抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
AMPLIFY-EXT Apixaban after the Initial Management of Pulmonary Embolism and Deep Vein Thrombosis with First-Line Therapy-Extended Treatment
結論 静脈血栓塞栓症(VTE)患者に対するapixabanの延長投与は,治療用量(5mg),予防用量(2.5 mg) のいずれも,大出血を増加させずに再発を抑制した。
コメント 静脈血栓塞栓症に対して6~12ヵ月間の抗凝固療法後,再発予防目的での更なる抗凝固療法継続の効果を,新規経口第Xa因子阻害薬アピキサバン2.5mg,1日2回投与群と5.0mg,1日2回投与群で比較した。アピキサバン投与群では両投与量ともにプラセボ群と比較して,出血のリスクを増加させることなく,有意に静脈血栓塞栓症の再発を抑制することが示された。今回の結果からは,アピキサバンの延長投与における予防用量での静脈血栓塞栓症再発予防の有効性と安全性が立証された。(山田典一

目的 6~12ヵ月間の抗凝固療法を終了し,治療の継続/中止について臨床的均衡状態 (clinical equipoise)にあるVTE患者において,apixaban(2.5mgおよび5mg各1日2回)の有効性,安全性をプラセボと比較検討した。有効性主要評価項目:症候性VTE再発+全死亡の複合。安全性主要評価項目:大出血。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。NCT00633893。
セッティング 多施設(328施設),28ヵ国。
期間 登録期間は2008年5月~2011年7月。試験薬投与予定期間中央値は12ヵ月。
対象患者 2,482例。18歳以上,客観的に診断された症候性深部静脈血栓症(DVT)または肺塞栓症(PE;DVT合併の有無を問わない)患者。6~12ヵ月間の標準的抗凝固療法,もしくはAMPLIFY(NCT00643201)に参加し,apixabanまたはenoxaparin+warfarin併用投与を終了した症例。かつ,抗凝固療法中に症候性再発がなく,抗凝固療法の継続/中止について臨床的均衡状態にある症例。
【除外基準】抗凝固療法継続に対する禁忌または経口抗凝固薬/抗血小板薬2剤併用/165mg/日超のaspirin継続の必要性,ヘモグロビン9mg/dL未満,血小板数10万/mm3未満,血清クレアチニン2.5mg/dL超またはクレアチニンクリアランス(CCr)25mL/分未満,ALT/ASTが正常値上限の2倍超,総ビリルビンが正常値上限の1.5倍超など。
【患者背景】平均年齢は2.5mg群56.6±15.3歳,5mg群56.4±15.6歳,プラセボ群57.1±15.2歳。各群の男性58.0%,57.7%,56.5%。体重85.7±19.8kg,85.7±19.1kg,84.7±18.6kg。CCr>30~≦50mL/分5.6%,5.0%,5.3%,>50~≦80mL/分20.7%,20.7%,23.4%,>80mL/分70.8%,71.3%,68.0%。初期の診断:DVT 64.8%,64.8%,66.5%,PE 35.2%,35.2%,33.5%。初期診断時におけるVTEの臨床所見:特発性93.2%,90.7%,91.1%,一過性/可逆性リスク因子関連6.7%,9.3%,8.7%。DVT/PE既往11.8%,14.5%,11.9%。
治療法 それまで受けていた抗凝固薬最終投与から約7日後(ビタミンK拮抗薬投与例ではPT-INRが2.0以下になった時点)に登録し,初期の診断(DVTまたはPE),AMPLIFY参加の有無により層別化後,以下の3群に無作為割付。
2.5mg群:840例。apixaban 2.5mg 1日2回投与。
5mg群:813例。apixaban 5mg 1日2回投与。
プラセボ群:829例。
試験中は抗血小板薬2剤併用,165mg/日超のaspirin,cytochrome P-450 3A4およびP-糖蛋白質の強力な阻害剤は使用を禁止した。
追跡完了率 追跡不能は2.5mg群2例,5mg群4例,プラセボ群8例。
結果

●評価項目
有効性主要評価項目は,apixabanの両群ともプラセボに比し抑制した。
2.5mg群:32例(3.8%),RR 0.33,95%CI 0.22-0.48,差7.8%,p<0.001。
5mg群:34例(4.2%),RR 0.36,95%CI 0.25-0.53,差7.4%,p<0.001。
プラセボ群:96例(11.6%)
症候性VTE再発またはVTE関連死も同様にapixaban群で抑制した。
2.5mg群:14例(1.7%),RR 0.19,95%CI 0.11-0.33,差7.2%,p<0.001。
5mg群:14例(1.7%),RR 0.20,95%CI 0.11-0.34,差7.0%,p<0.001。
プラセボ群:73例(8.8%)。
大出血は同程度であった。
2.5mg群:2例(0.2%),RR 0.49,95%CI 0.09-2.64。
5mg群:1例(0.1%),RR 0.25,95%CI 0.03-2.24。
プラセボ群:4例(0.5%)。
大出血ではないが臨床的に問題となる出血も,3群間で同程度であった; 2.5mg群3.0%,5mg群4.2%,プラセボ群2.3%。
全死亡は2.5mg群0.8%,5mg群0.5%,プラセボ群1.7%。
(RRはプラセボ群に対する数値を示す)

●有害事象

文献: Agnelli G, et al.; PLIFY-EXT Investigators. Apixaban for extended treatment of venous thromboembolism. N Engl J Med 2013; 368: 699-708. pubmed
関連トライアル ADOPT, ADVANCE, ADVANCE-2, ADVANCE-3 , AMPLIFY, APPRAISE, APPRAISE-2, APROPOS, ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE-J, ASPIRE, ATLAS ACS-TIMI 46 , AVERROES, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, Botticelli, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, Hokusai-VTE, LIFENOX, PREVENT 2003, RE-COVER, RE-MEDY & RE-SONATE, RE-NOVATE, RECORD1, RECORD2, RECORD3, RUBY-1, SAVE-KNEE, SAVE-HIP1, SAVE-HIP2, SAVE-ONCO, THRIVE III, van Gogh Studies prophylaxis, WARFASA
関連記事