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Danish National Patient Registry clopidogrel discontinuation
結論 心筋梗塞(MI)発症後clopidogrel投与を受けた患者における死亡またはMI再発のリスクは,時間経過とともに低下した。薬物療法のみの患者では,12カ月間投与後中止した場合の90日間におけるリスクは,次の90日間における中止のリスクと同程度であった。しかしPCI施行患者では,12カ月後でもまだ有意差がみられた。PCI施行患者と薬物療法のみの患者では,抗血小板療法の至適期間は異なるものと考えられた。

目的 現行のガイドラインでは,急性MI患者に対しては12カ月間のclopidogrel投与が推奨されているが,それ以上の延長投与についての評価は定まっていない。本解析では,初発MIのため入院した患者において,clopidogrel中止後の死亡およびMI再発リスクを検討するため,中止後90日間のリスクを,つぎの90日間のリスクと比較した。主要評価項目:全死亡+MI再発のための入院。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設,デンマーク。
期間 追跡期間は18カ月。
対象患者 29,268例。Danish National Patient Registry登録患者(デンマークの全病院への入院患者)のうち,2004~2009年にMIのため入院した30歳以上の患者で,退院後30日以内にclopidogrelを処方された症例。PCI施行の有無は問わなかった。
【除外基準】MI既往,データ欠損,clopidogrel使用経験。
【患者背景】平均年齢は薬物療法群72.0±12.9歳,PCI群63.8±12.1歳。各群の男性56.6%,72.7%。合併症:糖尿病5.9%,2.7%,不整脈12.4%,6.1%。薬物療法:ループ利尿薬45.5%,20.1%,aspirin 78.3%,88.3%,statin 81.9%,96.1%,β遮断薬79.0%,89.5%,ACE阻害薬51.2%,55.4%。
治療法 対象患者に対しclopidogrelを投与。
当該MI発症後の経過期間について,3カ月間隔で患者を層別化した。投与中止から90日後までのリスクを,次の90日間のリスクと比較した。
追跡完了率
結果

●評価項目
全例のうち,薬物療法のみを受けた症例は9,819 例(33.6%),PCIを受けた症例は19,449例(66.4%)であった。
死亡またはMI再発は3,214例(11.0%)であった。内訳は,薬物療法単独群1,962例(20.0%),PCI施行群1,252例(6.4%)。
[薬物療法単独群]
clopidogrel中止から90日後までの死亡またはMI再発リスクは,clopidogrelの投与期間が長くなるにつれ低下し,12カ月後の時点で有意差は消失した[補正後罹患率比(IRR)1.07,0.65-1.76,p=0.79]。
MI再発についても同様のパターンが認められた(12カ月後時点:IRR 0.77,0.36-1.67,p=0.51)。
[PCI施行群]
薬物療法単独群と同様に,clopidogrel中止から90日後までの死亡またはMI再発リスクは,clopidogrelの投与期間が長くなるにつれ低下したが,12カ月後の時点でもまだ有意差が認められた(IRR 1.59,1.11-2.30,p=0.013)。
MI再発についても同様のパターンが認められた(12カ月後時点:IRR 1.87,1.11-3.15,p=0.019)。

●有害事象

文献: Charlot M, et al. Clopidogrel discontinuation after myocardial infarction and risk of thrombosis: a nationwide cohort study. Eur Heart J 2012; 33: 2527-34. pubmed
関連トライアル AFIJI CYP2C19, Andersson C et al, BASKET-LATE, CREDO, DES留置後のDAPT延長投与, FAST-MI CYP2C19 and PPI, Lamberts M et al, MINAP-GPRD, PCI-CLARITY, PCI-CURE, Sachdeva A et al, SCAAR upstream clopidogrel treatment, Sørensen R et al, Sorensen R et al (2011), TRITON-TIMI 38 PCI
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