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DEFUSE 1 & 2 post hoc analysis
結論 MRIでターゲットミスマッチ(TMM)が認められる脳梗塞患者において,灌流強調画像(PWI)上の早期再灌流の程度は臨床転帰と関連していた。90%以上の再灌流が目指すべき治療のゴールである。
コメント MRIでターゲットミスマッチがみられる脳梗塞急性期患者で,早期再灌流の程度が臨床転帰と関連するとの報告である。rt-PAのみならず,血管内治療を視野にいれた「Drip and Ship」方式の導入など,医療連携も視野に入れた早期再灌流への努力が求められる。(矢坂正弘

目的 DEFUSE 1 および2のデータを用い,TMM*1が認められる脳梗塞患者において,PWI上での早期再灌流の程度は臨床転帰と強く関連しているという仮説を検討した。
*1:(1)低灌流領域と虚血中心部の比率が≧1.8かつ絶対差≧15mL,(2)虚血中心部の体積が<70mL,(3)>10秒のTmax delayをともなう低灌流領域の体積が<100mL。
デザイン
セッティング
期間
対象患者 121例。tPA静注(DEFUSE 1:74例)または血管内治療(DEFUSE 2:110例)を受けた脳梗塞患者。
【除外基準】ベースライン時のPWIデータが不十分またはTmax>6秒での病変体積が10mL未満の症例,追跡MRI未実施またはデータ不十分。
【患者背景】[TMM群]平均年齢は第1四分位群65歳,第2四分位群70歳,第3四分位群71歳,第4四分位群67歳。ベースライン時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコアスコア中央値13,17,14,12。ベースライン時の病変体積(拡散強調画像:DWI/PWI)7.7/74.5mL,17.5/90.4mL,13.5/87.1mL,8.1/73.3mL。
[非TMM群]平均年齢は第1四分位群67歳,第2四分位群58歳,第3四分位群65歳,第4四分位群71歳。ベースライン時のNIHSSスコア中央値17,18.5,17,19.5。ベースライン時の病変体積(DWI/PWI)43/83.2mL,55.1/122.5mL,45.4/73.7mL,79.0/183.7mL。
治療法 DEFUSE 1 ではtPA静注単独,DEFUSE 2では血管内治療(多くの場合tPA静注後)を施行。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
98例にTMMを認めた。
再灌流の程度(中央値)はTMM群59.7%(IQR 16.0~92.8)で,非TMM群64.1%(13.6~96.9)と同程度であった(p=0.604)。
再灌流の程度は,TMM群においては臨床反応良好(p<0.001),機能転帰良好(p=0.001)とも相関がみられたが,非TMM群では相関はみられなかった。
TMM群における臨床反応良好(ベースライン時から30日後までにNIHSSの8点以上の改善または30日後に1点以下),機能転帰良好(90日後のmodified Rankin Score:mRS≦2)の頻度は,第1四分位群*2では第2~4四分位群にくらべ高かった。
臨床反応良好:88% vs. 41%,OR 10.3,95%CI 2.8-37.5,p<0.001。
機能転帰良好:75% vs. 34%,OR 5.9,95%CI 2.1-16.7,p≦0.001。
ROC曲線解析では,臨床反応良好を予測する至適再灌流率は87%,機能転帰良好は90%であった。
*2:再灌流の程度;第1四分位群<16%,第2四分位群16~59.9%,第3四分位群60~93.9%,第4四分位群94~100%。

●有害事象

文献: Inoue M, et al.; DEFUSE 1 and 2 Investigators. Clinical outcomes strongly associated with the degree of reperfusion achieved in target mismatch patients: pooled data from the diffusion and perfusion imaging evaluation for understanding stroke evolution studies. Stroke 2013; 44: 1885-90. pubmed
関連トライアル Asdaghi N et al, EPITHET, RESTORE
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