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TRIUMPH nuisance bleeding
結論 急性心筋梗塞(AMI)後の1年における有害出血はよくみられ,投与中の抗血小板薬2剤併用(DAPT)と関連していた。有害出血はquality of life(QOL)を悪化させた。

目的 AMI後の患者において,DAPTによる有害出血(BARC出血基準タイプ1:医学的には問題とならないが,患者の視点からは意味をもちうる出血)発生率と,QOLに及ぼす影響について,TRIUMPH (Translational Research Investigating Underlying Disparities in Acute Myocardial Infarction Patients’ Health Status)のデータを用いて検討した。主要評価項目:BARC出血基準タイプ1出血発生率,QOL(EuroQol :健康状態を移動,セルフケア,日常動作,痛み/不快感,不安/うつの5項目で評価するEQ-5Dと視覚尺度[VAS]から成る評価法)。
デザイン TRIUMPHは前向きコホート研究。
セッティング TRIUMPHは多施設(24施設),米国。
期間 TRIUMPHの登録期間は2005年4月11日~2008年12月31日。
対象患者 3,560例。TRIUMPH登録患者(期間中に登録された,18歳以上のAMI患者4,340例)のうち,1回以上の外来通院により出血およびDAPTに関するデータを入手できた症例。
【除外基準】当該AMIの発作から24時間以上経過後に他施設へ搬送など。
【患者背景】平均年齢は出血群59.7歳,非出血群59.0歳。各群の男性62.3%,69.8%*。リスク因子:糖尿病27.4%,31.0%*,脂質異常症49.1%,49.9%,高血圧65.1%,66.6%,心房細動5.6%,3.9%*。最終の診断*:ST上昇型心筋梗塞47.0%,42.7%,非ST上昇型心筋梗塞53.0%,57.3%。院内でのPCI 73.9%,62.9%*。薬剤溶出性ステント41.5%,38.1%*。院内でのCABG 6.5%,11.5%*。院内での出血11.6%,9.3%*。退院時の処方:warfarin 13.5%,8.1%*,thienopyridine 84.9%,71.7%*。(*p<0.05)
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
AMI後の12ヵ月において,有害出血は1,335例(37.5%)にみられた。もっとも多かったのは打撲および出血であった(1ヵ月後53.5%,6ヵ月後20.4%,12ヵ月後30.9%)。
ベースラインデータで補正後,投与中のDAPTが有害出血のもっとも強い予測因子であった。
1ヵ月後:RR 1.44,95%CI 1.17-1.76,p<0.01。
6ヵ月後:1.89,95%CI 1.35-2.65,p<0.01。
12ヵ月後:1.39,95%CI 1.08-1.79,p<0.01。
女性:RR 1.29,95%CI 1.19-1.40,p<0.0001。
心房細動既往:RR 1.35,95%CI 1.15-1.57,p=0.0002。
1ヵ月後の有害出血は1ヵ月後のQOLと独立して関連しており(EQ-5D VASスコア-2.81ポイント,95%CI-4.79~-0.84),再入院と関連傾向がみられた(HR 1.20,95%CI 0.95- 1.52,p=0.13)。

●有害事象

文献: Amin AP, et al. Nuisance bleeding with prolonged dual antiplatelet therapy after acute myocardial infarction and its impact on health status. J Am Coll Cardiol 2013; 61: 2130-8. pubmed
関連トライアル APPRAISE, APPRAISE-2, BAT, CHARISMA bleeding complications, COMPASS, EXCELLENT, GRACE hemorrhage and mortality, KAMIR, KAMIR triple vs. dual antiplatelet therapy, Lamberts M et al, PRISM-PLUS 1998, PRODIGY, REAL-LATE / ZEST-LATE, RESET, Sørensen R et al, TRITON-TIMI 38, TRITON-TIMI 38 bleeding, VALIANT gastrointestinal bleeding, WAVE
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