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メタ解析
warfarin投与中のAF患者における脳卒中/全身性塞栓症リスク
Risk of Stroke or Systemic Embolism in Atrial Fibrillation Patients Treated with Warfarin: a Systematic Review and Meta-Analysis
結論 高齢,女性,脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)既往,ビタミンK拮抗薬使用未経験,腎機能障害,アスピリン使用未経験,CHADS2スコア高値の患者では,経口抗凝固療法中であっても脳卒中リスクが高かった。
コメント “stroke”は虚血性および出血性の両方を含んでいることを念頭におく必要がある。その上で,重度腎機能障害,アジア人でのリスクが高いことは,日本における高齢心房細動患者のstroke予防がいかに重要であるかを示すものとして注目に値する。今日,複数の抗凝固薬選択が可能になっているが,出血のリスク上昇と梗塞のリスク低下のリスク/ベネフィットにより配慮した抗血栓療法が求められる。(是恒之宏

目的 心房細動患者に対する経口抗凝固療法では,PT-INRのコントロールが重要となるが,脳卒中または全身性塞栓症発症の原因となるリスク因子の評価もまた重要である。本解析は,そのようなリスク因子を同定するため,解析を行った。
方法 clinicaltrials.govのほか,主要データベース(Medline,EMBASE,CINAHL)にて,非弁膜症性心房細動患者において,warfarinを抗血栓療法として脳卒中(虚血性/出血性)または全身性塞栓症の発症を評価した第III相試験を,検索語(warfarin, AF, VKAs, RCTsとstroke, systemic embolism, cerebrovascular accident, transient ischemic attackの組み合わせ)を用い検索。検索は2002~2012年に出版された英文論文に限定した。
対象 6試験(58,883例): SPORTIF III SPORTIF V BAFTA RE-LY ROCKET AF ARISTOTLE
主な結果 経口抗凝固療法中の脳卒中リスク因子として,以下の項目が同定された。
≧75歳:<75歳1.39%/年 vs. ≧75歳2.04%/年,RR 1.46,95%CI 1.25-1.69,p<0.001,I2=0%,p=0.390。
女性:男性1.48%/年 vs. 女性1.98%/年,RR 1.30;1.15-1.49,p<0.001,I2=0%,p=0.919。
脳卒中/TIA既往:既往なし1.50%/年 vs. あり2.74%/年,RR 1.85;1.32-2.60,p<0.001,I2=77.9%,p=0.004。
ビタミンK拮抗薬使用経験:使用あり1.72%/年 vs. なし2.00%/年,RR 0.85;0.74-0.97,p=0.016,I2=10.9%,p=0.338。
中等度腎機能障害:CCr 50~80mL/分1.75%/年 vs. >80mL/分1.10%/年,RR 1.54;1.30-1.81,p<0.001。
重度腎機能障害:CCr<50mL/分2.58%/年 vs. >80mL/分1.10%/年,RR 2.22;1.85-2.66,p<0.001,I2=0%,p=0.440。
アスピリン使用経験:なし1.72%/年 vs. あり2.06%/年,RR 1.19;1.04-1.37,p=0.015,I2=0%,p=0.798。
人種:アジア2.93%/年 vs. アメリカ1.72%/年,RR 1.70;1.42-2.03,p<0.001,I2=65.0%,p=0.058。
CHADS2スコア≧3点:≧3点2.48%/年 vs. 2点1.46%/年,RR 1.64;1.18-2.27,p=0.003,I2=70.4%,p=0.034。
文献: Albertsen IE, et al. Risk of Stroke or Systemic Embolism in Atrial Fibrillation Patients Treated With Warfarin: A Systematic Review and Meta-analysis. Stroke 2013; 44: 1329-36. pubmed
関連トライアル ACTIVE W CHADS2 score, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, Danish Stroke Registry, JNAF-ESP, Pearce LA et al, PROTECT AF, RE-LY, RE-LY exposure of VKA, RE-LY previous TIA or stroke, ROCKET AF, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF, SPAF I-III 1999, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPORTIF elderly patients, SPORTIF III, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防, 心房細動患者における新規抗凝固薬の有効性および安全性, 脳卒中/TIA既往を有する心房細動患者における新規抗凝固薬
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