抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Denas G et al Major Bleeding in Patients Undergoing PCI and Triple or Dual Antithrombotic Therapy: a Parallel-Cohort Study
結論 PCI施行後,抗血栓薬3剤投与(aspirin+clopidogrel+warfarin)を受け退院した患者は,抗血小板薬2剤併用例に比し,専門施設での綿密なモニタリングにもかかわらず,大出血発生率が高かった。

目的 PCIを受け,抗血栓薬を3剤(aspirin+clopidogrel+warfarin)投与され退院した患者におけるイベント発症率を,抗血小板薬2剤併用群と比較する。一次エンドポイント:ISCOAT基準大出血(致死的出血,重要な部位の出血,臨床的に明らかな出血)。二次エンドポイント:主要有害心事象[MACE,急性冠症候群再発,一過性脳虚血発作/脳卒中,末梢/内臓塞栓症,深部静脈血栓症(DVT),肺塞栓症(PE)]。
デザイン 後ろ向きパラレルコホート研究。
セッティング 多施設,イタリア。
期間 追跡期間は3剤併用群6ヵ月,2剤併用群7ヵ月。
対象患者 460例。[3剤併用群]2005年1月1日~2010年6月30日の間に特定された,ステント植込みを受け,抗血栓薬を3剤(aspirin+clopidogrel+warfarin)投与され退院した患者。
[2剤併用群]3剤併用群1例につき,同時期に退院した,ステント植込みを受け,aspirinおよびclopidogrelを投与され退院した患者を1例登録。
【除外基準】―
【患者背景】年齢は3剤併用群66±18歳,2剤併用群63±12歳*。各群の男性74.7%,81.8%*。リスク因子:高血圧71.2%,74.5%,糖尿病24.0%,26.0%,心不全29.3%,3.9%*,脳卒中/全身性塞栓症の既往21.4%,3.4%*。PCIの適応病態:ST上昇型心筋梗塞(STEMI)36.2%,58.4%*,NSTEMI 16.6%,16.9%,不安定狭心症32.8%,10.8%*,安定狭心症14.4%,13.9%。3剤併用群における抗凝固療法の適応病態:心房細動かつ/または脳卒中,全身性塞栓症59.8%,DVT/PE 31.9%,人工心臓弁8.3%。心房細動患者におけるCHA2DS2VAScスコア1点3.8%。*:単変量解析にて有意差あり。
治療法 ステント,薬物療法の選択は担当医により決定された。
3剤併用群:229例。aspirin 100mg/日,clopidogrel 75mg/日,warfarin(PT-INRにより用量調節)。PCI施行時にはbridging therapyを実施。
2剤併用群:231例。aspirin 100mg/日,clopidogrel 75mg/日。
追跡完了率 追跡不能は3剤併用群2例。
結果

●評価項目
追跡期間6または7ヵ月において,ISCOAT基準大出血は3剤併用群11例(4.8%,9.1% 患者・年,致死的1例)で,2剤併用群1例(0.4%,0.7%患者・年)に比し多かった(p=0.003)。
出血発生時のPT-INRは,消化管出血の1例(PT-INR 3.20)を除き治療域内であった。手術/インターベンションを受けた患者のPT-INRは<1.5であった。
大出血のほとんど(72.7%)が消化管出血で,残りは頭蓋内出血(うち致死的1例)であった。
3剤併用群の大出血のうち,最初の30日間に発生したのは2例のみであった。2剤併用群の出血1例は60日後に発生した。
GUSTO基準では,3剤併用群は重篤な出血3例,中等度の出血6例,軽度の出血2例,2剤併用群は軽度の出血1例であった。
コックス回帰分析によると,抗血栓薬3剤併用は大出血の独立予測因子であった(HR 20.6,95%CI 2.5-169.7,p=0.005)。
MACEは3剤併用群12 例(5.2%),DAT群2剤併用例(6.9%)であった。脳内イベントは3例,2例で,残りは心イベントであった。3剤併用群のうち2例は虚血心イベントのため死亡した。

●有害事象

文献: Denas G, et al. Major bleeding in patients undergoing PCI and triple or dual antithrombotic therapy: a parallel-cohort study. J Thromb Thrombolysis 2013; 35: 178-84. pubmed
関連トライアル BAT, CREDO, DECLARE-LONG II, KAMIR, Lamberts M et al, MUSICA , Olson KL et al, Sarafoff N et al, Sørensen R et al
関連記事