INR 2.0~3.0になるよう用量調整)を6ヵ月間投与。enoxaparinはPT-INRが2.0以上になった後に中止した。
追跡完了率 追跡不能は両群各14例。
結果

●評価項目
従来型治療群のTTRは61%。
有効性の主要評価項目はapixaban群59例(2.3%),従来型治療群71例(2.7%)(RR 0.84,95%CI 0.60~1.18,リスク差[apixaban-従来型治療]-0.4%;-1.3~0.4)で,apixabanは従来型治療に対し非劣性を示した(非劣性p<0.001)。
致死的PEは1例(<0.1%)vs. 2例(0.1%),PEを否定できない死亡は11例(0.4%)vs. 13例(0.5%),非致死的PE(DVT合併の有無を問わない)は27例(1.0%)vs. 23例(0.9%),DVT単独は20例(0.8%)vs. 33例(1.3%)。
ISTH出血基準大出血はapixaban群15例(0.6%)で,従来型治療49例(1.8%)に比し抑制された(RR 0.31;0.17~0.55,p<0.001)。
大出血および大出血ではないが臨床的に問題となる出血も,apixaban群4.3%と,従来型治療群9.7%に比し抑制された(RR 0.44,95%CI 0.36~0.55,p<0.001)。
他の有害事象発生率は両群で同程度であった。

●有害事象

文献: Agnelli G, et al.; AMPLIFY Investigators. Oral apixaban for the treatment of acute venous thromboembolism. N Engl J Med 2013; 369: 799-808. pubmed
関連トライアル ADOPT, ADVANCE, ADVANCE-2, ADVANCE-3 , AMPLIFY-EXT, APPRAISE, APPRAISE-2, APROPOS, ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE-J, ARTEMIS, ATLAS ACS 2-TIMI 51, AVERROES, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, Botticelli, CASSIOPEA, dabigatran,rivaroxaban,apixabanによる関節置換術後の血栓予防, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, EINSTEIN-PE, ELATE, ENGAGE AF-TIMI 48, EXULT A, Hokusai-VTE, LIFENOX, MAGELLAN, ODIXa-HIP, ODIXa-KNEE, PREVENT 2003, RE-COVER, RE-COVER II , RE-MEDY & RE-SONATE, RE-MODEL, RE-NOVATE, RECORD1, RECORD3, ROCKET AF, RUBY-1, SAVE-KNEE, SAVE-HIP1, SAVE-HIP2, THRIVE, van Gogh Studies prophylaxis, VTE治療における新規経口抗凝固薬, WARFASA
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