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メタ解析
CAD患者に対するPAR-1拮抗薬の安全性および有効性
Safety and Efficacy of Protease-Activated Receptor-1 Antagonists in Patients with Coronary Artery Disease: a Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials
結論 冠動脈疾患患者において,PAR-1拮抗薬はプラセボに比し,虚血イベントを減少させたが,これはおもに心筋梗塞の減少によるものであった。一方,臨床的に意味のある出血は増加した。

目的 新規PAR-1拮抗薬(vorapaxar,atopaxar)は,第II相試験では期待できる結果が得られたが,vorapaxarの第III相試験で安全性についての懸念が浮上した。本メタ解析では,高リスクのCAD患者における新規PAR-1拮抗薬の有効性,安全性を検討した。
方法 インターネットにて検索語PAR-1,SCH530348,E5555,vorapaxar,atopaxarを用い,以下のすべてを満たしているランダム化比較試験を検索[(1)対象:CAD患者,(2)PAR-1拮抗薬群またはプラセボ群に割付,(3)出血と主要有害心/脳血管事象(MACCEs)の両方の転帰を報告]。
対象 8試験(TRA-PCI,J-TRA-PCI,J-LANCELOT-ACS,J-LANCELOT-CAD,LANCELOT-ACS,LANCELOT-CAD,TRA-CER,TRA-2P)。
患者数:41,647例。
試験の内訳:vorapaxarの第II相試験2件(1,147例),atopaxarの第II相試験4件(1,827例),vorapaxarの第III相試験2件(39,393例)。
主な結果 ・大出血
PAR-1阻害薬はプラセボに比べ,TIMI出血基準の臨床的に意味のある出血を増加させた(固定効果モデル)。不均一性(p=0.89),出版バイアス(p=0.53)は認められなかった。その他の出血についても同じような結果であった。
臨床的に意味のある出血:OR 1.48,95%CI 1.39-1.57,p<0.001。
大出血:OR 1.46,95%CI 1.28-1.67,p<0.001,不均一性p=0.92。
小出血:OR 1.67,95%CI 1.40-2.00,p<0.001,不均一性p=0.19。
頭蓋内出血(TRA-CER,TRA-2Pの2試験):OR 2.17,95%CI 1.61-2.91,p<0.001,不均一性p=0.14。

・死亡+心筋梗塞+脳卒中
PAR-1阻害薬はプラセボに比べ,死亡+心筋梗塞+脳卒中を減少させた(固定効果モデル)。不均一性(p=0.34),出版バイアス(p=0.29)は認められなかった。この効果は,おもに心筋梗塞の減少によるものであった。
死亡+心筋梗塞+脳卒中:OR 0.87,95%CI 0.81-0.92,p<0.001。
心筋梗塞:OR 0.84,95%CI 0.76-0.91,p<0.001,不均一性p=0.19。
死亡,脳卒中については有意差は認められなかった。
死亡:OR 0.99,95%CI 0.90-1.09,p=0.81。
脳卒中:OR 0.96,95%CI 0.84-1.10,p=0.59。

・MACCEs(死亡+心筋梗塞+脳卒中+虚血再発)
PAR-1阻害薬はプラセボに比べ,MACCEsを減少させた(OR 0.89,95%CI 0.84-0.94,p<0.001,固定効果モデル)。不均一性(p=0.20),出版バイアス(p=0.14)は認められなかった。
文献: Capodanno D, et al. Safety and efficacy of protease-activated receptor-1 antagonists in patients with coronary artery disease: a meta-analysis of randomized clinical trials. J Thromb Haemost 2012; 10: 2006-15. pubmed
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