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ARISTOTLE time in therapeutic range
結論 脳卒中/全身性塞栓症,出血,死亡について,apixabanのwarfarinに比してのベネフィットは,施設平均TTR(cTTR),個々のTTR(iTTR)にかかわらず同様であった。
コメント これまで,RE-LYROCKET AFでもTTRによるサブ解析がなされているが,今回は施設ごとの平均TTR(cTTR)のみならず,個々のTTR(iTTR)を用いて解析をしている点が他の報告と異なる。(是恒之宏

目的 新規経口抗凝固薬の有効性をwarfarinと比較する場合,warfarinコントロールの質(time in therapeutic range:TTR)が治療効果と相互に作用すると報告されている。本解析は ARISTOTLE のサブ解析として,apixabanの治療効果をTTRとの関連で検討した。有効性の主要評価項目:脳卒中(虚血性,出血性,不明)または全身性塞栓症。安全性の主要評価項目:ISTH出血基準大出血
デザイン ARISTOTLEは無作為化,二重盲検試験。NCT00412984。
セッティング 多施設(1,034施設),39ヵ国(日本を含む)。
期間
対象患者 18,201例。脳卒中リスク因子[≧75歳,脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)/非中枢神経系塞栓症既往,3ヵ月以内の症候性心不全またはLVEF≦40%,糖尿病,薬物治療を要する高血圧]を1つ以上有する心房細動患者。
【主要除外基準】可逆性の原因による心房細動,僧帽弁狭窄,人工心臓弁など心房細動以外に抗凝固薬を必要とする,aspirin>165mg/日あるいはclopidogrelとの併用を必要とする,脳卒中発症から7日以内,出血高リスク,ヘモグロビン<9g/dLの貧血,CCr<25mL/分,活動性肝疾患など。
【患者背景】[cTTR]症例数は第1四分位群(24.3~60.5%)4,494例,第2四分位群(60.6~66.3%)4,553例,第3四分位群(66.4~71.1%)4,602例,第4四分位(71.2~83.2%)4,552例。
[iTTR]症例数は第1四分位群(15.1~59.9%)4,517例,第2四分位群(60.0~65.9%)4,496例,第3四分位群(66.0~71.2%)4,633例,第4四分位(71.3~85.3%)4,555例。
治療法 ARISTOTLEは以下の2群に無作為割付。
apixaban群:5mg 1日2回投与(以下の項目のうち2つ以上該当する場合は2.5mg 1日2回投与:≧80歳,体重≦60kg,血清クレアチニン≧1.5mg/dL)。
warfarin群:PT-INR 2.0~3.0となるよう用量調整投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
warfarin群のTTRは66.0%(IQR 52.4~76.5)であった。患者特性を勘案したlinear mixed effects modelを用い,cTTR,iTTRを算出した。cTTRは66.4%(IQR 60.6~71.2),iTTRは66.0%(IQR 60.0~71.2)。
脳卒中/全身性塞栓症,全死亡,大出血,ネットクリニカルベネフィット(全身性塞栓症+全死亡+大出血)について,apixabanのwarfarinに比しての有効性はcTTR,iTTR にかかわらず一貫していた。
[cTTR]
脳卒中/全身性塞栓症(交互作用p=0.078)
第1四分位群(24.3~60.5%):HR 0.73(95%CI 0.53-1.00)。
第2四分位群(60.6~66.3%):HR 0.94(95%CI 0.67-1.31)。
第3四分位群(66.4~71.1%):HR 0.64(95%CI 0.42-0.97)。
第4四分位群(71.2~83.2%):HR 0.88(95%CI 0.57-1.35)。
全死亡(交互作用p=0.34)
第1四分位群:HR 0.91(95%CI 0.74-1.13)。
第2四分位群:HR 0.94(95%CI 0.76-1.15)。
第3四分位群:HR 0.82(95%CI 0.66-1.03)。
第4四分位群:HR 0.91(95%CI 0.71-1.16)。
大出血(交互作用p=0.095)
第1四分位群:HR 0.50(95%CI 0.36-0.70)。
第2四分位群:HR 0.64(95%CI 0.48-0.86)。
第3四分位群:HR 0.85(95%CI 0.65-1.11)。
第4四分位群:HR 0.75(95%CI 0.58-0.97)。
ネットクリニカルベネフィット(交互作用p=0.70)
第1四分位群:HR 0.79(95%CI 0.66-0.93)。
第2四分位群:HR 0.88(95%CI 0.75-1.03)。
第3四分位群:HR 0.85(95%CI 0.72-1.00)。
第4四分位群:HR 0.88(95%CI 0.75-1.04)。
[iTTR]
脳卒中/全身性塞栓症(交互作用p=0.060)
第1四分位群(15.1~59.9%):HR 0.70(95%CI 0.52-0.94)。
第2四分位群(60.0~65.9%):HR 0.92(95%CI 0.65-1.30)。
第3四分位群(66.0~71.2%):HR 0.74(95%CI 0.49-1.13)。
第4四分位群(71.3~85.3%):HR 0.87(95%CI 0.57-1.33)。
全死亡(交互作用p=0.67)
第1四分位群:HR 0.87(95%CI 0.71-1.06)。
第2四分位群:HR 0.98(95%CI 0.80-1.21)。
第3四分位群:HR 0.85(95%CI 0.68-1.06)。
第4四分位群:HR 0.89(95%CI 0.67-1.16)。
大出血(交互作用p=0.078)
第1四分位群:HR 0.48(95%CI 0.35-0.67)。
第2四分位群:HR 0.68(95%CI 0.51-0.91)。
第3四分位群:HR 0.87(95%CI 0.67-1.14)。
第4四分位群:HR 0.73(95%CI 0.55-0.94)。
ネットクリニカルベネフィット(交互作用p=0.85)
第1四分位群:HR 0.75(95%CI 0.64-0.88)。
第2四分位群:HR 0.92(95%CI 0.79-1.09)。
第3四分位群:HR 0.88(95%CI 0.74-1.03)。
第4四分位群:HR 0.85(95%CI 0.71-1.02)。

●有害事象

文献: Wallentin L, et al.; Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation (ARISTOTLE) Investigators. Efficacy and safety of apixaban compared with warfarin at different levels of predicted international normalized ratio control for stroke prevention in atrial fibrillation. Circulation 2013; 127: 2166-76. pubmed
関連トライアル ACTIVE W INR control, AFASAK 2 1999, AMADEUS, AMPLIFY, APROPOS, ARISTOTLE, ARISTOTLE cardioversion, ARISTOTLE concomitant aspirin use, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE renal function, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE type and duration of AF, ARISTOTLE-J, AVERROES, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, ENGAGE AF-TIMI 48, Hylek EM et al, J-RHYTHM target INR values, Pengo V et al, PROTECT AF, RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, ROCKET AF, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF III 1996, SPORTIF III, SPORTIF INR control, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF V, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性
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