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メタ解析
長期VKA療法患者における周術期橋渡し療法
Periprocedural Heparin Bridging in Patients Receiving Vitamin K Antagonists: Systematic Review and Meta-Analysis of Bleeding and Thromboembolic Rates
結論 長期ビタミンK拮抗薬投与を受けている患者において,周術期の低分子量heparin(LMWH)による橋渡し療法は,橋渡し療法非施行に比し,すべての出血および大出血のリスクを上昇させた。血栓塞栓イベントは同程度であった。

目的 長期ビタミンK拮抗薬投与を受けている患者に対する至適周術期抗凝固療法は明確になっていない。本解析では,周術期橋渡し療法の安全性および有効性を検討した。
方法 Medline,EMBASE,Cochrane Collaboration databaseにて,2001年1月1日~2010年7月31日に出版された英文論文を検索。また,ACCPガイドライン(第8版および第9版)の文献リストのマニュアル検索も行った。
対象:18歳以上,待機的侵襲的手技/手術,術前に長期ビタミンK拮抗薬投与,少なくとも一部の患者に対しLMWHによる橋渡し療法を施行,血栓および出血イベントを報告。
除外:LMWHによる橋渡し療法が禁忌となる重度腎不全患者(クレアチニンクリアランス<30mL/分)を対象とした試験。
対象 34件(コホート研究33件+ランダム化比較試験1件,12,278例)。
追跡期間中央値は30(範囲7~90)日。
30件における抗凝固療法の適応病態:心房細動44%,機械弁24%,静脈血栓塞栓症既往22%,その他10%。
34件における侵襲的手技の内訳:内視鏡19件,整形外科18件,歯科16件,眼科15件,心デバイス植込み12件,皮膚科12件,造影12件。
34件における外科的手技の内訳:泌尿器19件,一般外科19件,腹部14件,血管14件,婦人科14件,心胸郭13件,神経学6件。
LMWHの術前中止:12~23時間以内に中止36%,24時間以上前に中止36%。
LMWHの術後再開:24時間以内に再開55%,24時間以上後に再開16%。
主な結果 ・血栓塞栓イベント
橋渡し療法群73/7,118例(統合発生率0.9%,95%CI 0.0-3.4),非施行群32/5,160例(統合発生率0.6%,95%CI 0.0-1.2)に発生した。このうち動脈イベントは橋渡し療法群50例(68%),非施行群15例(47%)であった。
(橋渡し療法と非施行を比較した8件,計5,184例)
橋渡し療法によるリスク低下はみられなかった(OR 0.80,95%CI 0.42-1.54,p=0.50,不均一性p=0.82,I2=0%)。

・出血イベント
橋渡し療法は出血リスク,大出血リスクを上昇させた。
出血リスク(13件,計7,095例):OR 5.40,95%CI 3.00-9.74,p<0.00001,不均一性p=0.00001,I2=77%。
大出血リスク(5件,計3,501例):OR 3.60,95%CI 1.52-8.50,p=0.004,不均一性p=0.08,I2=52%。

・LMWHの治療用量と予防用量との比較
血栓塞栓イベントについて,橋渡し療法によるリスク低下は認められなかった(OR 0.30,95%CI 0.04-2.09,I2=0%)。出血リスクは上昇したが,不均一性がみられた(OR 2.28,95%CI 1.27-4.08,I2=77%)。
文献: Siegal D, et al. Periprocedural heparin bridging in patients receiving vitamin k antagonists: systematic review and meta-analysis of bleeding and thromboembolic rates. Circulation 2012; 126: 1630-9. pubmed
関連トライアル ACE , AMADEUS, BRUISE CONTROL, Crowther MA et al, Dresden NOAC registry, FCSA, Garcia DA et al, Jaffer AK et al, Lakkireddy D et al, Main-LITE, PROTECT, RE-LY periprocedural bleeding, Skeith L et al, STEEPLE, van Gogh Studies, Yokoshiki H et al, 抗凝固療法のセルフモニタリング, 心血管疾患リスクを有する患者におけるaspirin+OAC併用とOAC単独投与の比較, 心房細動患者における新規抗凝固薬の有効性および安全性
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