抗血栓トライアルデータベース
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RE-LY periprocedural bleeding
結論 侵襲的手技/手術を受ける心房細動患者におけるdabigatranの周術期の出血リスクは,緊急手術であってもwarfarinと同程度であった。dabigatranにより,抗凝固薬休薬期間の短縮が容易となった。

目的 dabigatranはwarfarinに比し抗凝固効果が予測可能であり,また半減期が短いため周術期の抗凝固管理を単純化できる可能性があるが,周術期における出血/血栓イベントリスクはまだ明らかになっていない。本解析では,RE-LY試験対象患者における周術期(手技の7日前から30日後まで)の出血リスクについて,dabigatranとwarfarinで比較検討を行った。
デザイン
セッティング
期間 平均追跡期間は2年。
対象患者 4,591例。RE-LY試験対象患者のうち,試験期間中に侵襲的手技/手術を受けた症例。
【除外基準】―
【患者背景】平均年齢は110mg群72.3±7.7歳,150mg群72.5±7.7歳,warfarin群72.6±7.4歳。各群の男性69.9%,66.6%,68.2%。経口抗凝固薬前投与58.6%,56.9%,56.7%。CHADS2スコア全群2.1±1.1。冠動脈疾患35.8%,34.3%,35.4%。脳卒中既往10.8%,10.4%,10.5%。手術の種類:ペースメーカー/ICD 11.6%,9.5%,9.8%,歯科処置9.5%,9.2%,11.4%,診断的手技(経皮的生検など)9.7%,10.1%,10.1%,白内障手術8.3%,10.1%,9.6%,大腸内視鏡検査9.6%,8.9%,7.4%,完全股/膝関節置換術5.9%,6.1%,6.7%,冠動脈造影7.0%,5.3%,6.4%,膀胱鏡検査5.2%,4.7%,5.0%。
治療法 周術期のwarfarin投与は各施設の慣行にしたがった。
dabigatranは,2005年12月22日~2008年8月7日の間は手術/手技を行う全例で24時間前に休薬としたが,2008年8月7日~2009年3月31日(試験終了日)は,出血リスクの低い手技/手術では24時間前,高い手技/手術では2~5日前に休薬とし,再開はすべての症例において止血確認後とした。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
4,591例が1回以上侵襲的手技を受けた(dabigatran 110mg群24.7%,150mg群 25.4%,warfarin群25.9%,p=0.34)。
手技の内容は,ペースメーカー/ 除細動器埋め込み(10.3%),歯科手技(10.0%),診断的手技(10.0%),白内障手術(9.3%),大腸内視鏡検査(8.6%),関節置換術(6.2%)であった(患者背景の項参照)。
heparinまたは低分子量heparin静注によるbridging therapyは,110mg群15.3%,150mg群 17.0%,warfarin群28.5%に行われた(p<0.001)。
dabigatran群(両用量)の試験薬最終投与は手技の 49 (IQR 35~85)時間前で,warfarin群の114(IQR 87~144) 時間前に比し,抗凝固薬休薬時間が短かった(p<0.001)。
脳梗塞または全身性塞栓症は全群0.5%であった。
周術期大出血は3群間で同程度であった;110mg群(3.8%),150mg群(5.1%),warfarin群(4.6%),110mg群 vs. warfarin群:RR 0.83,95%CI 0.59-1.17,p=0.28,150mg群 vs. warfarin群:RR 1.09,95%CI 0.80-1.49,p=0.58。
緊急手術を受けた患者における大出血も同程度であった;110mg群17.8%,150mg群17.7%,warfarin群21.6%,110群:RR 0.82,95%CI 0.48-1.41,p=0.47,150mg群:RR 0.82,95%CI 0.50-1.35,p=0.44。

●有害事象

文献: Healey JS, et al.; on behalf of the RE-LY Investigators. Periprocedural Bleeding and Thromboembolic Events With Dabigatran Compared With Warfarin: Results From the Randomized Evaluation of Long-Term Anticoagulation Therapy (RE-LY) Randomized Trial. Circulation 2012; 126: 343-8. pubmed
関連トライアル BRUISE CONTROL, Crowther MA et al, dabigatranの急性冠イベントリスク, Garcia DA et al, Gherli T et al, Jaffer AK et al, Kaseno K et al, Lakkireddy D et al, Majeed A et al, RE-ALIGN, RE-COVER, RE-COVER II , RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY cardioversion, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RE-MEDY & RE-SONATE, RELY-ABLE, SPAF II 1996, Witt DM et al, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性, 長期VKA療法患者における周術期橋渡し療法
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