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TRITON-TIMI 38 CABG cohort
結論 TRITON-TIMI 38登録の急性冠症候群(ACS)患者において,出血,血小板輸血,外科的再診査が増加したにもかかわらず,prasugrelはclopidogrelに比し,CABG後の死亡を抑制した。

目的 TRITON-TIMI 38において,prasugrel群のCABG関連出血発生率はclopidogrel群に比し高かったが(13.4% vs. 3.2%,p<0.001),死亡率は低い傾向がみられた。本解析は,データを追加し,CABG施行前のprasugrelまたはclopidogrel中止のタイミングと出血,輸血,その他の転帰との関連を検討する。
デザイン TRITON-TIMI 38は無作為割付,二重盲検試験。
セッティング
期間 TRITON-TIMI 38試験期間は2004年11月~2007年1月。
対象患者 346例。TRITON-TIMI 38登録のACS患者のうち,試験期間中にCABGを受けた患者。
【除外基準】データを入手できなかった患者,CABGと同時に心臓の大手術を施行,手術前における抗血小板薬のオープンラベル使用,試験薬の投与を受けなかった患者。
【患者背景】症例数はprasugrel群173例,clopidogrel群173例。各群の年齢中央値は60.0歳,62.0歳。男性75.1%,78.0%。病歴:脳血管疾患8.1%,7.5%,高血圧66.5%,61.9%,糖尿病29.5%,27.2%。試験参加の疾患:不安定狭心症/非ST上昇型心筋梗塞63.6%,64.7%,ST上昇型心筋梗塞36.4%,35.3%。術前の心不全12.2%,9.3%。CABG施行:待機的84.4%,85.0%,緊急13.9%,12.7%。オンポンプ75.0%,86.0%(p=0.010)。病変血管数:1枝15.0%,13.9%,2枝62.4%,60.7%,3枝20.8%,20.2%。
治療法 TRITON-TIMI 38はprasugrel群(負荷用量60mg,維持用量10mg/日),clopidogrel群(負荷用量300mg/日,維持用量75mg/日)に無作為割付。試験薬は15ヵ月間,aspirinと併用投与を行った。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
CABGの施行は無作為割付ではなかったため,データを補正して解析を行った。
12時間の胸腔チューブ失血量はprasugrel群のほうがclopidogrel群に比し多かったが(655±580 mL vs. 503±378 mL,p=0.050),赤血球輸血(2.1 単位 vs. 1.7 単位,p=0.442),すべての曝露(濃厚赤血球+全血+血小板+cryoprecipitate+新鮮凍結血漿;4.4単位 vs. 3.0単位,p=0.463)は同程度であった。外科的再診査はprasugrel群のほうが多い傾向がみられた(11例 vs. 4例)。
全死亡,全心血管死はprasugrel群のほうが少なかった。
全死亡:2.31% vs. 8.67%,補正後OR 0.26,95%CI 0.08-0.85,p=0.025。
全心血管死:1.73% vs. 6.94%,補正後OR 0.25,95%CI 0.07-0.98,p=0.047。

●有害事象

文献: Smith PK, et al. Mortality Benefit With Prasugrel in the TRITON-TIMI 38 Coronary Artery Bypass Grafting Cohort: Risk-Adjusted Retrospective Data Analysis. J Am Coll Cardiol 2012; 60: 388-96. pubmed
関連トライアル ACCOAST, Berger JS et al, CABG施行までのclopidogrel継続投与の安全性, PLATO bleeding complications, PRINCIPLE-TIMI 44, Saadeh C et al, Sarafoff N et al, TRILOGY ACS, TRILOGY ACS elderly patients, TRILOGY ACS secondary analysis , TRITON-TIMI 38, TRITON-TIMI 38 bleeding, TRITON-TIMI 38 diabetes, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose, TRITON-TIMI 38 early and late benefits, TRITON-TIMI 38 PCI
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