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RE-LY Asian subgroup
結論 warfarin群における出血性脳卒中は,血圧,年齢がほぼ同様でPT-INR値が低いにもかかわらず,アジア人のほうが非アジア人にくらべ多かった。dabigatran群の出血性脳卒中はアジア人,非アジア人とも抑制された。dabigatranのベネフィットはアジア人,非アジア人で一貫していた。
コメント 2012年のアジア太平洋心臓病学会(APSC)で発表された内容がようやく論文化された。ダビガトランはアジア人にとって,非アジア人に比し,よりメリットが大きいことを示している。これは,ワルファリンによる出血事象が欧米人に比し高いことの裏返しとも解釈できる。今後,他のNOACについても,アジア人でのサブ解析は注目すべきポイントとなるであろう。(是恒之宏

目的 RE-LYのサブグループ解析として,dabigatranのwarfarinに対する有効性および安全性をアジア人*/非アジア人にて比較を行った。
*:中国,香港,日本,韓国,台湾,インド,マレーシア,フィリピン,シンガポール,タイ
デザイン RE-LYはPROBE(prospective,randomized,open,blinded-endpoint),dabigatranの2群間は盲検化。NCT00262600。
セッティング RE-LYは多施設(951施設),44ヵ国。
期間
対象患者 18,113例(アジア人2,782例+非アジア人15,331例)。心房細動患者。
【除外基準】重篤な心臓弁障害,最近の脳卒中,出血リスク上昇,クレアチニンクリアランス<30mL/分,肝障害,妊娠。
【患者背景】平均年齢はアジア人群68.0歳,非アジア人群72.1歳。各群の男性63.8%,63.5%。平均体重66.3kg,85.6kg。心房細動の病型:発作性27.7%,33.7%,持続性41.4%,30.3%,永続性30.9%,36.0%。平均CHADS2スコア2.2,2.1。脳卒中既往24.2%,10.4%。長期ビタミンK拮抗薬療法の経験あり36.5%,52.0%。
治療法 RE-LYはdabigatran 110mg群(D110mg群:110mg,1日2回投与),dabigatran 150mg群(D150mg群:150mg,1日2回投与),warfarin群(目標PT-INR 2.0~3.0)に無作為割付。
追跡完了率
結果

●評価項目
脳卒中/全身性塞栓症について,地域による交互作用は認められなかった。
warfarin群:アジア人3.06%/年 vs. 非アジア人1.48%/年。
D110mg群:2.50%/年(HR 0.81,95%CI 0.54-1.21)vs. 1.37%/年(HR 0.93;0.74-1.17),交互作用p=0.56。
D150mg群:1.39%/年(HR 0.45;0.28-0.72)vs. 1.06%/年(HR 0.72;0.56-0.92),交互作用p=0.09。

warfarin群における出血性脳卒中は,アジア人は非アジア人より多かったが,dabigatran群では減少がみられた。
warfarin群:アジア人0.75%/年 vs. 非アジア人0.32%/年(HR 2.4,95%CI 1.3-4.7,p=0.007)。
D110mg群:0.11%/年(HR 0.15;0.03-0.66)vs. 0.12%/年(HR 0.37;0.19-0.72),交互作用p=0.27。
D150mg群:0.17%/年(HR 0.22;0.06-0.77)vs. 0.09%/年(HR 0.28; 0.13-0.58),交互作用p=0.76。

アジア人における大出血はdabigatran両用量ともwarfarinにくらべ少なかった。D150mgでは地域による交互作用が認められた。
warfarin群:アジア人3.82%/年 vs. 非アジア人3.53%/年。
D110 mg群:2.22%/年(HR 0.57;0.39-0.85)vs. 2.99%/年(HR 0.85;0.73-0.99),交互作用p=0.07。
D150 mg群:2.17%/年(HR 0.57;0.38-0.84)vs. 3.52%/年(HR 1.00;0.87-1.16),交互作用p=0.008。

頭蓋内出血について,地域による交互作用は認められなかった。
warfarin群:アジア人1.10%/年 vs. 非アジア人0.71%/年。
D110mg群:0.23%/年(HR 0.20;0.07-0.60)vs. 0.23%/年(HR 0.32;0.20-0.51),交互作用p=0.46。
D150mg群:0.45%/年(HR 0.40;0.18-0.92)vs. 0.29%/年(HR 0.41; 0.27-0.63),交互作用p=0.95。

ネットクリニカルベネフィット(脳卒中,全身性塞栓症,肺塞栓,心筋梗塞,死亡,大出血の複合)は,アジア人で優越性が認められたのはD150mgのみであった。
warfarin群:アジア人9.65%/年 vs. 非アジア人7.61%/年。
D110mg群:8.36%/年(HR 0.85;0.68-1.06)vs. 7.16%/年(HR 0.94;0.85-1.04),交互作用p=0.39。
D150mg群:6.47%/年(HR 0.66;0.52-0.83)vs. 7.22%/年(HR 0.95; 0.86-1.05),交互作用p=0.004。

●有害事象

文献: Hori M, et al.; the RE-LY Investigators. Dabigatran Versus Warfarin: Effects on Ischemic and Hemorrhagic Strokes and Bleeding in Asians and Non-Asians With Atrial Fibrillation. Stroke 2013; 44: 1891-6. pubmed
関連トライアル ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE-J, ATRIA on and off anticoagulants, AVERROES bleeding, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, ENGAGE AF-TIMI 48, Garcia-Rodriguez LA et al, GWTG-Stroke Registry risk of sICH, Hylek EM et al, J-RHYTHM target INR values, J-ROCKET AF, JNAF-ESP, Larsen TB et al, Majeed A et al, PROTECT AF, RE-ALIGN, RE-COVER II , RE-LY, RE-LY cardioversion, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RE-MEDY & RE-SONATE, RELY-ABLE, ROCKET AF, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF II 1996, SPORTIF V
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