抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
VISTA contraindications
結論 血栓溶解療法の治療禁忌および警告について解析した本結果より,日常臨床でよくみられる状況でのリスク/ベネフィットが再確認された。
コメント さまざまなガイドラインでtPA血栓溶解療法の禁忌や慎重投与項目が指摘されている。それらへの該当症例におけるtPA血栓溶解療法の効果を調べたものである。本邦の基準と同一ではないが,本邦の慎重投与項目該当例でリスクとベネフィットを説明する際の有用なデータとなろう。(矢坂正弘

目的 脳梗塞患者に対する血栓溶解療法における治療禁忌は,RCTで至適安全性を得るために設定された試験の対象/除外基準に由来するもので,経験にもとづくものではない。本解析はVISTAのデータを用い,治療禁忌や警告該当の有無により,血栓溶解療法施行例および非施行例の比較を行った。
デザイン 後ろ向き解析。
セッティング
期間 試験期間は1998~2008年。
対象患者 9,613例。脳梗塞患者。
【除外基準】現在,脳卒中後の転帰に影響することが判明している血栓溶解薬または何らかの薬剤を検討した試験の対象患者,ベースラインまたは転帰のデータが不完全な症例。
【患者背景】―
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
対象の脳梗塞患者9,613例のうち,2,755例が血栓溶解療法を受けた。1つ以上の治療禁忌に該当したのは4,793例(血栓溶解療法群1,281例,非治療群3,512例),1つ以上の治療禁忌または警告に該当したのは6,231例(血栓溶解療法群1,946例,非治療群4,285例)。
血栓溶解療法の施行は非治療にくらべ,3ヵ月後の転帰(modified Rankin Score:mRS)が良好であった(OR 1.44,95%CI 1.33-1.56,p<0.0001)。
治療禁忌や警告に該当するサブグループでも同様であった。
>80歳(1,805例):OR 1.40;1.14-1.70,p=0.0002。
脳卒中既往+糖尿病合併(672例)*:OR 1.50;1.03-2.18,p=0.0262。
抗血小板薬単剤投与あり(1,626例):OR 1.42;1.19-1.70,p=0.0001。
抗凝固療法(PT-INR≦1.7,157例):OR 2.20;1.12-4.32,p=0.0192。
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)>39(276例):OR 1.57;1.02-2.41,p=0.0008。
ベースライン時の血糖値>180(879例):OR 1.50;1.15-1.97,p=0.0019。
早期のCT所見(838例):OR 2.60;1.93-3.49,p<0.0001。
血栓溶解療法前のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア>22(620例):OR 1.57;1.12-2.18,p=0.005。
*:欧州では脳卒中既往+糖尿病合併に対する血栓溶解療法は認可されていない。

●有害事象

文献: Frank B, et al.; VISTA Collaborators. Thrombolysis in stroke despite contraindications or warnings? Stroke 2013; 44: 727-33. pubmed
関連トライアル Bichat Clinical Registry, Cappellari M et al, CASES elderly patients, ECASS III, ECASS III additional outcomes, EPITHET, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, ICARO, IST-3 18-month follow-up, J-MARS, Madrid Stroke Network, Manawadu D et al, PRACTISE gender difference, RESTORE, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, SAMURAI rt-PA Registry early neurological deterioration, Sarikaya H et al, Schellinger PD et al, Seet RC et al, Singer OC et al, SITS-ISTR, SITS-ISTR 2010, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SITS-ISTR blood pressure, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR young patients, SITS-ISTR/VISTA, SITS-ISTR/VISTA prior stroke/DM, SITS-MOST multivariable analysis, VISTA baseline severity, VISTA impact of atrial fibrillation, VISTA influence of age, 前方循環閉塞に対する血栓溶解療法
関連記事