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MR RESCUE Mechanical Retrieval and Recanalization of Stroke Clots Using Embolectomy
結論 脳卒中治療において,脳画像上のペナンブラは血管内治療でベネフィットを得られる患者を同定せず,血栓除去術は標準治療に対し優越性を示さなかった。
コメント 主幹動脈閉塞をともなう急性脳梗塞の予後は,急性期の再開通の有無に大きな影響を受ける。本試験では,肝心の再開通率が血栓除去術群で標準治療群と比較して高くないことがもっとも問題である。再開通率の高い新しいデバイスでの再検討が望まれる。(矢坂正弘

目的 脳卒中治療において,脳画像が治療のベネフィットを享受できる患者を同定できるか,血管内血栓除去術がそのような患者の臨床転帰を改善するかは明確になっていない。本試験では,脳画像で確認されたペナンブラにより治療のベネフィットを享受できる患者を同定できるという仮説を検討した。
デザイン PROBE(prospective,randomised,open,blinded endpoints),phase IIb, NCT00389467。
セッティング 多施設(22施設),北米。
期間 無作為割付期間は2004~2011年。
対象患者 118例。18~85歳,NIHSS 6~29,発症から8時間以内の大血管前方循環脳梗塞患者。
【除外基準】―
【患者背景】[ペナンブラあり]平均年齢は機械的血栓除去術群66.4歳,標準治療群65.8歳。各群の男性50%,44%。NIHSSスコア中央値16,16。登録までの平均経過時間5.3時間,5.8時間。tPA静注47%,26%。
[非ペナンブラ]平均年齢は機械的血栓除去術群61.6歳,標準治療群69.4歳。各群の男性43%,60%。NIHSSスコア中央値19,20.5。登録までの平均経過時間5.2時間,5.7時間。tPA静注40%,35%。
(NIHSSスコアのみ4群間でp<0.001)
治療法 全例に治療前にmultimodal CTまたはMRIを行い,ペナンブラの有無により層別化後,以下の2群に無作為割付。
機械的血栓除去術群:64例。Merci RetrieverまたはPenumbra Systemを使用。
標準治療群:54例。
追跡完了率
結果

●評価項目
ペナンブラは68例(58%)に認められた。
機械的血栓除去術群における再灌流率は67%であった。
90日後のmRSは両群で同程度であった(3.9 vs. 3.9,p=0.99)。
血管内血栓除去術は,ペナンブラが認められた症例(3.9 vs. 3.4,p=0.23),認められなかった症例(4.0 vs. 4.4,p=0.32)のいずれも,優越性を示さなかった。
90日後のmRSについて,前治療画像パターンと治療割付との間に交互作用は認められなかった(p=0.14)。
90日後の死亡率は21%(ペナンブラあり:機械的血栓除去術群18%,標準治療群21%,ペナンブラなし:20%,30%),症候性頭蓋内出血は4%(ペナンブラあり:9%,6%,ペナンブラなし:0%,0%)で,群間差はみられなかった。

●有害事象

文献: Kidwell CS, et al.; MR RESCUE Investigators. A trial of imaging selection and endovascular treatment for ischemic stroke. N Engl J Med 2013; 368: 914-23. pubmed
関連トライアル ECASS III, ECASS III additional outcomes, Guillan M et al, IMS III, MERCI and Multi MERCI previous IV tPA, NINDS rt-PA Stroke Study 1995, RESTORE, Schellinger PD et al, SITS-ISTR importance of recanalization, STRokE DOC, SYNTHESIS Expansion, 前方循環閉塞に対する血栓溶解療法
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