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REVERSE PTS substudy
結論 初発の特発性深部静脈血栓症(DVT)患者において,PT-INRが治療域以下のwarfarin療法は血栓後遺症(PTS)を増加させた。

目的 PTSはDVTのもっとも多い合併症であるが,そのリスク因子についてはよくわかっていない。本研究はREVERSEのデータを用い,PT-INRが治療域以下のwarfarin療法がPTS発症を増加させるか,検討を行った。
デザイン REVERSEはコホート研究。本解析はPTS発症に関する後ろ向き解析。
セッティング REVERSEは多施設,複数国。
期間 登録期間は2001年10月~2006年3月。
対象患者 349例。REVERSE対象患者(5~7ヵ月前に客観的検査により確定診断を受けた,初発の特発性近位部DVTまたはPE患者)のうち,当該イベントがDVTの患者。肺塞栓症(PE)併発の有無は問わなかった。
【除外基準】warfarin投与中のVTE再発,17歳以下,抗凝固療法中断例,VTE以外に抗凝固療法の適応病態を有する,特発性VTEの既往,主要血栓性素因[プロテインC欠乏症,プロテインS欠乏症,アンチトロンビン欠乏症,ループスアンチコアグラント持続陽性,抗カルジオリピン抗体持続高力価(>30単位/mL),ホモ接合性/2つ以上のヘテロ接合性血栓素因変異(第5因子ライデン変異,プロトロンビンG20210A変異)]。
【患者背景】平均年齢はPTS発症例55.6±17.9歳,非発症例53.7±17.0歳。女性50.5%,42.1%。BMI 30.4,29.0。続発性VTE既往5.2%,5.2%。当該イベント:DVT単独78.4%,79.4%,DVT+PE 21.6%,20.6%。段階的圧迫ストッキングの使用41.2%,44.8%。抗凝固療法期間総計200±18.0日,199±16.6日。
治療法 当該イベント発症後,heparinまたは低分子量heparinおよびwarfarinを5日以上オーバーラップさせて投与した。その後5~7カ月間,PT-INR 2.0~3.0となるようwarfarinを投与し,本研究に登録した時点で投与を中止した。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
PTSは97例(28%)に発症した。Villalta スコアによる重症度は軽度79.4%,中等度16.5%,重度4.1%であった。
すべての抗凝固療法期間におけるTTR は,PTS発症例では62.3±20.0%で,非発症例の65.1±19.1%と同程度であった。しかし,抗凝固療法開始からの3ヵ月間,PT-INRが<2であった時間の割合は,PTS発症例では30±24%で,非発症例の24±22%に比し高かった(p=0.023)。全期間におけるPT-INRが<2であった時間の割合は,PTS発症例では27±19%で,非発症例の23±18%と同程度であった(p=0.08)。
PT-INRが治療域以下であった症例(PT-INR<2の時間が20%を超える症例)におけるPTS発症率は33.5%で,PT-INR<2の時間が20%以下であった症例の21.6%より多かった(p=0.01)。
多変量解析によると,治療域以下のPT-INRはPTS発症を増加させた
最初の3カ月間:補正後OR 1.84,95%CI 1.13-3.01。
全期間:補正後OR 1.88,95%CI 1.15-3.07。

●有害事象

文献: Chitsike RS, et al. Risk of post-thrombotic syndrome after subtherapeutic warfarin anticoagulation for a first unprovoked deep vein thrombosis: results from the REVERSE study. J Thromb Haemost 2012; 10: 2039-44. pubmed
関連トライアル ACTION Registry-GWTG stratified analysis, CaVenT, DURAC, ELATE post-thrombotic syndrome, González-Fajardo JA et al, IN-RANGE, Palareti G et al, THRIVE, WAPS, 急性腸骨大腿部DVT治療における血栓摘除術,カテーテル血栓溶解療法の効果
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